朴大統領とチェ・ソウォン氏は長年にわたり特殊な関係にある。学校に行っていないチェ・ソウォン氏の娘に単位を与えた梨花女子大学の教授は、1年間に政府研究費55億ウォン(約5億円)を受け取った。政府というバックがなければ難しいことだ。チャ・ウンテク氏も朴大統領に寵愛(ちょうあい)を受けている。チャ・ウンテク氏と同じ会社で働いていた教授が文化部長官に、チャ・ウンテク氏の叔父が大統領府教育文化首席秘書官になった。両財団とブルーK、チェ・ソウォン氏の家、チェ・ソウォン氏が通うマッサージセンターと朴大統領の私邸は半径1.7キロメートル以内に集中している。ミル財団の元幹部は、チェ・ソウォン氏が「国のために一生懸命、心を一つにしたもの」と述べた音声ファイルをメディアに公開した。チェ・ソウォン氏は財団関係者らに「VIPの関心事項」と言い、チェ・ソウォン氏が所有するブルーKの「ブルー」が大統領府(別名:青瓦台)を意味するという証言も報道された。また、「竜」を意味する古語「ミル」が財団名に使われている。国民が両財団を大統領府と結び付けずに考えられるだろうか。
こうした疑惑に朴大統領は一切答えていない。しかも、「ミル財団」「Kスポーツ財団」「チェ・ソウォン」「チャ・ウンテク」という名前すら口にしていない。それにもかかわらず、「誰でも資金流用などの違法行為をしたら厳正に処罰されるだろう」と言った。「検察の捜査」などと言ってもいないのに、後に大統領府広報首席秘書官が「検察の捜査を意味する言葉だ」と解釈した。
今、国民が心配しているのは、朴大統領とチェ・ソウォン氏の関係だ。チェ・ソウォン氏らがこのようにやりたい放題なのは、大統領とどういう関係にあるからなのか、ということだ。国民は大統領に注目しているが、大統領はまるで「ひとごと」のように「誰でも法に背けば処罰されるだろう」と言う。しかも今、検察は正常な状態ではない。禹柄宇(ウ・ビョンウ)民政担当首席秘書官の妻の疑惑に関する捜査を当の禹柄宇首席秘書官に報告する検察だ。その禹柄宇首席秘書官がチェ・ソウォン氏の捜査についても報告を受けることになる。それで国民が納得するだろうか。