尾上松之助の雄姿再び 没後90年記念、京都で上映会
日本映画草創期のスター俳優、尾上松之助(1875~1926年)の没後90年を記念し、松之助が演じた作品の上映会が11月3~6日、京都市中京区の元立誠小で開かれる。現役の活動写真弁士による口演や琵琶奏者の生演奏で明治・大正期の活動写真さながらの劇場を再現する。
松之助は、日本映画の草創期に17年間にわたり主役を演じ、歌舞伎役者のように目玉をギョロリとむいて見えを切る演技から「目玉の松っちゃん」で親しまれた。生涯で約千本の映画に出演したとされる。
上映会は立誠学区の有志らでつくる「日本映画原点の地・立誠」が主催。活動写真と呼ばれた明治・大正期の無声映画を本格的に楽しんでもらおうと、活弁士や越前琵琶の演奏家を配して上映する。
3日午後2時に開演し、「史劇・楠公訣別(けつべつ)」を片岡一郎さんの口演と、藤高理恵子さんの琵琶演奏がもり立てる。5日は午前11時と午後2時の2回上映で、65分におよぶ大作の「忠臣蔵」を井上陽一さんの語りで当時を再現する。
その他では、3日午後2時から「中山安兵衛」「荒木又右衛門」を上映し、板倉史明・神戸大大学院准教授が講演。4、6日のいずれも午前11時、午後2時、同4時に「尾上松之助葬儀実況」を上映し、尾上松之助遺品保存会の松野吉孝代表が説明する。期間中は写真展や遺品の展示もある。無料。
【 2016年10月26日 12時00分 】