韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官はSCM前日の19日、ワシントンで開かれた外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)に出席した。会議後の共同会見で、記者から「米戦略部隊の韓半島配備問題などは話し合われたのか」と質問されたのに対し、尹長官は「米戦略部隊の常時配備問題はSCMで協議がなされると予想している」と答えた。SCMの結果物たる両国の共同声明に「米戦略部隊の常時ローテーション配備」が含まれることを強く示唆したのだ。それから数時間後、国防部の中心的関係者も、取材陣に「(戦略部隊の韓半島配備を)議論するのは明らか。それを(共同声明に)挿入するのか、包括的な表現にして後で説明を具体的にやるのかは未定」と語った。取材陣が「事実上合意していて、実務の線で協議を継続していると書いていいのか」と尋ねると、「こちらが望んでいる文案がそれ。カーター(国防)長官が決定する」と述べつつも「暫定的に、それでいきましょう」と語った。
しかし会議において、米国側は「議論はするが、対外的な発表は慎重に」という立場だったという。この過程で、韓米間の意見の衝突もあったと伝えられている。SCM終了から1時間も経ってようやく共同声明の発表がなされた点も、双方の激しい神経戦の現れと分析されている。韓国政府の元関係者は「米国は中ロの反発を意識したものと見られる。外相と国防部は、米国の動向をきちんと読めなかった」と語った。
韓国国防部の韓民求(ハン・ミング)長官は、SCM終了後の記者懇談会で「核の傘、通常兵器による精密攻撃、ミサイル防衛など、あらゆるカテゴリーの軍事的能力を通して拡大抑止を提供するという(米国の)言葉の中に、(米戦略部隊の韓半島配備も)全て網羅されている」と語った。しかし、今回のSCMで韓国側が得たものは、米国のこうした「言葉」だけ-という批判もある。日を追って深刻になる北朝鮮の核・ミサイルの脅威を、「言葉」で提供される拡大抑止で防ぐのは難しい。先ごろ米国は、北朝鮮が5回目の核実験を行った直後の先月12日、超音速戦略爆撃機B1B「ランサー」を韓半島へ展開させる予定を立てたが、出発地のグアムの風向きが悪いという理由で出撃を24時間遅らせた。翌日になって飛来した2機の「ランサー」も非武装状態で、30-40分ほど韓半島上空にとどまった後、着陸することもなくグアムに戻っていった。