電車内で居眠りしていた女性を相模原市のアパートに連れ込んだとして、監禁やわいせつ略取などの罪に問われた住所不定、無職、栗田良文被告(33)は29日、横浜地裁(青沼潔裁判長)の初公判で、連れ込みを認めた一方、「髪の毛を触ることが目的」とわいせつ目的を否定した。
弁護側は「被告は18歳から、土日曜のたびに酔った女性を探して連れ帰ることを何百回とやっている」と明かした上で、「8割方、髪の毛を触る目的だ」と主張。「やめたくてもやめられない性依存症。再発防止には治療が必要」と訴えた。
検察側は冒頭陳述で「被告は女性の髪に強い執着があり、5年前から酔った女性に薬を飲ませて連れ帰り、髪を触ったりわいせつな行為をしたりしていた」と指摘。今回の事件では、連れ去る途中で駅員に用意させた車椅子に女性を乗せて移動したとした。
起訴状によると、栗田被告は6月4日午前9時ごろ、東京都品川区のJR大崎駅のホームで、20代の女性に酔い止めの薬とうそを言って睡眠導入剤を飲ませ、意識を失わせて相模原市内の当時の自宅へ連れ込み、監禁してわいせつな行為をしたとされる。【藤沢美由紀】