韓国の政界を中心に、リデノミネーション(通貨単位の変更、リデノミ)に対する議論が再び持ち上がっている。リデノミの必要性については筆者も同意する。現在の通貨単位は1962年に定められたものだ。この間に消費者物価は約53倍になった。当時は1000ウォンで買えていたものが、今は5万ウォン(約4600円)出しても買えないのだ。
そのせいで、私たちの日常生活で計算単位が大きくなりすぎ、複雑になることがたびたびある。米国の大卒者の初年収が5万ドル(約510万円)だとすれば、韓国は2500万ウォン(約230万円)だ。米国のそこそこの住宅が50万ドル(約5100万円)なら、韓国は5億ウォン(約4600万円)だ。5億ウォンを500,000,000と書いてみれば、韓国の計算単位がいかに大きいかよく分かる。また、2015年における韓国の国富(国民純資産)は1京2359兆ウォン(約1150兆円)で、金融資産総額は1京4599兆ウォン(約1360兆円)だ。「兆」単位にとどまらず「京」単位を使っている状況だ。
結果的に、為替の面でも数字が複雑になっている。最近のウォンの対ドル相場は1ドル=1100ウォン(約102円)ほどだ。イタリアの対ドル相場は2002年末基準で1ドル=1850リラだったが、その後、ユーロに統合されたため、今では経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち1ドルが1000単位を超える国は韓国しかない。世界10位程度の経済力を持つ韓国としては、為替の面で通貨単位が高すぎると言わざるを得ない。
ならば、どんな方法でリデノミを進めるべきか。一部では1000分の1にすべきとの主張があるが、100分の1にするのが適切だ。100分の1にすれば、現在の通貨単位である「ウォン」を「チョン」に下げてそのまま使用することができる。米国のドルとセントのようにすればいいのだ。これは国民の使用の不便を減らす方法でもある。