中国の自動車市場において好調をキープしている日本メーカーに対して、韓国メーカーは苦戦を強いられているようだ。中国メディアもしばしば、中国における韓国系自動車の販売が鈍化していることを伝えるとともに、その理由について分析する文章を掲載している。

 中国メディア・今日頭条は19日、「韓国系自動車は中国でなぜ突然売れなくなってしまったのか」とする記事を掲載した。記事は、昨年から不調が続く韓国系自動車が特に今年上半期、販売状況が思わしくなかったことを紹介。「わが国の国産車の台頭と大きく関係があるようだが、韓国系自動車自身にはどんな問題があるのだろうか」とした。

 そして、韓国系自動車が現在抱えている問題として「製品がローエンドであること」、「輸入車の問題」、「自動車モデルのリニューアルが遅く、技術に進歩がないこと」の3点を挙げて解説した。韓国系自動車は中国市場においてローエンド路線を走り続けており、「近年ではほとんど何の変化も発展もない」と指摘。エンジンは日系車に劣り、ボディはドイツ車にかなわず、値段は国産車よりも高いとし、優位に立つ部分がないと論じた。

 また、高品質な韓国系自動車は多くが輸入車であり、輸入する際の諸費用が購入価格に上積みされるため、同じタイプの国産車より割高になると説明。これも韓国系自動車を選ぶ人が少なくなっている要因の1つであるとした。そして、新たなモデルの自動車を開発することに投資せず、同じタイプの「型番違い」ばかりを出していると指摘。「消費者にとってはいつまでも同じで、進歩がないように見えてしまう」と解説した。

 日本のメーカー各社は、中国の現地ニーズに合った自動車モデルの研究開発を進め、現在中国で人気のあるSUV車を中心に新モデル車を続々とリリースした。これも、中国人消費者の心をつかんで売り上げを伸ばした一因と言えるだろう。もし、記事の指摘が正しければ、韓国メーカーは中国人消費者のニーズにこたえるという点で大きく後れを取ったことになる。

 分野は異なるが、サムスン社製のスマートフォン「Galaxy Note 7」の発火トラブルは、韓国製品のイメージを損ないかねない大きな問題である。韓国の製造業全体が大きな試練に直面するとともに、岐路に立たされているようだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)