米国・中国などで先月発売されたアップルの新型スマートフォン「iPhone 7」シリーズが21日、韓国国内でも発売された。iPhoneには熱狂的なファンが多い上、今回のサムスン製新型スマートフォン「ギャラクシーノート7(Galaxy Note 7)」発売中止でノート7ユーザーが交換する新製品を探している中、韓国のプレミアム・スマートフォン市場を覆す大きな変化が起こる可能性もあるとの声が聞こえてくる。
こうした状況に対抗しようと、サムスン電子ではノート7を「サムスン製スマートフォン」に交換した場合、来年の新製品ギャラクシーS8に後日再交換する「破格の補償案」を打ち出そうとしている。
同日、大手携帯電話キャリアのSKテレコムはソウル市内の江南区内の直営店で、KTは光化門のKTスクエアで、LGユープラスは江南区内のCOEX店・釜山市内の明倫路店・済州市庁店など全国9店舗で、iPhone 7シリーズ発売イベントを開催し、会場には数百人が集まった。この日の午前8時、ソウル・光化門のKTスクエアでiPhone 7を最初に買った実業家ユ・ビョンムンさん(25)は「新しいiPhoneを買おうと四日間待っていた」と語った。ユさんは18日午後5時30分から四日間にわたり同店の近くで夜を明かしたのだ。業界では、14日から20日までのiPhone 7予約期間に合計40万-50万台の申込があったと見ている。これは、前作の「iPhone 6s」予約に比べ約2倍多い。
市場の最大の関心事は、ノート7ユーザーのうちどれくらいの人数がiPhoneに乗り換えるかだ。韓国で販売された55万台のノート7のうち、交換・返金が行われた後、他製品に乗り換えた割合は10%に過ぎない。まだ50万人前後がどうするか決めていないのだ。韓国科学技術院(KAIST)経営工学部のイ・ビョンテ教授は「現時点ではノート7を交換していないユーザーがiPhone 7を選ぶのか、簡単には推測できない。ただ、アップルのiPhoneに一度乗り換えたユーザーを取り戻すのは難しいだろう」と語った。業界関係者は「iPhone 7が出る前の今年7-9月期における韓国スマートフォン市場のシェアはサムスン電子が65%前後、次いでLG電子の20%前後で、アップルは15%前後だ。iPhone 7の発売により、アップルと韓国メーカーのサムスン電子・LG電子の競争構図に変化が起こるのか気になるところだ」と行った。
iPhone 7発売に対抗して、サムスン電子では「ノート7のユーザーがギャラクシーS7やノート5などサムスン電子のスマートフォンに交換すれば、来年発売されるギャラクシーS8やノート8に再び交換できようにする」という戦略を内部方針として打ち出した。サムスン電子はこれを来週にも発表しようと、大手携帯電話キャリアなどと協議を進めている状況だ。
これは、ノート7のユーザーが同じ「サムスン製スマートフォン」に交換すれば、クーポンや通信費割引など最大10万ウォン(約9000円)の特典を付けると先に発表していたものに比べ、かなり思い切った補償案だ。また、ノート7発売時に好評だった「ブルーコーラル」モデルなど新色のギャラクシーS7新製品も来月中に発表することにしている。