三笠宮さま夫妻に半生を振り返るインタビューをしたノンフィクション作家の工藤美代子さん(66)の話 戦争中、三笠宮さまは参謀として勤務されたが、軍紀違反に反省を促す講話をするなど、筋を通される方だった。昭和天皇の弟とはいえ終戦時でも階級は少佐。軍を動かす力はないのに、現実を見て、戦争終結を早めるためにできる限りのことをされたと聞いている。「皇族だからこそ国民の範にならなければいけない」という意識が強い方だった。

 戦後は学問に打ち込み、数カ国語に堪能だった。家庭人としては、長男寛仁さまと仲がよく、晩年は頼りにもされていた。寛仁さまのご葬儀では、いつもピンと背筋を伸ばしている三笠宮さまが、すっかり肩を落とされていた。さぞや無念だったことでしょう。