VCRは米国一般消費財・サービスのETF
VCRはバンガード・米国一般消費財・サービス・セクターETFと言います。「 MSCI USインベスタブル・マーケット・一般消費財・サービス25/50インデックス」への連動を目指しています。
パフォーマンスは以下の通りです。
※以下、画像はバンガードのページから
設定は2004年です。設定来のパフォーマンスは8.66%となっており、高い数値と言って良いでしょう。生活必需品セクター(VDC)の10%超えほどではないですが、有望なETFであることは間違いありません。
VCRのチャートと分配金
※グーグルファイナンスより
2006年 取引値 61ドル 分配金 0.47ドル
2016年 取引値124ドル 分配金 1.88ドル前後
VCRは四半期に分配金を出すようになったのが2016年に入ってからです。かつては年に1回の配当でした。
2016年1期あたりの配当が年間配当とほぼ同額でしたから、配当は単純に4倍近くになっています。ETFで配当が4倍というのはかなりよいパフォーマンスです。
取引値は2倍になっており、この10年でみるならば順調に成長しているETFと言えます。
もともと高配当を狙ったETFではありません。過去を見ても、リーマンショックの影響で取引値が下がった2008年末に2.53%の配当を出したのを除けば、殆ど1%台の配当利率です。
しかし、過去並みの配当成長率が実現されれば魅力ある増配ETFということになります。増配銘柄ETFをうたうVIGも過去こんなに配当成長はありません。
VCRの構成銘柄
1位はアマゾンです。その営業範囲はネットだけにとどまらず、店頭販売の小売業者の売り上げも侵食し始めています。株価も好調で、VCRのパフォーマンスに大いに寄与していると思われます。
2位はホームデポです。アメリカ最大のDIY小売業者であり、その専門性に強みを持ちます。
3位はケーブルテレビ事業者のコムキャストです。4位はウォルトディズニーです。このあたりはコンテンツ提供会社とも言えます。
そうかと思えば、マクドナルド、スタバなど外食産業が続きます。消費者に直接関係する企業という非常にざっくりしたくくりが一般消費財・サービスセクターと言えます。
9位のプライスラインはオンラインホテル予約で有名です。傘下の子会社はM&Aしたものも含めてブッキングドットコム、Priceline.com、KAYAK、アゴダ、レンタルカーズドットコム、オープンテーブルと有力です。2位のエクスペディアを大きく引き離しています。
10位はタイムワーナー、2016年の10月にAT&Tが買収を提案しました。映画を始めとするコンテンツ提供会社です。
このように消費に関係する様々な企業群を集めたETFであり、その企業数は388社に及びます。アマゾンやプライスラインといった有力なネット関連企業も含んでいます。
配当はさほど高くありませんが、消費拡大に伴う利益を享受できるETFと言えます。
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