VR(仮想現実)は、PlayStation VRが発売されたり、有名な企業が販促に活用し始めたりするなど、現在もっとも注目されている技術のひとつだ。とはいえ、そのキラーコンテンツの形はまだ茫洋としているのが現状だろう。VR対応ゲームに力を入れているコロプラが考えるキラーコンテンツとは? TREND EXPO TOKYO 2016に登壇する同社の小林傑氏に聞いた。
【関連画像】VRのキラーコンテンツを常に考えている~コロプラ 小林傑氏
――まず、コロプラに入社したきっかけを教えてください。
小林傑氏(以下、小林): 大学では電気電子工学科で学んでいましたが、プログラミングやゲームとは縁がありませんでした。
コロプラを知ったきっかけは、大学の友人に誘われてコロプラの「コロニーな生活」を遊び始めたことでした。位置情報を使ったゲームで、実際の移動距離がゲーム内通貨となるため、移動が多いほどゲーム内通貨が多く手に入って有利になるんです。それまで大学から遠距離に住んでいてあまり授業に出てこなかったような友人が、ゲームにハマって1限から授業に出てくるようになり、留年が危ぶまれていたのに無事卒業して就職できたんです。
この、「ゲームが人生を変える瞬間」を目撃したのが、コロプラに興味を持って入社するきっかけでした。
――入社してからはどんな仕事を担当しましたか?
小林: ちょうどコロプラがスマートフォンアプリを開発しはじめた時期で、プレイ時間が5~10分程度の手軽に楽しめるようなゲームを開発するチームに加わりました。プログラミングやゲーム作りについて学びながらゲームを開発していくという感じでした。
そして入社2年目に、「ほしの島のにゃんこ」という子ども向けでいままで携わってきたゲームよりも規模が大きめのゲーム開発を任されました。そこでプロジェクトマネージャーなどを経験しました。
――その次がVRコンテンツですか?
小林: 「ほしの島のにゃんこ」の運営をしていたときに、今度はVRをやってくれと言われました。まだOculus Riftの開発者向けキットが出たころで、VRについてはよく知りませんでした。
会社から、VRが次のプラットフォームになるかもしれないと言われていました。社内では「the射的!」というスマートフォンアプリのVR版が研究されていて、それを体験したときは「すごいな」と思いましたが、開発者向けのVR用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)が不格好だったこともあって、当時はVRに対して懐疑的でした。
――VRチームではどんな取り組みをしてきたのでしょう?
小林: まず、スマートフォンアプリで人気が高かったRPG「白猫プロジェクト」の世界をVRで再現するということで、「白猫VRプロジェクト」の開発に取り組みました。
その後、Oculus Riftの正式発売に合わせて「Fly to KUMA」を手がけました。「Fly to KUMA」は、VR空間の中で物体を移動させるインターフェースの研究をしていて、その成果から生まれたパズルゲームです。PlayStation VRにも対応しました。
現在はVRチームのマネージメント、VR用HMDを作っている各メーカーさんとの交渉、開発中タイトルのディレクションなど、VRチームに関わることなら何でもやっています。