北京=延与光貞
2016年10月26日05時37分
中国の地方議会にあたる人民代表大会(人代)の選挙をめぐり、共産党の後押しを受けずに立候補を表明した北京の「独立候補」18人が当局から妨害を受けている。自宅から外出できなかったり、強制的に旅行に連れて行かれたり。当局がうたう「民主的な選挙」には程遠い状況が続く。
25日午後、北京市東城区で開かれた区人代選挙の候補者演説会。11月の投票を前に、自らの立候補をアピールしようとした独立候補の劉秀貞さん(62)は、当局に「あなたは有権者名簿に名前がない」と参加を拒否された。自宅のリフォームのため最近、区域外に住んでいたことを理由にされた。だが、現住所地では「選挙は前の住所で」と言われたという。
応援に訪れた仲間も会場には入れなかったが、演説会には地元住民の姿はなく、出席者は「ボランティア」の腕章を着けた20人ほど。住民らも当局から外出を止められていたという。
劉さんら18人は、十数年前からともに市民運動や人権活動に取り組んできた。「従来の代表は庶民の声を政府に届けてくれない」と、独立候補として立候補することにした。だが、海外メディアに注目され始めると、妨害が始まった。
自宅周辺に警察が待機し、選挙…
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朝日新聞国際報道部