【球界ここだけの話(706)】
西武・秋山【拡大】
西武・秋山翔吾外野手(28)が11月10-13日にメキシコ、オランダと2試合ずつ強化試合(東京ドーム)を行う侍ジャパンのメンバーにチームで唯一選出された。
「もちろん、打てるにこしたことはないけど、代表は選ばれるだけで財産になる」
侍ジャパン入りが決まる前、秋山から日の丸へのリスペクトを感じさせる言葉を聞いた。「代表辞退」「代表引退」を選択する選手も少なくない中、侍ジャパンに並々ならぬ思いを抱いている。
西武が誇る安打製造機。昨季はプロ野球新記録の216安打を放ち、打率・359のハイアベレージを残し、オフには日本と台湾で開催された「第1回プレミア12」に出場した。
「バラエティーやお笑いのDVDも持っていきましたけど…」。自身初の国際大会に臨むにあたり、秋山が持参したマル秘アイテムは「過去のWBCのDVD」。日本が連覇を果たした2009年第2回WBC時は青森・八戸大に在学中で、「決勝でのイチローさんのタイムリー、内川さんの守備が印象に残っています」と目を輝かす。
前回13年の第3回大会はプロ3年目のシーズン前。「井端さんは職人ですから」と、当時37歳で大会ベストナイン(DH部門)に選出された中日・井端(現巨人内野守備走塁コーチ)の活躍を挙げた。
秋山は昨年のプレミア12でアマチュア時代に購入した“教材”を空き時間に視聴し、気持ちを高ぶらせた。だが、全8試合で「1番・中堅」を任されたものの、打率・257と結果は振るわず、「思いが強すぎたのかな」と苦笑いで振り返った。
覇権奪回を狙う来春の第4回大会。前回と同様、準決勝以降は米国で行われる。「やっぱり国外でやった方が、国際大会という感じがしますよね」。今度は秋山が次世代の“教材”になる番だ。(花里雄太)