ネット炎上 誹謗中傷

なぜTwitterの炎上が後を絶たないのか?炎上防止の心得とは

なぜTwitterの炎上が後を絶たないのか?炎上防止の心得とは

Twitterの炎上事件が後を絶ちません。なぜTwitterばかりが炎上をするのか。Facebookなどでは、それほど多くは見られない炎上という現象が、Twitterに集中する理由を探ってみました。

炎上率ダントツ1位がTwitter

Twitterで発信される情報は、1ツイート(投稿)140文字以内と制限されており、多くのことを伝えることはできません。もっとも、連続してツイートする場合ならば、1ツイート単体で投稿するよりも情報量は多くなりますが、複数投稿をしても文章量はたかがしれています。

ある調べによると、「自分の周囲で誰か炎上したのを目撃したことがあるかどうか」という問いかけに対して「ある」と答えた人が約6%の割合を占めたそうです。さらにそのうち、ソーシャルメディア分類をすると、Twitterが実に半分以上の割合になっていたのです。

バカッターが攻撃されてしまう理由

たとえば芸能人がツイートをして炎上する場合は、その発言に対して反対意見を示すばかりではなく、「あなたにそんなことを言う資格はない」と、発信者のブランドと発言内容に異を唱えるケースが多く見られます。

もうひとつ、興味深いのは、一般の人々のツイートに対しての炎上。これは、発信者のモラルに対して制御するという役割での炎上もあるようです。

たとえば、低モラルのTwitterユーザーのことを、「バカッター」などと揶揄することがあります。これは、誰がどう見てもそのツイートに触れた人が問題を感じてしまうツイートをしてしまう人のことを言います。

さらに一度炎上が起きると、実は勤務先や学校などを割り出されてしまい、職務停止を余儀なくされたり、学生ならば学校の品格を落としたとして、退学処分になるような事例もあるのです。

また、個人情報がネット上で拡散されてしまい、誹謗中傷を通り越して風評被害のようになるケースもあります。場合によっては住んでいた街を追われたりするような、生活そのものを激変してしまう可能性もあります。

炎上につながりやすい投稿内容は?

では、どのような投稿が炎上につながるのでしょうか?一般ユーザーのツイートの場合、主に炎上が見られるのは次のようなツイート内容に対してです。

  • 犯罪を自慢している(窃盗品の公開、暴力・破壊行動の示唆)
  • モラル、マナー違反を見せびらかしている(飲食店で裸になるなど)
  • 守秘義務を守らない(勤務先に来た芸能人を報告するなど)
  • 特定の人物を誹謗中傷している
  • 差別発言、迷惑発言をしている

こうしたツイートに対して、炎上させる側の心理としては、「世直し」という意味が強くあるようです。つまり、投稿モラルの低い投稿や、他人をいたずらに不快にさせる言動、ネット上の倫理観を荒らすような投稿もしくは投稿者に対して正義の攻撃として炎上させるのです。

また、こうした炎上攻撃に対しての是非を調べたところ、炎上に参加するとともに問題ユーザーに対して鉄槌を下すことについて、4人にひとりの割合で「やむなし」と答えたのです。そしてそうした人々は定期的にTwitter内を回遊し、自警団のごとく監視していることがうかがえるのです。

つまり、Twitterユーザーが発信する投稿は、いつ何時炎上の憂き目にあってもおかしくないという、無防備極まる状態になっているのです。

そこで、炎上を未然に防ぐために、どのようなことに注意をすればいいのかを見ていきましょう。

炎上を防ぐために大事な7つのポイント

炎上を防ぐために大事な7つのポイント

ポイント1:手軽だからといって安易に発信しない

Twitterは、投稿ボタンひとつで簡単に投稿ができるツールです。この手軽さも、実は問題だとされています。「この投稿で誰かを傷付けることにならないだろうか」「この投稿を面白半分にしてしまっていいのだろうか」と考えるステップがないのです。

一度、投稿をしてしまうとすぐに情報はネット上に置かれてしまいます。たとえば珍しい写真を撮ったりして、早くそれを話題にしたいばかりに「考える」ことをやめて投稿してしまう……。投稿する人が、ある種の興奮状態に陥ってしまっていることで、思考停止になってしまうケースもあります。

しかし、一度投稿された情報は、簡単には消えません。削除しても、「魚拓」と呼ばれる形で投稿の証拠を意図的に残されてしまうこともあります。

ポイント2:拡散を狙いすぎない

誰もが話題の中心になると気分がよくなるものです。自分が発信した情報が世の中の話題になっている、または誰かに影響を与えているという状況は、ある種の快楽をともないます。

またTwitterでリツイートされたり、自分がお気に入りに登録されたりすると、唯我独尊的なステータスを感じてもしまうようです。単純に、自分の発言で世の中が盛り上がれば、誰だって悪い気がしないわけです。

したがって、意図的に情報を拡散させようとして、ついつい過激な方向やモラルギリギリの投稿をしてしまったりするのです。

この拡散願望や拡散によって生じる快楽は、非常に危険です。一度味わうと、もう一度味わいたくなる中毒性を持っています。その中毒症状を補うために、過激さに走り、いつしか禁断の一線を越えてしまうというケースが多発しています。

ポイント3:自慢をできるだけ控える

いいことがあれば人に言いたくなる。誰もが欲しいものがあれば、自慢したくなる。人間の心理としてそれは当然のことですが、ここにも落とし穴があります。

Twitterは、簡単に投稿できるぶん、自慢もしやすい環境です。またそれに対して「すごいね!」「こんなことってあるんだ!?」などと賞賛混じりのリアクションがあると、快楽中枢を刺激されます。

とはいっても、そう簡単に人に自慢できることが、日常に転がっている人などそうそういないはず。つまり、自慢を連発しようとしたら「作る」「盛る」「突き抜ける」という、アレンジを加えていく必要が出てきます。

それが度を越すと、炎上の対象になってしまいます。

ポイント4:匿名の盾に隠れることはできないと考える

Facebookなどのように実名(中には名前を変えている人もいますが)が原則であるSNSとは違い、Twitterの場合は匿名での投稿が可能です。しかし、匿名だからといって、「自分が誰だか、探り当てることはできない」と考えるのは早計です。

他のユーザーとのつながり、リプライなどを見ることで、おおよその見当がついていきます。また投稿で個人特定、場所特定ができるようなことがあると、そこからも足がついていきます。

そもそも、犯罪に片足を突っ込んだような危険なツイートをした場合、当然警察が動きますが、警察がTwitterに情報開示を求めれば、そのユーザーの個人情報はいとも簡単に特定できます。

「誰だかバレない」と信じ込んで、犯罪型もしくは悪意拡散型のツイートをしてしまうと、頭隠してお尻隠さずの状態になりかねません。

ポイント5:身内だから何を話しても大丈夫だとは思わない

Twitterは基本的には友人同士のつながりから広がっていくケースが大半です。中には情報獲得のため、リアル友達以外にもさまざまなつながりを持つユーザーもいるでしょうが、一般的には友達中心と言っても過言ではないでしょう。

そうなると、その友達同士でLINEのグループトークをしているような感覚にとらわれてしまいます。そうなると、情報の秘匿意識が薄れてしまいやすいのです。

たとえば、共通の友人の噂話をツイートしたとしましょう。本人としては、その友人には見られていないと思っているものの、実はその友人がどこかで見る可能性は低くないのです。

つまりTwitterでの投稿情報は、クローズドではなくあくまでオープンであるという大前提をいつしか見失ってしまうのです。

なお鍵付きにしていてもフォロワーがスクリーンショットをとって拡散したら、鍵などはあってないようなものです。

ポイント6:自分の常識を絶対だと信じこまない

これはITリテラシーにも通じることですが、「これを投稿することで問題が起きる」とわからず投稿をしてしまい、炎上するケースがかなり多くあります。「問題が起きる」と想像できないのは、自分の常識の中で「これは大丈夫だ」と決めつけているからです。

日常会話の中だと、友人など周囲にいる人が「それは言い過ぎだよ」「そこまで言っちゃまずいんじゃない」とブレーキをかけてくれる場合もあるでしょう。しかしネットの場合、そのブレーキが作用する前に投稿がなされてしまうので、発言がブーメランとなって自分に返ってくるのです。

ポイント7:お酒を飲んだときのツイートは極力避ける

お酒を飲むと、人は気が大きくなりがちです。また、酒癖によって、普段は理性でおさえていたものが露呈してしまいます。たとえば怒り上戸の人は、とにかくやたらと攻撃対象を作って罵倒する、泣き上戸の人は自分なんてもうだめだと悲観的な投稿を繰り返すなどです。

周囲がスルーしていられる程度のことならばまだしも、Twitterを見ている人は自分の友人だけでなく「オープン情報」であるので、自分のことをまったく知らない人も見ることになります。

そうなると「酒に酔っていたから」という言い訳をする前に、大炎上してしまうこともあるわけです。

まとめ

炎上を防止するためには、いくつかの手段があります。まずは、まったく知らない人とは安易につながらないこと。また個人情報を出しすぎないようにすることです。

またどんなことであっても、誹謗中傷は避けるようにしましょう。誹謗中傷をしたところで幸せになる人など誰もいません。

そのようなことを踏まえて、情報を投稿する前に、自分自身でその投稿がモラルに反するものになっていないか、チェックできるリテラシーを磨き、かつ冷静に判断できることが炎上防止には一番のようです。