【コラム】シンガポールの意地が韓国に投げ掛けるメッセージ

 中国は外務省や軍の関係者まで登場し、環球時報への援護射撃を行った。外務省報道官は「極めて一部の国が一方的に南中国海に関する内容を盛り込むよう求めたが、大多数の非同盟諸国の賛成を得られなかった」と述べ、中国国防大の金一南教授(少将)は「シンガポールは中国の利益を損ねたことの代償を払うべきだ」と主張した。

 シンガポールは人口560万人で中国の245分の1にすぎない都市国家だ。金教授は「弾丸」程度の大きさの国だと表現した。貿易面で中国はシンガポールの最大の輸出相手国だ。それでも南中国海問題に関する限り、中国と真っ向から対立している。国際仲裁裁判所が今年7月、中国の南中国海での領有権主張に根拠がないとの判決を下して以降、主要な国際会議で判決内容を取り上げ、中国を困惑させている。

 シンガポールは欧州や中東とアジアを結ぶ海上中継貿易に依存する国だ。マラッカ海峡と韓国、日本を結ぶ南中国海はそんなシンガポールの「核心的利益」がかかった海上交易路と言える。東南アジアの華僑国家で国父リー・クアンユー元首相時代から中国とは格別な関係にあるシンガポールが中国と対立するのはそうした理由がある。

 韓中の経済関係が深まり、両国が安全保障問題で対立するたびに中国の報復に対する懸念が浮上する。終末高高度防衛ミサイル(THAAD)をめぐっても同様だ。しかし、国が小さいからと行って、一国の戦略的利益がかかった問題に関してまで委縮してしまっては、大国に見下されるほかない。シンガポールの闘いは韓国にそんなメッセージを投げかけている。

崔有植(チェ・ユシク)国際部長
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】シンガポールの意地が韓国に投げ掛けるメッセージ

right

関連ニュース