読者の意見:済州島に中国公安派遣、韓国は公権力を放棄するのか

 済州島で中国人による犯罪が相次ぎ、今年は昨年に比べて66%も多い279件に上ったそうだ。その背景についてはさまざまな見方があるが、中でもノービザが認められたことや、治安維持が十分に行き渡っていないことへの指摘には説得力がある。中国人の違法滞在者は2013年には731人だったのが、昨年は4533人へと急激に増えた。しかも済州警察庁には外国人犯罪を担当する専門の部署はなく、担当者もわずか4-5人しかいないそうだ。

 ただ理解し難いことは「中国人が恐れる中国公安に済州島へ来てもらおう」などと国政監査で姜昌一(カン・チャンイル)議員(野党・共に民主党)が提案したのに対し、外交通商部(省に相当)が「中国側と協議したい」と回答したことだ。はずみで言ったのだと信じたい。公権力の執行は韓国固有の権限だが、なぜこれを自ら放棄するのか。ノービザによって観光客を誘致することが世界的な流れであるとしても、国民の安全に支障が出るなら当然これも再検討すべきだ。何が済州島と国民のためになるのかしっかりと判断してほしい。

チェ・シヨンさん(延世欧州研究名誉編集長)

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