【寄稿】韓国ウォンのリデノミネーション、日本との協調も重要だ

 そして日本との協調も必要だ。韓国経済は米国、中国、そして日本と緊密に関わっている。この先、これらの国との経済関係がさらに密接になり、経済統合や通貨統合をめぐる議論が始まることも考えられる。今、リデノミを進めるならこうした状況を考慮せねばならない。仮に日本と一緒に100分の1に切り下げた場合「米国1ドル:日本1円:中国6人民元:韓国11ウォン」となる。その上で、韓国は将来的に「1ドル:1円:1ウォン」になるよう韓国経済を成長させ、政治・社会を十分に発展させねばならない。もし日本と連携せず、韓国だけが1000分の1に切り下げれば「1ドル:100円:6人民元:1ウォン」となる。どこかおかしくないだろうか。

 実際のところ、今はリデノミを議論する適切な時期ではない。国際経済など、さまざまな面で不都合が出る。一方で、グローバル化が進み、全世界が一つになりつつあるのが現状だ。どこかの国がうまくいかなくなれば全世界がしわ寄せを受け、それを正常化するには一緒に「治療」を受ける必要がある。広範囲な政策協力が必要な理由はまさにそこにある。どこかの未来学者は、将来的な「世界政府」の誕生を予告していなかったか。こうしたなか、主要政策を賢く進めていく眼識が切実に求められている。幅広い視野を持ち、ずっと先を見据える未来志向的な姿勢がいつにも増して必要なときだ。

イ・ヨンタク世界未来フォーラム理事長
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