ラブライブ!派生キャラ のんたぬのAA・SS・イラスト等を保管していきます

絢瀬家、リビング


亜里沙「いらっしゃい雪穂」

雪穂「おじゃましま〜す」

のんたぬ「ややや!(右手をビシッと挙げ)やん!」

雪穂「(右手を挙げ)やん!のんちゃん、こんにちは!」

亜里沙「あれ…穂乃果さんは?一緒に来るんじゃなかったの?」

雪穂「ああ…うん…その事は後でね」

亜里沙「うん」

のんたぬ「やんやん?」

雪穂「うん…遊ぼうね…の前に…」

のんたぬ「やん?」

雪穂「今日はね…これをのんちゃんにあげようと思って」


雪穂がバッグから取り出したのは二つの少し古い感じの巾着袋


のんたぬ「や〜ん?」

亜里沙「雪穂…これは?なにか入っているみたいだけど」

雪穂「うん…これはね(巾着の中に手を入れる)」

のんたぬ「…」

雪穂「ジャーン!」

のんたぬ「や!」

亜里沙「これって…ビー玉?」

雪穂「うん!キレイでしょう?」

のんたぬ「…」

亜里沙「うわあ…」

のんたぬ「や、ややや!?(思わず雪穂の持っているビー玉に手を伸ばそうとする)」

雪穂「ちょっと待った!のんちゃん!」

のんたぬ「や?(目をパチクリ)」

雪穂「これ…食べ物じゃないよ」

のんたぬ「や!(ビックリ)」

雪穂「飴玉とかでもないからね」

のんたぬ「や〜!(更にビックリ)」

雪穂「ふぅ…良かった…最初に説明しておいて」


亜里沙「ビー玉ってガラスで出来ているんだよ」

のんたぬ「ややや?」

雪穂「うん…ほら、透明なコップとかあるでしょ?」

亜里沙「(キッチンに向かい)のんちゃんのコップはプラスティックだったから…えっと…」

亜里沙「これ、ガラスのコップ」

のんたぬ「や〜ん?」


のんたぬ、上空に目をやり想像してみる
ガラスのコップがグニャグニャ〜っと柔らかくなって…そのまま小さく丸まって玉になる


のんたぬ「や…や〜ん?(小首を傾げる)」

亜里沙「何を想像してるのかな?」

雪穂「う〜ん…なんとなく分かるような分からないような」

雪穂「とにかく、これを口に入れたりしたらダメだよ?分かった?」

のんたぬ「やん!(大きく頷く)」

雪穂「じゃあハイ(ビー玉をのんたぬに手渡す)」


のんたぬの手にひんやりとしたガラスの感触


亜里沙「雪穂、私にもひとつ見せて」

雪穂「うん…ハイ(巾着からビー玉を出し亜里沙に手渡す)」

亜里沙「うわあ…キレイ…」

のんたぬ「や〜ん(まじましとビー玉を見る)」

雪穂「そうだ、ビー玉を投げたりしてもダメだよ?硬いから当たると痛いし窓にぶつけちゃったら大変だからね」

のんたぬ「やん?」

雪穂「小さいころお姉ちゃんが自分の部屋のガラス窓に思いっきり投げちゃって割っちゃったことがあってね」

雪穂「それが真冬だったもんだからもう大変!」

雪穂「しかもガラス屋さんが忙しくて何日も来れなくて段ボール貼って急場をしのいだんだけど」

雪穂「当然スキマ風が入ってきて…ま、後は説明しなくても分かるよね」

のんたぬ「や〜ん(憐みの目)」

亜里沙「き…気を付けようねのんちゃん」

のんたぬ「やん(コクコク)」


のんたぬと亜里沙、ビー玉を見続けている


亜里沙「吸い込まれそう」

のんたぬ「や〜ん」

亜里沙「その巾着、雪穂のだよね?」

雪穂「うん、私とお姉ちゃんの」

雪穂「昨日私の机の引き出しの奥に入ってたこれを見つけてね」

雪穂「もう何年もずーっと忘れてたんだけど」

のんたぬ「やん?(ビー玉を掲げ)」

雪穂「うん、小さいころは遊んでたけど、さすがにもう遊ばなくなっちゃって」

雪穂「それで、のんちゃんにあげたらどうかなって話になったんだ」

亜里沙「そうなんだ…じゃあ穂乃果さんのも?」

雪穂「うん、探したっていうか…なんていうか」

亜里沙「え?」

のんたぬ「や?」

雪穂「だってお姉ちゃん、何がどこにあるか全然分からなくて」

雪穂「部屋中ひっくり返して…ね」

のんたぬ「や〜ん…」


のんたぬ、また想像してみる


穂乃果「ふえ〜ん!どこにビー玉があるか分からないよ〜!」

雪穂「たかがビー玉探すだけでなんでこんな部屋中引っ掻き回さなきゃいけないのよ〜!」

穂乃果「だって〜!助けてよ〜雪穂〜!」

雪穂「あ〜!も〜!」


のんたぬ「(目を瞑り)やんやん」

雪穂「うん、大体のんちゃんが想像した通り」

のんたぬ「やん!?」

雪穂「分かるよ…うん(頷く)」

のんたぬ「やん(頷く)」

雪穂「ちなみに今日お姉ちゃんは引っ掻き回した部屋の片付けで来れなくなりました」

亜里沙「あ、そういうことだったんだ…」

のんたぬ「や〜ん(合掌)」


雪穂「まあそれはともかく!ただ見るものじゃないんだよビー玉って」

のんたぬ「やん?」

雪穂「例えばこんな風に(ビー玉を持ち床に手を近づけ)ね!」


コロコロコロコロ…


のんたぬ「やーん!」


トテトテ…ビー玉を追うのんたぬ
ビー玉に追いついて手に持ち


のんたぬ「や〜ん!」

亜里沙「のんちゃん追いついた!」

のんたぬ「やん!(ブイ!)」

雪穂「うふふ、もう1個行くよ〜」


コロコロ…


のんたぬ「やーん!」


トテトテ…バシっ!


のんたぬ「やん!(手の平のビー玉を見せる)」

雪穂「ほう、結構やりますなあ」

のんたぬ「やんや〜ん(ドヤぁ)」

雪穂「他にもね」


雪穂、糸を出して輪っかを作り、その中にビー玉を幾つか置き少し離れる
そして別のビー玉を床に置く


雪穂「見てて」

のんたぬ「やん?」

雪穂「えい!(指で弾く)」


コロコロ…転がっていくビー玉が…カランカラン!


亜里沙「あ、当たった!」

のんたぬ「やん!」

雪穂「こうやって輪っかの中のビー玉を外に出す遊びだなんだ」

雪穂「三角出しとか丸出しとか呼び方はいろいろあるんだけどね」

亜里沙「へー」

のんたぬ「や〜ん…やんやん!」

雪穂「じゃあのんちゃんもやってみよう」

のんたぬ「やん!」


輪っかの中のビー玉たちを真剣な目で見るのんたぬ
手元のビー玉に指を近づける


のんたぬ「や〜」

亜里沙「真剣な顔」

雪穂「うん」

のんたぬ「やん!」


カキン!


亜里沙「カキン?」

雪穂「今の…音って…」

のんたぬ「やーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


ジタバタジタバタ!
その場で痛がってのたうち回るのんたぬ


のんたぬ「やー!やー!!やーーーー!!!」

亜里沙「のんちゃん?」

雪穂「思いっきり爪に当たっちゃった?」

亜里沙「い、痛そう…大丈夫?のんちゃん」


カラカラ…のたうち回るのんたぬの振動で輪っかの中のビー玉が輪っかから出る


のんたぬ「や!?(ビー玉を見て)や!(雪穂と亜里沙を見て)や!」

雪穂&亜里沙「それはノーカン!(手でバッテン)」

のんたぬ「や!…やん(ガックシ)」


亜里沙「痛い?のんちゃん?」

のんたぬ「(指を)フー、フー」

雪穂「弾くんじゃなくて、指に充てて押し出す感じにしようね」

のんたぬ「やん(涙目で頷く)」

亜里沙「じゃあもう一度やってみよう」

のんたぬ「やん!」


のんたぬ、ビー玉に指を充て狙いを定める


のんたぬ「や〜」

雪穂「ゴクリ」

亜里沙「…」

のんたぬ「や!」


コロコロコロ…
コロコロコロ…


亜里沙「外れたね…」

雪穂「うん…」

のんたぬ「やん(ガックシ)」

雪穂「ドンマイ、のんちゃん…」

亜里沙「もう一回やってみようね」

のんたぬ「やん!」


そして…


雪穂「今…何回目?」

亜里沙「えっと…15回目…かな?」

のんたぬ「やー…やん!」


コロコロコロ…
コロコロコロ…


のんたぬ「やーん!(地団太)」


だが直ぐに気を取り直し


のんたぬ「やん!」


コロコロコロ…
コロコロコロ…


雪穂「外れた…」

亜里沙「うん」


絵里「ただいま〜」

穂乃果「おじゃましま〜す!」


雪穂「お、お姉ちゃん?」

穂乃果「のんちゃ〜ん!来たよ〜」

亜里沙「いらっしゃい穂乃果さん、お帰りなさいお姉ちゃん」

絵里「ただいま…そこで穂乃果と会ったの」

穂乃果「来ちゃいました〜」

雪穂「お姉ちゃん、部屋の片付けは?」

穂乃果「雪穂…大事の前の小事だよ!」

雪穂「それ絶対意味分かってないよね」

穂乃果「(目を逸らす)」

雪穂「逃げてきたんだ」

穂乃果「(無視して)さ〜てと!のんちゃ…ん?」


のんたぬ「や(真剣)」


穂乃果「え?…どうなってるの?あれ」

雪穂「現在丸出し、17回目の挑戦中」

穂乃果「え!?」


のんたぬ「やん!」


コロコロコロ…
コロコロコロ…


のんたぬ「や〜ん!(地団太)」

穂乃果「あれずっとやってるの?」

雪穂「うん」

絵里「のん、周りの声が聞こえないくらいに夢中になってるのね」

亜里沙「そうなの、私たちの声も全然届かなくて」

雪穂「まあ夢中になってるって事は楽しんでるって事なんだろうけど…」

穂乃果「そんな〜!せっかく片付けから逃げてきたのに〜!」

雪穂「お姉ちゃん…」

穂乃果「あ…」

絵里「穂乃果…」

穂乃果「アハハハ…って!そうじゃなくって!」


のんたぬ「や〜…やん!」


コロコロコロ…
コロコロコロ…


のんたぬ「や〜(ガッカリ)」


穂乃果「雪穂、行くよ」

雪穂「え?お姉ちゃん」

穂乃果「このままじゃ埒があかないよ…私、のんちゃんと遊びたいもん!」

雪穂「遊びたいもんって…もう、欲望に忠実っていうか…」


のんたぬ、真剣な目でビー玉に指を掛ける


雪穂「でも…乗った!(親指を立てる)」

穂乃果「よし!(親指を立てる)」


穂乃果と雪穂、のんたぬの元に近づき


穂乃果「(目で合図)」

雪穂「(うなずく)」

亜里沙「何をするのかな?」

絵里「黙って見てみましょう」

穂乃果&雪穂「す〜(息を吸う)…の〜〜〜〜〜〜んちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!」

のんたぬ「やーーーーーーー!(飛び上がる)」

絵里&亜里沙「え!?」

のんたぬ「ややや!やや!?やーーー!(その場を駆け回る)」

のんたぬ「(穂乃果と雪穂に気づき)や?ややや?ややや?やや?」

のんたぬ「(絵里にも気づき)ややや!や!?やや!やや?」

穂乃果「のんちゃんやっと気づいた」

絵里「大声…出しただけなの?」

亜里沙「なるほど〜」

絵里「いや亜里沙、なるほどって…」

のんたぬ「や?や〜ん?(穂乃果と絵里を交互に指す)」

穂乃果「どうも〜遊びにきました〜」

雪穂「そうなの、のんちゃんと遊びたい〜ってお片付け逃げてきたんだって」

のんたぬ「や〜ん?やん!(穂乃果にメっ!)」

穂乃果「もう…どうせ帰ったらお母さんに怒られれるの分かってるんだから、ここでは忘れさせてよ〜」

雪穂「だって、どう思う?」

のんたぬ「や〜ん(両手を広げやれやれ)」

雪穂「だよね〜」

のんたぬ「や〜」

穂乃果「う〜」


その間に…コロコロ…カチン…コロコロ…
転がったビー玉が当たって輪っかの中のビー玉がひとつ、出ていく


のんたぬ「や!?(ビー玉を見て)や!(穂乃果と雪穂を見る)や!!」

穂乃果&雪穂「それはノーカン!(手でバッテン)」

のんたぬ「や!…やん(ガックシ)」


穂乃果「よし!じゃあみんなで狙おうよ!ね、のんちゃん」

のんたぬ「やん!」

雪穂「みんなでって」

穂乃果「絵里ちゃんと亜里沙ちゃんも」

のんたぬ「やんやん(手招き)」

亜里沙「うん!」

絵里「ハイハイ」


のんたぬを中心に集まる穂乃果たち


絵里「ねえ…これで…どうするの?」

穂乃果「え?」

のんたぬ「やん?」

穂乃果「えっと…」

雪穂「やっぱり考えてなかった」

穂乃果「えへへ〜」

のんたぬ「はぁ(ため息)」

亜里沙「のんちゃんはなんで今まで外しちゃってたのかな?」

のんたぬ「や〜ん?(フルフル)」

穂乃果「力の入れ過ぎだよ」

のんたぬ「や?」

穂乃果「もっと軽くでいいんだよ」

雪穂「それから人差し指で狙うビー玉を指してみるの」

穂乃果「そのままラインを引くように」

雪穂「自分のところに指を戻す」

絵里「凄いわね二人とも」

亜里沙「うん、息ピッタリ」

のんたぬ「や〜ん(感心)」


亜里沙「のんちゃん、二人の言ったようにやってみよう」

のんたぬ「やん!」


のんたぬ、輪っかの中のビー玉を見る


絵里「あの水色のがいいんじゃない?」

穂乃果「えー、オレンジだよ〜」

亜里沙「緑のが近いですよ」

のんたぬ「や〜ん(困惑)」

雪穂「みんなバラバラだよ…」

のんたぬ「や〜…や!(手を前に出す)」

雪穂「え?あの真ん中の?」

のんたぬ「やん!」

穂乃果「よし!それで行こう!」

絵里「そうね」

亜里沙「うん!」

穂乃果「のんちゃん!ファイトだよ!」

のんたぬ「やん!(ブイ!)」


のんたぬ、その場に座り態勢を整える


雪穂「じゃあのんちゃん、人差し指で…」

のんたぬ「やん!(ビシっと輪っかの中のビー玉を指す)」

絵里「ラインを引いて」

のんたぬ「やっ(指を戻す)」

亜里沙「力を入れ過ぎないように…」

のんたぬ「や〜(ビー玉に指を充てる)」

穂乃果「いっけーーー!」

のんたぬ「やーーーーーん!」


ピン!…コロコロコロ…カチン!
のんたぬの弾いたビー玉が輪っかの中のビー玉に当たり
コロコロ…そのまま輪っかからビー玉が出ていく


のんたぬ「やああああああん!」

絵里&亜里沙「хороший!!!!」

雪穂「やったああああ!」

穂乃果「よっしゃああ!」

のんたぬ「や〜んや〜んや〜ん!(両手を挙げて喜ぶ)」

雪穂「やったね!のんちゃん!」

亜里沙「スゴイスゴイ!」

のんたぬ「やーん!(ドヤぁ)」

絵里「よくやったわね」

穂乃果「のんちゃんカッコいい!」

のんたぬ「やんや〜ん!(更にドヤぁ)」

穂乃果「よし!次は私が!」

雪穂「なんでそうなるのよ?」

亜里沙「あの〜私もやってみたい…です」

穂乃果「あ、うん!亜里沙ちゃん、やってみよう!」

雪穂「ガンバレ!亜里沙!」

のんたぬ「(ニコニコ)」

絵里「のん」

のんたぬ「やん?」

絵里「今度は亜里沙を応援するわよ、気合入れなさい!」

のんたぬ「(右手を高々と挙げて)やーん!」


おしまい


おまけ


2つの巾着からビー玉を出すのんたぬ


のんたぬ「や、や、や(数える)…や…や…(5つ目辺りから段々遅くなる)…や、や?や?」


トテトテ…


のんたぬ「やんやん!」

絵里「ハイハイ」


絵里、ビー玉の所に座り


絵里「1、2、3…9、10、ハイ、こっちの方は10個」

のんたぬ「やん?」

絵里「1、2、3…8、9、10、ハイ、こっちも10個」

のんたぬ「やん!(ニカっ)」


巾着にビー玉をしまうのんたぬ


しばらくして…


のんたぬ「やん!」

亜里沙「うん?えっとね、1、2、3…」

絵里「今日これで5回目…飽きないわねのん…」

亜里沙「7、8…」

のんたぬ「やん…やん(ニコニコ)」


おしまい

852 :名無しで叶える物語:2015/10/09(金) 23:06:17 ID:xxKhoMJo
以下はおまけとして書いてたものが書いてるうちに膨らんでしまったので2本目w


穂むら、店の前、客を送り出す高坂母


高坂母「ありがとうございましたー」


カラカラ…


高坂母「この音…」

のんたぬ「やんや〜!」

高坂母「あら?のんちゃん」

のんたぬ「やんやん!」


カチャカチャ…


高坂母「これって」

のんたぬ「やん!」


のんたぬ、腰の両側に付けている二つの巾着袋を見せる


高坂母「やっぱり、この巾着…」

のんたぬ「やんやん(頷く)」

高坂母「でも二つって重くないの?」

のんたぬ「や〜」


のんたぬ、巾着を一つ外す
すると…巾着を付けてる方に体が傾いて行き、重みでバランスを崩す


のんたぬ「や、や、や…」

高坂母「な、なるほど…ね」

のんたぬ「や〜ん(照れ照れ)」

高坂母「ちょうどおやつにしようと思っていたの、一緒にどう?」

のんたぬ「やーん!(バンザイ)」

853 :名無しで叶える物語:2015/10/09(金) 23:07:02 ID:xxKhoMJo
高坂家、居間


高坂母「はい、どうぞ」

のんたぬ「や!?」


皿の上にあるプルンとした透明のなにか


のんたぬ「や…や?(まじまじと見る)」

高坂母「葛餅よ」

のんたぬ「やややや?…ハッ!」


のんたぬ、巾着からビー玉を出す


のんたぬ「やん?やや!ややや?」

高坂母「うふふ、ビー玉じゃないのよ、ちゃんと食べられるお菓子よ」

のんたぬ「や〜」


のんたぬ、再び葛餅を見る…今度はビー玉
何度か交互に見る


のんたぬ「や〜?」

高坂母「まだ見てるの?食べないのかな?」

のんたぬ「や!…やんやん(コクコク)」

高坂母「じゃあ」


高坂母、黒い何かの入った容器を出す


のんたぬ「や?」

高坂母「黒蜜よ」

のんたぬ「やん?」

高坂母「とっても甘いの、これをまず掛けて」


トロトロ…甘い匂い


のんたぬ「す〜(匂いを嗅ぐ)やん」

高坂母「それからきな粉」

のんたぬ「やー?」


見たことのない黄色い粉


高坂母「これをこうやって掛けます」


先に掛けた黒蜜ときな粉が葛餅に絡んでいく


のんたぬ「(口アングリ)」

854 :名無しで叶える物語:2015/10/09(金) 23:07:42 ID:xxKhoMJo
高坂母「ハイ、この楊枝で食べてね」

のんたぬ「(菓子楊枝を受け取り)やん…ややややや〜ん!」


パクっ


のんたぬ「!」

高坂母「?」


モグモグ…モグモグ…ごっくん


のんたぬ「(声にならない声で目を輝かせて高坂母を見る)」

高坂母「美味しい?」

のんたぬ「(大きく何度も頷く)」

高坂母「そう、じゃあ私も…(パク)うん美味しい」

のんたぬ「(パク)やんや〜ん」

高坂母「お茶もどうぞ」

のんたぬ「やんやん(お辞儀)…ずず…やん(満足)」

高坂母「(腰の巾着を見て)それ、気に入ってくれてるみたいね」

のんたぬ「やん?やん!(大きく頷く)」

高坂母「その巾着ね、おばさんが作ったのよ」

のんたぬ「やーん!(ビックリ)」

高坂母「穂乃果と雪穂にね、随分前だけど」


のんたぬ、色が褪せて少し古い巾着を見る


高坂母「でも、さすがに古臭いかしらね」

のんたぬ「やん!(ぷいぷい)」

高坂母「え?」

のんたぬ「(ふたつの巾着を持ち)やん!」

高坂母「いいの?」

のんたぬ「やん!(ニカっ)」

高坂母「そう(微笑む)」


高坂母「そうだ」


高坂母、部屋を出ていき直ぐに戻ってくる


のんたぬ「?」

高坂母「のんちゃん、ちょっと巾着貸してくれる?」

のんたぬ「やん」

高坂母「ありがとう」


高坂母、透明なコップを出す
そしてのんたぬから渡された巾着からビー玉を出しコップに入れる


のんたぬ「?」


そしてカーテンを閉める
暗くなる居間


のんたぬ「やん?(キョロキョロ)」

高坂母「動かないでね、大丈夫だから」

のんたぬ「やん(頷く)」


突然明かりが付く


のんたぬ「や!?」


のんたぬの目の前に赤…青…色とりどりの光
それは、コップの中のビー玉を懐中電灯で照らしたものだった


のんたぬ「や…や…」


高坂母、コップをゆっくりと回す
するとキラキラと光が変化していく


のんたぬ「…」

高坂母「どう?キレイでしょう?」

のんたぬ「(口パクパク)」

高坂母「落ち着いてねのんちゃん」

のんたぬ「や、やん」

高坂母「うふふ」

のんたぬ「(ジーっと見ている)」


?「すいませーん」

高坂母「あ、ハーイ!ごめんねのんちゃん、お客さんみたいだから」


高坂母、出ていく


のんたぬ「や〜ん(ニコニコ)」


のんたぬ、コップの光を身動きせずに見ている
だが…


のんたぬ「や?(鼻がムズムズ)や…ハ…や!(なんとがガマン)」

のんたぬ「…や!(再び鼻がムズムズ)ハ…や…(ガマンガマン)」

のんたぬ「やぁ…や…ふぅ(ガマン)」

のんたぬ「や!(ムズムズ)や…ハ…ハ…ハ…」

のんたぬ「へくち」


プハ!
まだ黒蜜の付いてないきな粉がくしゃみの息で舞ってしまった!


のんたぬ「や!?」


穂むら、店の前、客を送り出す高坂母


高坂母「ありがとうございました…さてと」

のんたぬの声「や〜ん!」

高坂母「この声?のんちゃん?」


高坂家、居間


高坂母「のんちゃん!?」

のんたぬ「や〜ん(泣き声)」


高坂母、電気を付ける
目の前にはきな粉が顔に付いて泣いているのんたぬ
テーブルには倒れた湯飲みからお茶がこぼれている


高坂母「あら大変!ちょっと待ってて」


直ぐに濡らしたタオルを持ってきてのんたぬの顔を拭く


のんたぬ「や(グズっ)」

高坂母「ごめんねのんちゃん、おばさん慌てて電気消したままで行っちゃって」

のんたぬ「やん」

高坂母「服には何も付いてないみたいね、良かった」

のんたぬ「や…」

高坂母「いいのよ、おばさんが悪いんだから」


高坂母、布巾でお茶を拭いていく


高坂母「葛餅には掛かってないみたいね、食べられそう」

のんたぬ「やん?」

高坂母「大丈夫よ、お茶入れなおしてくるわね」

のんたぬ「やん(高坂母のエプロンを掴む)」

高坂母「どうしたの?一緒がいいの?」

のんたぬ「やん」

高坂母「そうね(のんたぬの手を繋ぎ)じゃあ行きましょう」

のんたぬ「やん!」


高坂家、台所


お茶を淹れている間、高坂母のエプロンをギュッと掴んでるのんたぬ


高坂母「(心の声)そういえば、穂乃果や雪穂もこんな事があったわね」

のんたぬ「…」

高坂母「(心の声)こんな風にあまえんぼになって…懐かしいわね」

高坂母「ねえのんちゃん?」

のんたぬ「やん?」


高坂母、その場にしゃがんでのんたぬと視線を合わせる


高坂母「さっきの事、秘密にしてくれる?」

のんたぬ「やん?」

高坂母「あれはおばさんがいけなかったの」

高坂母「結構ドジなのよねおばさんも」

高坂母「こんな事が穂乃果や雪穂に知られちゃったら…おばさん、母親としての威厳がなくなっちゃう」

のんたぬ「…」

高坂母「だから…ね(ウィンク)」

のんたぬ「やん!」


ウィンク…したつもりだが両目をパチクリ


のんたぬ「や!?」

高坂母「プっ、アハハハ」

のんたぬ「や〜ん!(ポカポカ)」

高坂母「ごめんなさい、うふふ」


雪穂の声「ただいま〜」


高坂母「あら、雪穂が帰ってきたみたいね」

のんたぬ「ややや!」

高坂母「じゃあ改めて葛餅食べましょうね」

のんたぬ「やん!(目をパチクリ)…や(ガックシ)」


おしまい
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