蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【プロ野球】西川、サヨナラ満塁王手弾 日本ハムが劇的3連勝2016年10月28日 紙面から
◇日本シリーズ<第5戦> 日本ハム5−1広島日本ハムが劇的な一撃で王手をかけた。2勝2敗で迎えた日本シリーズ第5戦は1−1の9回、2死満塁から西川遥輝内野手(24)が右へサヨナラのグランドスラム。3連勝で10年ぶり3度目の日本一にあと1勝とした。広島は鈴木の中前打で先制。先発ジョンソンは6イニング無失点と好投したが、2連勝の後に敵地で3連敗し、後がなくなった。28日は移動日で試合がなく、29日の第6戦から再びマツダスタジアムで行われる。 ◇ 熱くなる思いを抑え、日本ハム・西川は冷静を保った。9回2死満塁。中崎の直球をフルスイングした打球はファイターズファンの夢を乗せ、右翼席へ突き刺さった。一塁を回り、西川は両拳を何度も握り締めた。劇的すぎるサヨナラ満塁本塁打。地鳴りのような大歓声の中、本塁を踏み締めると、取り囲んだチームメートたちに頭を思い切りたたかれながら絶叫した。 地元・札幌ドームの万雷の拍手の中で上がったお立ち台。「僕も何が起きたか、分からないくらい興奮しています。叫びすぎて喉がかれてしまいそうなくらいです」。背番号7の紅潮した顔が、興奮の度合いを物語った。 先輩のためにも…という思いで打席へ向かった。直前の2死一、三塁。岡が臀部(でんぶ)に死球を受けると、両軍選手がベンチを飛び出し、一触即発の状態に陥った。 「岡さんがああいう形でデッドボールを受けて、燃えるものがあった」。それでも満塁での打席に備え、にらみ合いの列には加わらなかった。「打席に立ち遅れることだけは嫌だった」。冷静に中崎の投球をイメージし、劇弾を生んだ。 今季、リーグ2位の打率3割1分4厘をマークした裏側には、1年前の挫折がある。昨年9月13日、2年連続盗塁王のタイトルを争いながら、打撃不振で2軍落ちを通告された。栗山監督は言う。 「遥輝(西川)に求めているものはそんな小さなもんじゃない。あいつは山田を超えられる存在なんだ」。同い年の2年連続トリプルスリーを超えられる選手に大きく羽ばたいてほしいからこその荒療治。指揮官はこの日の活躍に「野球の神様は苦労しているヤツを見てくれている」と目を潤ませた。 日本シリーズでのサヨナラ満塁本塁打は、1992年のヤクルト・杉浦享以来2人目。くしくもその年に西川は生まれた。敵地での連敗から、本拠地で飾った3連勝。第6戦は広島に舞台を移す。ヒーローは最後に「早く決めて札幌に戻ってきます」と高らかに日本一を宣言した。 (水足丈夫) PR情報
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