事故のはずみで登校中の小学生の列に衝突したと見られる軽トラック(手前から2台目)。奥は現場を調べる神奈川県警の捜査員たち=横浜市港南区で2016年10月28日午前10時50分、宮間俊樹撮影
集団登校中の小学生9人が被害 11人が軽傷
横浜市港南区で28日、集団登校中の小学生9人が車3台の事故に巻き込まれ、1人が亡くなった。朝の通学路は突然の事故に駆けつけた大人たちの悲鳴が響きわたり、騒然となった。28日午前8時ごろ、横浜市港南区大久保1で車3台が絡む事故があり、はずみで軽トラックが横転し、集団登校中の小学生9人を巻き込んだ。神奈川県警港南署によると、うち男児1人が軽トラックの下敷きになり、搬送先の病院で死亡が確認された。横浜市消防局によると、他の児童8人を含む11人も病院に搬送された。11人は軽傷とみられる。
事故現場のすぐ近くに住む男性(72)は「ドーンというすごい音」に驚いて外に出た。男児が横転した軽トラックと交通標識のポールの間に挟まれ、出血していたという。集まった大人たちが軽トラックを起こすと、更に子供2人が倒れていた。間もなく夫婦とみられる男女が駆けつけ、女性が泣きながら子供の名前を呼んでいたという。
近くで生花店を営む女性(70)は「ドサーッという大きな音が聞こえて行ってみたら、子供が軽トラックの下敷きになって血だらけだった。立ったままぼうぜんとしている子供たちもいて、通勤途中の大人たちが声をかけ騒然としていた」と話した。
近くに住む横浜市の田野井一雄市議(76)は事故で亡くなった市立桜岡小1年、田代優さん(6)を町内会の活動を通して知っていた。田野井市議は「かわいい子で、行事にもよく参加していた。とてもつらくて言葉が見つからない」と肩を落とした。
事故現場の市道は幅約5メートルで一方通行。田野井市議によると、狭い道だが交通量は多く、地域住民がボランティアで児童の登下校を見守るなどしてきたといい「安全安心のため取り組んできたが、とてもショックだ」と話した。
近所の主婦(66)も「ここは一方通行でスピードを出す車が多い。小学校のそばで通学の子供たちもいるので、危ないと思っていた」と話した。
桜岡小に子供が通っているという女性は「ニュースを見て慌ててきた。自分の子どもではないかと心配だった。現場は細い道なのにバスが通るし、抜け道で交通量が多く、元々とても危険な場所」と話した。【藤沢美由紀、宇多川はるか、福永方人】