【社説】やりたい放題の2財団、疑惑に一切答えない朴大統領の釈明

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は20日の大統領府首席秘書官会議で、ミル財団・Kスポーツ財団の疑惑について初めて口を開いた。朴大統領は「両財団は財界の主導で設立された」と述べた。しかし、資金を出した複数の大企業はすべて「出せといわれたので出した」と言っており、資金を出した後は両財団に関心を払っていない。「大統領府の安鍾範(アン・ジョンボム)政策調整首席秘書官が全国経済人連合会(全経連)に話し、全経連が金をかき集めた」という大企業役員の証言が国会で公表された。韓国経営者総連盟の朴炳元(パク・ピョンウォン)会長は「大企業の足首をひねって」ミル財団の集金が行われたと言った。大統領府が出てこなければ一日に数百億ウォン(数十億円)も集まるはずがない。大統領府が主導しなければたった二日で財団が設立されることもあり得ない。文化体育観光部(省に相当)は世宗特別自治市にいる担当者をソウルに出張させてまでミル財団設立書類を受け取らせた。書類もでたらめなのにすべて問題なく通った。

 朴大統領はこの財団について「(大統領)海外歴訪の過程で(韓流イベントに)参加した際、『コリア・プレミアム』を全世界に広める成果を挙げた」と述べた。そのような素晴らしい業績があるのに、疑惑が浮上するや、両財団はなぜあわてて書類をシュレッダーにかけるなどして証拠を隠滅したのだろうか。

 朴大統領は「両財団は私の退任後に備えて作られたというが、そうする理由もないし事実もない」と言った。今、分かっている事実を見ると、両財団の「主」のように振る舞っているのは、故・崔太敏(チェ・テミン)牧師(大韓救国宣教会総裁)の娘チェ・ソウォン氏=2014年2月にチェ・スンシルから改名=と、「文化界の皇太子」と呼ばれるチャ・ウンテク氏の2人だということが分かる。ミル財団の理事長や理事たちはチャ・ウンテク氏が選び、Kスポーツ財団の理事長はチェ・ソウォン氏がひいきにしているスポーツマッサージ・センターの経営者だった。Kスポーツ財団のある幹部は今年1月と5月にチェ・ソウォン氏とその娘のドイツにおける宿泊先探しを手伝った。Kスポーツ財団の職員たちは、チェ・ソウォン氏が設立した「ブルーK」という別会社で働いていた。Kスポーツ財団は金を出した大企業のうち1社に、同氏がオーナーである「ピデク社」に対しさらに80億ウォン(約7億3000万円)出してほしいと要請した。こうしたことから、公益財団のKスポーツ財団はチェ・ソウォン氏の私有物だと言っても過言ではない。

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