生字幕放送でお伝えしています竹下⇒見事な笑顔でした。
伊藤⇒再びスタジオパークからこんにちは本日のゲストは俳優の市村正親さんです。
市村⇒よろしくお願いします。
市村正親さんでNHKのドラマといえば連続テレビ小説「べっぴんさん」ご出演です。
市村さんが演じていらっしゃるのは靴屋の主人、職人さんですね。
麻田茂男さん。
麻やんです。
意外や意外、市村さんが朝ドラは初めてのご出演だと。
母が亡くなってしまったんですが朝ドラが大好きでね。
よく見ていました。
母の元気なうちに本当は見せたかったんですけどね。
今をお仏壇のほうにテレビを向けています。
きっと大喜びですね、お子さんは見ていますか。
上の子は見ています。
下の子はまだちょっとね。
この前「とと姉ちゃん」のほうを見ていたものだから僕は「とと姉ちゃん」のほうがいいと。
お父さん、複雑ですね。
出ているのに?僕は今パパが出ているのは「べっぴんさん」だからと教えているんですよ。
「べっぴんさん」の麻田茂男は市村さんから見たらどういう男ですか?靴屋の職人ですみれお嬢様のおうちにお母様の靴も作らせてもらって親子の靴を全部作らせてもらっているので縁ができて、戦後すみれお嬢様が苦しんでいるときにどうですやろ?ここで作ったものを売ったらどうでしょう、とかすみれちゃんが良子ちゃんや君枝ちゃんとか明美ちゃんとか作っていく、役なので。
商売を始めるきっかけになりましたね。
お父さん的な感じもしますね。
お父さんも五十八がいるのでよく親戚で変わり者のおじさんがいますね。
麻やんが好きなのはすみれさんたち、みんなにシナモンティーと言いますねんと言いますよね。
ハイカラなものが好きですよね。
そういうものが出せたらなって。
麻田さんのシーンをご覧いただきましょう。
靴を作っていらっしゃるところです。
これは実際に?練習して、ミシンを踏んでいます。
靴用のミシンですか?そうなんです。
だから歯車が右ではなくて左なんです。
逆なんですね。
今、気が付きました。
初めてでしょ?ミシンをかけて縫うのって。
子どものときに母のミシンをいたずらしたことがあります。
足踏みミシンをね、いいですね。
何回か手を打ちましたね。
危ない。
痛そう。
こういうのはすぐにマスターできましたか?お芝居の稽古に入る前に神戸の靴屋さんに行ってちょっと修業してきたんです。
神戸の話なのでね。
その靴屋さんがいろいろスタジオにも指導に来てくれたので、痛いんですよね曲がっている針に入れて腕を上げるんです。
職人の、手を広げた後姿。
かっこいい。
「べっぴんさん」の見どころは?僕はスタジオに行っていていつも思うんだけど母の青春時代を常に思っていたんですけどちょうど、今の時期が僕の生まれたころの話なんです。
昭和24年ぐらいであのころにあったものをいっぱい思い出すのと同時にいつも思うのは戦争ですよね。
戦争というものが起こす悲劇悲惨さ、その中からみんなが立ち上がってくるすみれちゃんたちが立ち上がってくるお話なんだけれどもそういうところをお客さんに見てもらえたらいいのかなって。
若い方に特にね戦争の理不尽さ。
本日のゲストは市村正親さんでした。
ありがとうございました。
「NHK54局からこんにちは」略して「NHK54」です。
きょうは高松放送局制作の「Discover四国」という番組です。
瀬戸内国際芸術祭の魅力に迫ります。
石倉⇒最近なんか変なんだよなあ…。
そうなんです。
今、瀬戸内の島々である異変が起きているんです。
小豆島の棚田の中に…さらに、男木島
(おぎじま)の港には…。
いったい、どうなってんだ?それは、ことし開かれている現代アートの祭典瀬戸内国際芸術祭のせいなんです。
100万人もが訪れる理由は世界的に有名なアーティストの作品に加えてかわいいパラパラ漫画だったり床が壁、壁が床の不思議な部屋とかアートが分からなくても楽しめるものが盛りだくさんだからです。
今、開催中の瀬戸芸。
その魅力を体感するのは小豆島出身の石倉三郎さんと朝ドラ女優の相楽樹さん。
島アートを巡ります。
秋の味覚が、アートとコラボ!絶品料理も登場します!深くておもしろいアートの魅力。
さあ、島巡りに出発です!いやあ、いい景色!きれい!あんた、あの…水田鞠子?知ってんだよ、私は全部。
朝ドラ出てたね。
どうしたの?ちょっと私、瀬戸芸を見に。
ちょっと石倉さんすてきな女性と楽しそうに何してるんですか。
水田鞠子だからさ。
私、羨ましくて割り込んじゃいましたけど。
あんた、何なの?すみません。
私、NHK高松の岡裕美と申します。
きょうはですね、この3人で瀬戸内国際芸術祭通称・瀬戸芸といわれていますその魅力を探る旅に出たいと思いますので。
相楽さん、プライベートでも瀬戸芸、いらっしゃったことあるんですよね?小豆島に行った?石倉さんは、瀬戸芸はどんな印象をお持ちですか。
3年前、俺も見たんだけどね。
安心してください、分かりやすい楽しみ方というのを、きょうお伝えできたらなと思いますので。
おう、それは非常に楽しみなんだ。
そんな瀬戸芸、改めてどんなものかといいますとですね瀬戸内国際芸術祭2010年から3年に1度開かれている現代アートの祭典です。
会場となりますのは12の島々と2つの港です。
注目の若手作家の斬新な作品からなんとビートたけしさんや草間彌生さんという世界的にも有名なアーティストが作品を出展しているんです。
なぜ、こんなに瀬戸芸のアートが人気なのか。
それは、この瀬戸芸でしか見られない作品があるからなんです。
ここしか見られない?そうです。
世界中からお客さんがやって来る瀬戸芸の魅力とは何か?こちらは、作品数が最も多い小豆島です。
わがふるさとだよ。
そうですよ。
作品がある土庄地区は狭い路地が入り組んだ町です。
海賊の襲撃に備え道をあえて迷路のように造ったともいわれています。
その路地を進んでいくと…なにやら白い壁の家が出現。
「迷路のまち」という作品です。
中に入ると、まるでアリの巣!縦、横、斜めにトンネルが張り巡らされています。
作品のある迷路のような町並み。
そこで迷う感覚を疑似体験してもらおうと作られました。
中には、こんな仕掛けも。
壁の穴を、のぞいてみると…。
町のシンボルお寺の塔が目の前に。
先頭の女性は、左側にも別の穴を見つけたようですよ。
果たして何が見えるのか行ってみてのお楽しみです。
さあ、続いての島へと出発。
フェリーに乗って島から島へ。
この冒険感も大きなだいご味です。
到着したのは高松港から40分の男木島。
(アナウンス)本船はただいま男木港に到着いたしました。
島に着くと目に飛び込んでくるのが斜面に、びっしりと建ち並ぶ100軒の家々。
この段々になった集落を生かした作品を発見。
家々の間に張り巡らされたパイプ。
パイプがつながる上の広場にいる人と会話をして楽しむことができます。
すごい。
なるほどね。
鑑賞を終えたあとにはこんな楽しみも。
なにやらスタンプを押しています。
実はこれ、瀬戸芸の作品を見るためのパスポート。
開くと作品ごとにスタンプが押せるようになっているんですね。
ああ、島ごとに。
昔のラジオ体操だな。
細い路地の壁にもアートが。
ぶらぶらするのも楽しいんです。
こちらは島の空き家。
外からは、普通に見えますが入ってゆくと…うん?何か変。
ちゃぶ台が壁に張り付いています。
お茶の間を90度回転してしまったという不思議な部屋です。
島の日常の中にある非日常の体験。
これも、瀬戸芸らしさです。
さて、作品巡りの合間に楽しみたいのが、こちらです。
島の漁師のおもてなし。
瀬戸芸で来た人に喜んでもらおうといろいろな会場で行われています。
朝取れのタコにサザエのつぼ焼き。
うーん、たまりません!ビールがなきゃね。
これは、うまいわ。
島の人と触れ合いながらその土地の味に舌鼓。
瀬戸芸には、いろいろな楽しみが詰まっています。
石倉さん、ふるさとの小豆島もすごい盛り上がり。
俺ね、あれなのよ。
迷路あったじゃない?あれは楽しいね。
迷ってみたいとか思いました?迷ってみたい。
だから、ちょうどいいね。
そんなことないですけど。
ほんと、ほんと。
私たちの目的地は、高松港からフェリーで20分の女木島
(めぎじま)。
実は、ことし新作が多く作られたイチオシの島なんです。
着きました。
ヤッホーだね。
雨が降ってないし。
ちょっと特有の雰囲気がありますよね。
ちょっとお二人待ってください。
港降りて早速作品があるんですよ。
どこでしょうか?この辺りに…。
ハトじゃないんですよ。
近くまで行って見ていただくと。
瀬戸芸の作品になってまして「カモメの駐車場」という作品です。
全部で300いるんですよ。
すごい。
これだけど、おもしろいね。
風があるのに、これみんな同じ方向、向いてんじゃん。
いいところに気が付かれた。
カモメの特徴なんですよ。
ということで、この作品もちょうど風見鶏のように風吹くと同じ方向に向くように作られているんです。
ほうほう、なるほどね。
軽い。
ちょっとかわいらしい感じもあり。
これは、しかしたいしたもんだね。
瀬戸芸の作品というのはこの島の自然ですとか風土に着目した作品というのが多数展示されているんです。
…というのも瀬戸芸の楽しみ方の1つかもしれませんね。
レトロなバスに乗って次の作品へ。
実はことし、巨大なアートが作られたんです。
あ、あれじゃないですか?あ、あれだ!何だろう?あれ。
何に見えます?分かんねえ。
その作品は、なんと島の住民を主人公にしたものなんです。
おお、何だこれ?ということで到着しましたのは西浦地区、で、こちらがそのイチオシの作品なんです。
これがイチオシ?すごい、写真みたいですね。
しかし、あのじいさんいい雰囲気出してるね。
なので、主人公になっているんですよね。
ほう、そうなんだ。
タイのアーティストが作った「西浦の塔」。
作家は1か月、島に住み込み集落の人たちからどんなときに幸せを感じるかを聞き取り、その瞬間を描きました。
わんちゃん飼ってらっしゃる。
コロちゃん?オッケオッケって書いてありますよ。
恐らくコロちゃんといるときが幸せなんでしょうね。
それで幸せ、幸せだよOKということ。
旦那さん、ご主人と。
なるほどな。
これ幸せなんだ。
島の人と交流しながら作るのが瀬戸芸アートの特徴です。
ほかの島ではどんな作品が作られているのか制作現場に密着しました。
香川県西部の沖に浮かぶ粟島
(あわしま)。
260人ほどが暮らしています。
秋会期から会場となる島はことしの春ごろから準備が行われてきました。
島の廃校になった中学校。
ここにできたのが粟島芸術家村です。
アーティストがここに3か月ほど滞在しながら、島の人たちと一緒に作品を作り上げます。
ことし4月、粟島にやって来た作家がいます。
ガラス職人の八田綾子さん。
島の人たちと触れ合いながら自分の作品を作ってみたいと今回、初めて参加しました。
作品作りは、まず徹底的に島をリサーチすることから始まります。
地元の人と一緒に島を巡りモチーフとなるものを探します。
あ、本当だ。
八田さんが今回テーマにしようとしているのはこの島にかつてあった風景です。
40年ほど前までは見事な松林があり、島の人たちが集まる名所だったといいます。
次に八田さんが訪ねたのが島のお宅。
昔、熱心に島おこしをしていた人の話から作品を作ろうとしています。
ウミホタルを見せるときにはね全部自分で作って…。
西山惠司さん。
粟島にいるウミホタルを名物にし島に観光客を呼び込もうとしてきました。
しかし、西山さんは進行性のがんに侵されます。
おととし、65歳の若さで亡くなりました。
粟島にある宿泊施設で支配人をしていた西山さん。
注目したのが、島の浜辺にいるウミホタル。
この一瞬の、淡い輝きを名物にしようと考えます。
見せ方を研究しては宿泊客に披露。
ウミホタルで粟島を有名にしました。
がんで入院したあともウミホタルで人を喜ばせることばかり考えていたといいます。
西山さんが、人生を懸け有名にしたウミホタル。
その魅力をガラス細工で再現できないかと考えました。
いよいよ始まった八田さんの制作。
ウミホタルを輝かせもっと人を喜ばせようとし続けた西山さんの思い。
作品は、その一瞬の輝きを表現したものにするつもりです。
人を喜ばせるわくわく感を表現したい。
一つ一つガラスに込めていきます。
滞在が始まって、3か月。
この日は、一足早く島の人たちに向けた発表会が行われました。
八田さんの展示会場。
タイトルは「記憶の浜辺」です。
これが全部松が枯れたあとの今の形…。
会場に並べた昔の写真。
かつての島の風景を思い起こしてもらいます。
そして奥の部屋に、風景をガラス細工で再現しています。
島の人たちが思い思いの時間を過ごした松林。
日に照らされて輝く松の葉はみんなの心に刻まれています。
浜辺に流れ着くきれいな貝殻。
島の子どもたちは、それを見つけ宝物のように大切にしてきました。
島の人たちの記憶に刻まれたふるさとの風景。
繊細なガラス細工となってよみがえりました。
西山さんの妻・輝子さん。
作品を見に来ました。
海水の中に漂いながら、一瞬淡く青い輝きを見せるウミホタル。
すぐに消えてしまう繊細な光を小さなガラスの粒で表現しました。
作品が完成して1週間後。
八田さんが島を離れる日です。
港には、大勢の島の人。
見送りに駆けつけました。
万歳!万歳!島の人たちと触れ合い一人一人の思いを作品に込める。
ほかの美術館にはない瀬戸芸でしか生まれないアートがまた1つ、できました。
「西浦の塔」に参加した人たちはどうだったのか協力した島の人たちに集まってもらいました。
毎日のように会っておしゃべりするという島の仲よし5人組。
作品が、今では集落の自慢になっているといいます。
お母さんたちはどうですか?実際にご自身がアートに描かれてどんな気分ですか?恥ずかしいけども実際、うれしいよね。
よしこさん、改めてこの作品ができてどんなお気持ちだったですか?それが今回、これでね。
すごいね、これはね。
本当に、島の方々に喜びをもたらしているアート作品ということで、その影響力って本当に想像以上に大きいですね。
想像以上だね、大きいね。
♪〜ここまで作品巡りをしてきましたけどそろそろ、おなかがすくころなんじゃないかと。
人使い荒いからね。
ことしですね、島ならではのおいしい料理が食べられるレストランが、瀬戸芸をきっかけに生まれたんです。
はい、ここです。
こちらになります。
ああ、いいねえ。
ああ、すてき。
これは、すてきだねえ。
かっこいいですね。
こちらのシェフのソウダルアさんです。
出張料理人のソウダルアさん。
全国を飛び回りその土地土地の食材を駆使した創作料理を生み出しています。
この島で出す料理、その食材が…。
うわあ〜!瀬戸内で取れた、アナゴにサワラ。
女木島産の落花生。
しいたけやイノシシオリーブ牛もあります。
中でもイチオシは…。
魚偏に春で、サワラでしょ?そうです。
いやいや、これは楽しみだね。
地元の秋の味覚が、ぎゅっと詰まった一皿になりそうですよね。
いいテーマだね。
地元の食文化の魅力を掘り起こそうというプロジェクトはほかの各会場でも行われました。
こちらは春、瀬戸芸の会場となった沙弥島
(しゃみじま)です。
瀬戸大橋建設を見越した埋め立てで陸続きになった島です。
プロジェクトで使われたのは島の特産、そうですまるまると太ったふぐなんですね。
その身をふんだんに入れて作ったのは、ふぐ飯です。
これを来場者に、ふるまいました。
ふぐ飯は、こちらの型に入れてこんな形に仕上げたのですがこれ、何の形だと思います?島の形かな?正解です。
こちら、実は、陸続きになる前島だったころの形なんですね。
沙弥島の歴史を感じてほしいと作られたお弁当です。
高松市の名勝・栗林公園でも食のプロジェクトは行われました。
その名も「讃岐の晩餐会」。
待ち合わせ場所で待っていると…突然、怪しげな集団が現れ…。
さっ、どうぞ!お客さんを裏庭まで連れていきパフォーマンスが始まります。
始まったのは動物などが出てくるファンタジー。
香川の豊かな里海がどうやってできたのかを物語にしてあるそうです。
それが終わると、お待ちかね晩さん会の会場がようやく出現しました。
物語で、香川の食のありがたみを理解したうえでオリーブ牛などの恵みをしっかり味わってもらおうというねらいです。
お待たせしました。
おお、きれい。
まさにアートだね、これ。
いちばん手前が瀬戸前寿司という瀬戸内の食材で作る新しいおすし。
今回、サワラとオリーブ牛ですね。
サワラ、いっちゃいますね。
う〜ん!おいしい。
おいしいです。
泣けてきましたか!島の畑を荒らすやっかい者もおいしく生まれ変わりました。
イノシシ肉を使ったパテ。
上に載っているのは香川の伝統的なお菓子・おいりです。
これは、すてきだわ。
続いてのアートなんですけれども女木島に今までなかったある娯楽施設を造ったというものなんです。
今までなかった娯楽施設?こちらです。
シアターって書いてありますね。
もともとは建築資材の倉庫として使われていた場所をこのように作品として。
チャップリンがいて。
かわいいイラストだな。
映画はよろしいですなあ。
その扉、開けてください。
おお〜!こちらの作品は香川県で生まれてニューヨークで育った依田洋一朗さんという方がニューヨークの古い映画館をモチーフに造られたものなんですよね。
そうです、正解です。
そして、2階にも魅惑の世界が。
うわあ、かわいい!何?これ、すご〜い!せっかくですので前のほうに座ってみますか。
へえ、こりゃいいねえ。
これ、1つの作品となっているわけなんですけれども…いいねえ。
映画好きの若者が増えるといいですね。
これをきっかけにですね。
♪〜多くの人たちが島にやって来る瀬戸芸なんですけれども島の抱える悲しい過去をアートを通じて、後世に伝えようとしている島があります。
高松港の沖合8kmにある大島。
島のほぼ全域がハンセン病の療養所です。
明治の終わりから国は、この島に患者を強制的に隔離してきました。
長年にわたり閉ざされてきた大島。
今、アートによって開かれようとしています。
入所者が、かつて暮らした建物に作品が展示されています。
ふだんは特別な許可がないと入れない島。
しかし、期間中は一般の人にも開放されています。
当時は、治療できない伝染病と恐れられていたハンセン病。
患者は生涯この島で暮らすことを強いられました。
作品にはその歴史も表されています。
おりのような海草の中に閉じ込められ、1人で泣く人魚。
島から出ることを許されなかったハンセン病患者の悲しみを伝えます。
入所者が暮らしていた雰囲気が感じられる作品もあります。
そのテーマは「ひたすら遠くを眺める」。
6年前に亡くなるまで島の風景を1万点以上撮り続けた入所者の写真が飾られています。
同じ場所から何度も撮った対岸の景色。
入所者のふるさとへの思いが感じられます。
島には、今もふるさとに帰れない63人が暮らしています。
ずっと島に閉じ込められてきた患者の思い。
作家たちは、それを聞き取り作品に込めました。
アートで、大島の歴史を多くの人たちに知ってほしい。
この島で生きてきた人たちの切なる願いです。
大島では、瀬戸芸をきっかけに多くの子どもたちが参加できるイベントが開かれるようになりました。
ことし6月に行われたのは入所者と一緒に島で取れた梅でジュースを作るというワークショップ。
瀬戸芸で島を訪れる人たちにふるまうためのお手伝いです。
こうしたイベントに、何度も参加している女の子がいます。
松岡理沙さん。
もう何十回も大島を訪れました。
この日のワークショップの合間理沙さんは、大好きな人に会いに行きました。
入所者で、島の陶芸名人山本隆久さんです。
理沙さんは、山本さんが陶芸が上手なことを知り弟子入りを志願。
3年前から月に1度通っています。
山本さんは、ことしに入って体力の衰えを感じていました。
視力も、がくんと落ちました。
えっと、運転とパターンとセットとリセット。
理沙さんは欠かせない相棒になっていました。
2か月後の8月19日。
山本さんは、突然息を引き取りました。
亡くなる4日前まで、理沙さんと陶芸を楽しんでいた山本さん。
大島に来て、64年。
骨つぼも島の納骨堂に納められました。
9月、大島に理沙さんの姿がありました。
島に流れ着いたガラスの破片を使って作るワークショップに参加するためです。
作るのは、瀬戸芸の秋会期にオープンを目指している施設の看板。
入所者と来場者が交流するための場所です。
「いこいのば」。
理沙さんは、夏休み作文を書きました。
瀬戸芸がきっかけで出会えた山本さんに向けたことばです。
瀬戸芸で開かれた大島。
ようやく、何かが変わり始めています。
アートの力って、すごいなあ。
そうですね。
どう、ご覧になりました?いや、だからね、なんだろう…知らんぷりしてきましたよね。
だけれども、本当に…大島のアート鑑賞というのは大島の施設の歴史ですとか現状を学ぶガイドツアーとセットになっているんですね。
その中では、ハンセン病の感染力が極めて弱いことやあと、隔離されていた当時の島の暮らしなども解説して理解を深められるようにしているんですよね。
岡本太郎さんじゃないけど…なんか、そんな感じがするね。
瀬戸芸のいろんな魅力見てきましたけれども。
本当、島じゅうにいろんな影響をもたらしてるし…島の人たち、みんなもやっぱりすごくいいですよね。
まだ行ったことない島が私、たくさんあるので、もっと行ってみたいです、いろいろ。
皆さんも、ぜひ瀬戸芸にお越しくださ〜い!さようなら〜!楽しかったです。
伊藤⇒高松放送局制作の番組でした。
スタジオパークからこんにちはきょうのゲストは市村さんでした。
2016/10/25(火) 14:05〜14:54
NHK総合1・神戸
スタジオパークからこんにちは Discover四国「瀬戸内国際芸術祭2016」[字]
今年香川などで開かれている瀬戸内国際芸術祭。世界中から100万人もを集める大人気の理由は何なのか?日本で最も成功しているといわれる“瀬戸芸”の人気の秘密に迫る。
詳細情報
番組内容
「ディープなトコまで見せます!島アート〜開幕!瀬戸内国際芸術祭2016〜」【出演】市村正親,石倉三郎,相楽樹,岡裕美,【司会】竹下景子,伊藤雄彦,【語り】滝水瞳
出演者
【出演】市村正親,石倉三郎,相楽樹,岡裕美,【司会】竹下景子,伊藤雄彦,【語り】滝水瞳
ジャンル :
情報/ワイドショー – 芸能・ワイドショー
バラエティ – トークバラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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