ブログアドバイザーのポジ熊です。
今回は
「たばこ1箱1000円に」=自民議連 (時事通信) - Yahoo!ニュース
こちらの話題について言及します。
2020年の東京オリンピックに向けて政府がたばこ値上げに本腰を入れそうですね。「これでたばこ売れるの?」だとか「喫煙率に影響は?」など疑問は尽きないかと存じます。
専門書を参考に、ある程度の予測を立てるとともに「たばこ1箱1000円への値上げに賛成」の立場から所感を述べたい。
たばこの価格弾力性
価格弾力性とは例えば
Aという商品を10%値上げした場合に需要が5%下がったとすると
需要の変化率/価格の変化率=値
この値が1より大きいと「価格弾力性が高い」、1より小さいと「価格弾力性が小さい」と表します。
先ほどの例ですと価格弾力性は0.5となりますので「価格弾力性は低い」となります。
では、たばこの価格弾力性はどれくらいなのでしょうか?
多くの場合「0.2~0.8程度である」とのこと。
つまり、たばこの価格弾力性は低いのです。値上げしても需要の低下が小さい嗜好品ということですね。ほかに代替するものがないわけですから、価格弾力性が小さいことは不自然ではありません。
ここから導き出される次の事実を示します。
たばこ増税は政府の増収
たばこの価格弾力性は低い。なので値上げしても買う人は買います。あくまでも従来の値上げ幅で考えれば、の話です。1箱10000円になれば流石に価格弾力性の上げ幅は大きくなるのでしょうが。
値上げしても売れる。これは政府の増収に直結します。本来であれば商品の値段を上げすぎると売れなくなるのが道理なのですが、たばこの専売制や依存性のアドバンテージをフルに活かして、あからさまな値上げでも収益を上げてしまうという力技を見せつけてきます。
ですから、「1箱1000円にしちゃったら税金とれない!」と考えている人は改める必要があります。むしろガンガン値上げしたほうが良いのです。個人的には1箱2000円くらいにまで引き上げていただきたい。金はとるべきところからとるべきです。あまりまっとうとは言えませんが、この政策は富に再分配にもなりえるのです。
喫煙率の変化
「じゃあ値上げしても意味ないじゃない!」そんなことはありません。これまで述べたようにたばこの値上げは増収に繋がります。さらに中間層~富裕層から税金を集めることができるので富の再分配に繋がります。
今回、もっとも強調したかったのはたばこ値上げにより
未成年や低所得層の喫煙率が低下する
このメリットです。
未成年や低所得層のたばこに対する価格弾力性は高いそうです。収入が乏しいのですから、嗜好品といえどもさすがに買えなくなるのでしょう。
例えば月に手取りで12万円しかもらえない赤貧生活を送る人が1か月に20箱吸う喫煙者だったとしましょう。従来400円だったたばこが1箱1000円になったら、出費が12000円も増えてしまいます。月収の実に1割。食費に並ぶ勢いです。これでは買い控えるのも無理はありません。
少ないお小遣いで悪さしている未成年についても同様です。
たばこの依存性は高いですが、離脱症状は他の依存物質に比較して軽い部類であり、借金してでもたばこを吸うような人は少ないと考えます。ギャンブルや酒の依存とはまた違ったものですからね。値上げを機に止めざるを得ない人があとを絶たないはず。
まとめ
たばこ1箱1000円に値上げすべき理由は
- 増収となる
- 富の再分配をもたらす
- 未成年や低所得層の喫煙率が下がる
以上の3つになります。
もうね、ガンガン値上げしたほうがいいんですよ。僕ももともとは喫煙者なので毛嫌いはしたくないのですが、未成年や低所得層までスパスパ吸うのはいただけない。
値上げしたらこういう人たちの喫煙率は下かもしれない。迷わずやっちゃってくれ!お金がある人は周りに煙を吸わさないようにして大いに楽しんでくれ!
参考書籍は
こちら。参考文献や世界的潮流、各種データに基づいて禁煙を学べる良書です。ちょっとお高いですけど、たばこのことならこれ一冊って感じ。