10/25の第2回市場問題プロジェクトチームの録画・配布資料がアップされてます。2時間もある動画を拝見したのですが・・・もはや壮大なコントに莫大な時間とお金をかけているという感じでして、こんなのに付き合わされる東京都担当部署と設計担当の日建さんがかわいそうであります。
第2回市場問題プロジェクトチーム録画映像・テキスト
第2回市場問題プロジェクトチーム配布資料
株式会社アトリエ・ラ・クレ高野 一樹氏や建築エコノミスト森山高至氏がテレビや新聞、雑誌、Twitter・ブログ上において、「豊洲市場については構造安全性に疑義がある」と常々主張されていました。
緊急解説!!豊洲市場の構造設計に疑義アリ
築地移転問題の豊洲市場の建築構造がヤバイらしいという話
↑本当はリンクを貼るのもイヤなのですが、晒すという意味で貼っておきます。
これについて、東京都としては明確な反論を行わず、(どうも小池都知事がPTに花を持たせるために職員に反論させて無いのではという噂あり)まさに憶測が憶測を呼ぶという勢いになりまして、最終的には豊洲市場移転は延期、現在宙に浮いてる状態です。設計事務所が説明すべきという声もありますが、東京都との守秘義務がある関係上、日建側は反論をいままで封じられていました。
本日のPT上で、高野氏の指摘
- 防水押さえコンクリートの厚さが間違って(1cm→15cm)計算されている
- 積載過重がはたして妥当なのか
- 地下ピットの構造解析上の扱いに疑義がある
というコメントの後、守秘義務を解除された日建がすべて反論しました。この反論は説得力のあるものであり、PTメンバーから主な反論はありませんでした。法令順守しているし、安全性は確認されたという結論でした(ただし専門家同士での議論はして欲しいとのこと)。
1点目、防水押えコンクリートの厚さは10mmで計算されていましたが、実際の施工は150mmでした。その結果、重量が変わってくるから構造計算が変わるだろうという高野氏の指摘でしたが、そもそも全体の重量に対しての0.6%分にしかならず、全く問題がないという日建の回答でした。
2点目、ターレやフォークリフトの集中的な過重状態があっても大丈夫なのか?そもそもの設計値が低すぎるのではないか?との指摘には、具体的な数字を出して大丈夫ですという日建の回答です。いや、そんなの計算してるのに決まってるよね・・・
3点目は、周辺の土が軟らかいので基礎ピットは地下階ではなく、1階と数えて構造計算すべきではないか?という指摘には、基礎ピットはガチガチに作っているので5階建てと考えて計算しても全く問題ないし、法令上は4階扱いで設計すべきでそちらももちろん問題なし、という回答です。
↑高野氏が持ち込んだモデル(あとでPTメンバーの佐藤尚巳氏からめちゃくちゃ怒られてましたwショックだったのかしばらく置物状態になりました。)
それに対する日建の回答
↑基礎部分での変形は0.054cmなので地盤と看做せる、全く問題ない!
ということで、全体のまとめ。全部問題なし、この問題終了!
日建の出した資料に、いくつかの質問はあったものの疑義を持つ意見は森山氏含めPTメンバーからありませんでした。ちなみに、高野さんだけが最後まで納得せずに粘るも見解の違いというよりも日建さんとのレベルの違いがはっきりしすぎて・・・時間の無駄っぷりに画面の向こうにいる僕にも参加者のイラつきぶりがわかってしまう次第。たまに謎の差配をする座長にも、手法の違いはどうでもよく安心な建物かどうかという視点で議論して欲しい、とたしなめられてました。
日建さんからも最後に発言を求めて、「我々は法令順守して設計している、高野さんは危険性を指摘していただきたい」とキレながらおっしゃってましたね。高野さん、危険性を指摘できませんでしたけど。
私もこの会議、すべて聞いたのですがこんなことに時間とカネをかけるのは間違ってますよ。早く移しましょ。
コメント & トラックバック
コメントする