日本シリーズ 日本ハムが勝利 2勝で広島と並ぶ

プロ野球の日本シリーズは26日夜、札幌ドームで第4戦が行われ、日本ハムが3対1で勝ち、対戦成績は日本ハム、広島ともに2勝で並びました。
日本シリーズは、第3戦までを終えて広島が2勝、日本ハムが1勝となっています。26日は、日本ハムが3年目で25歳の高梨投手、広島が1年目で23歳の岡田投手と、ともに日本シリーズ初先発となる若手投手の対戦となりました。

広島は4回、ツーアウト一塁で、25日まで3試合連続でホームランを打っているエルドレッド選手が高いフライを打ち上げました。しかし、この打球を日本ハムのライト、近藤選手が捕球できず、記録はエラーとなり、この間に一塁ランナーの新井選手がホームにかえり、広島が1点を先制しました。

追う日本ハムは、6回に4番の中田選手が日本シリーズ第1号となるソロホームランを打って同点に追いつき、8回には、ツーアウト一塁から6番のレアード選手がシリーズ第2号となるツーランホームランを打って3対1と勝ち越しました。日本ハムは9回、抑えの宮西投手がツーアウト満塁と一打同点、長打が出れば逆転というピンチを迎えますが、後続を抑えて逃げ切り、3対1で日本ハムが勝ちました。

これで対戦成績は、日本ハムと広島がともに2勝で並びました。日本シリーズの第5戦は、27日に札幌ドームで行われ、日本ハムが加藤投手、広島がジョンソン投手の先発が予告されています。

栗山監督「1試合1試合強くなるチーム」

日本ハムの栗山監督は試合後のインタビューで、対戦成績を2勝2敗の五分に戻したことについては、「選手たちが1試合、1試合強くなっていくチームなので、選手たちが1分でも1秒でも長く日本シリーズを戦うことができれば、もっと前に進む。北海道の皆さんを最後に喜ばせたい」と話していました。

また、記者団の囲み取材に対し、「まずは五分に戻せたので、残りの3連戦をどう勝ち越すか、レギュラーシーズンと同じ考え方になった。勝つことに集中してやりたい」と意気込みました。中田選手とレアード選手のホームランで勝ったことについて、「苦しくなればなるほど4番の中田選手とレアード選手の存在は大きい。特に嫌な流れの中、中田選手のホームランで試合を振り出しに戻してくれたのは大きかった」と振り返りました。

中田選手「やっといい流れに」

6回に日本シリーズ第1号の同点ホームランを打った日本ハムの4番、中田翔選手は、「ホームランを打った球はスライダー。コンディションはあまりよくなかったが、変化球をねらって積極的にいこうと思っていたので、ぴったりはまってラッキーだった。野手のミスで広島に先制されていて、それは1人のミスではなく、野手全員のミスだと思っていた。それをカバーして同点にできたのはよかった」と、ホームランの場面を振り返りました。

そのうえで、2連敗の後の2連勝で対戦成績を五分に戻したことについて、「リーグ優勝したチームどうしの戦いなので、きょうのような接戦が続くと思うが負けられない。きょう勝ってなによりだし、チームがやっといい流れになってきたので、またここから頑張りたい」と、気を引き締めていました。

レアード選手「接戦で打てて幸せ」

レアード選手は、8回に打った決勝のツーランホームランについて「相手のジャクソン投手はすごくいいピッチャーで、失投は少ないが、ちょうどよいところにスライダーが来たので思い切り振り抜いた」と振り返りました。

さらに、「きょうは接戦だったので、大きなツーランホームランが打てて幸せだ」と振り返ったうえで、「ファイターズ大すし!」と絶叫して、ホームランを打ったときに必ず見せる、すしを握るポーズを披露しました。

大谷選手「あすはしっかり対策を」

指名打者で出場した日本ハムの大谷投手は、4打数ノーヒットに終わり、「広島の先発の岡田投手は初めての対戦で、140キロのフォークが速さというよりも、ナチュラルにカットする感じだった。チャンスは作ったけれど、打つのは難しかった」と話していました。

また、27日の予告先発の広島のジョンソン投手については、「独特の間合いがあり、ゆったりとしたフォームでコントロールがいい投手なので、初見だとタイミングが難しいが、すでに第1戦で対戦し、自分も打席にも立っている。タイミングも合ってきているし、しっかり対策を立てて臨みたい。ジョンソン投手は左投げなので、相性がいい右バッターで調子もよい中田選手やレアード選手が打ってくれると思う」と話していました。

前の試合の後に、「札幌で3試合勝って広島に行く」という言葉どおりになりそうですね、という質問には「まずはあした、しっかりとることを考えてやっていきたい」と話し、気を引き締めていました。

緒方監督「チャンスに点を取っていれば」

広島の緒方監督は、「中盤までは打てないながらも、フォアボールを選んで得点圏までランナーを進めていたが、日本ハムに粘り強く投げられてしまった。チャンスはあったので、打って点を取っていればよかったと思う。先発の岡田投手はコントロールに苦しんだところもあるが、6回1失点でゲームを作ってくれたので、十分に合格点といえる。また、あしたしっかり戦って、勝って広島に帰りたい」と話していました。