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【教育ニュース】

小学生の暴力行為が過去最多 小中高のいじめ認知増 文科省調査

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 二〇一五年度に全国の小学校で認知した暴力行為は一万七千百三十七件で、過去最多だったことが文部科学省が二十七日発表した児童生徒の行動に関する調査で分かった。暴力行為をした児童数は前年度より四割増え一万五千百五十四人。一年生で前年度比76・2%、二年生で同77・2%と低学年で増加率が著しかった。 =低学年の暴力増加<30>面

 文科省は「いじめの積極的な認知を求めており、かつてはじゃれあいと見なされていた乱暴な行為も暴力行為とカウントされるようになった」とした上で、「感情のコントロールが難しい子どもが増えている。家庭の教育力の低下という要因が響いているのではないか」とみている。

 調査は暴力行為のほか、いじめや不登校など学校での子どものトラブルを把握し施策を進める参考にするため、全国の小中高校、特別支援学校を対象に毎年実施している。

 小学校の校内や登下校時など学校管理下での暴力は、一万五千九百二十七件で、〇六年度の四・五倍。児童間の暴力は、前年度より約四千件増の一万三百九十一件。教師に対する暴力も約八百件増えて二千九百二十九件だった。

 いじめの認知件数は、二十二万四千五百四十件で、前年度より三万六千四百六十八件増えた。小学校は調査開始の一九八五年度以降最多の十五万一千百九十件だった。いじめ防止対策推進法が定める「重大事態」のうち、心身、財産に重大な被害が生じた疑いがある事例は前年度より三十七件増え百二十九件だった。

 いじめを認知した学校は前年度より5・5ポイント増の62%。発覚したきっかけはアンケートが51・4%と最多で、実施した学校では、いじめの認知が六割を超えたのに対し、未実施校では約19%と低かった。

 不登校は小学生二万七千五百八十一人、中学生九万八千四百二十八人。今回初めて九十日以上の長期にわたる不登校を調べたところ57・4%を占めた。

 

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