成田空港訴訟 上告退け 土地の明け渡し判決が確定
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成田空港の建設に反対して滑走路近くの土地で農業を続けている男性に対し、空港会社が土地などの明け渡しを求めていた裁判で、最高裁判所は、男性の上告を退ける決定を出し、明け渡しを命じた判決が確定しました。
この裁判は、成田空港のB滑走路の近くのおよそ7300平方メートルの農地をめぐって、土地を所有する成田空港会社が、空港の建設に反対する男性に土地などの明け渡しを求めたものです。
男性は、前の所有者から土地を借りて農業を続けていて、裁判では「耕作する権利の侵害だ」と主張していました。
1審の千葉地方裁判所と2審の東京高等裁判所は、いずれも空港会社が土地の所有権を取得した手続きは有効だとして、男性に土地などを明け渡すよう命じました。
これに対して男性が上告していましたが、最高裁判所第3小法廷の大谷剛彦裁判長は、26日までに上告を退ける決定を出し、土地などの明け渡しを命じた判決が確定しました。
男性は、前の所有者から土地を借りて農業を続けていて、裁判では「耕作する権利の侵害だ」と主張していました。
1審の千葉地方裁判所と2審の東京高等裁判所は、いずれも空港会社が土地の所有権を取得した手続きは有効だとして、男性に土地などを明け渡すよう命じました。
これに対して男性が上告していましたが、最高裁判所第3小法廷の大谷剛彦裁判長は、26日までに上告を退ける決定を出し、土地などの明け渡しを命じた判決が確定しました。
最高裁判所が上告を退ける決定を出し、明け渡しを命じた判決が確定したことを受けて、成田空港会社の夏目誠社長は「当社の主張が正当であると認められたものと理解している。航空機の効率的な運用を図るため、農地のためう回している誘導路の直線化などの検討を進めていきたい」というコメントを発表しました。
農業を続けている男性は「空港の都合のいいやり方で農地を奪うことは受け入れられない。ここで農業を続けていきたい」と話しています。
農業を続けている男性は「空港の都合のいいやり方で農地を奪うことは受け入れられない。ここで農業を続けていきたい」と話しています。
誘導路の裁判 ほかにも2件
空港のB滑走路の近くでは成田空港会社が取得できていない土地があることからターミナルと滑走路を結ぶ誘導路が「へ」の字型に曲がっていて、空港会社によりますと、旅客機の通過に時間がかかるなど今も支障が出ているということです。
土地の明け渡しを求める訴訟は男性などとの間でほかにも2件あり、いずれも千葉地方裁判所で係争中であることから、誘導路を直線化するには時間がかかる見通しです。
土地の明け渡しを求める訴訟は男性などとの間でほかにも2件あり、いずれも千葉地方裁判所で係争中であることから、誘導路を直線化するには時間がかかる見通しです。