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幻の「都マツタケ」採れた! 市民グループ、京都市街地で発見

アカマツの根元に発生したマツタケ。別の場所にももう1本発生していて、複数のシロが形成されたと見られる(京都市左京区)
アカマツの根元に発生したマツタケ。別の場所にももう1本発生していて、複数のシロが形成されたと見られる(京都市左京区)

 かつて京都市内で採れ、「都マツタケ」の名で親しまれていたマツタケの復活を目指す市民グループ「まつたけ山復活させ隊」(吉村文彦代表)が、活動拠点にする左京区岩倉の山で念願のマツタケを見つけた。発生の妨げとなる地表の腐植土をかき取るなど、地道な取り組みを続けて11年。待ちに待った朗報に、メンバーは「食べられるほどたくさんマツタケが出ることが次の目標」と喜んでいる。

 京都市内ではかつて、北山や雲ケ畑、金閣寺などで多くのマツタケが採れた。しかし、里山の荒廃などで今ではほとんど見られなくなり、「幻」のマツタケとなった。グループはその復活を目指して、2005年から週1度のペースで里山整備を続けている。

 グループがマツタケを発見したのは22日。活動を始めたばかりの頃に整備した場所に2本生え、1本は傘の直径が3~4センチほどに育ち、もう1本は頭の先が地表からわずかに出ていた。近くのアカマツ林から飛んできた胞子が、数年かけて「シロ」と呼ばれる菌根集団を形成したことで発生につながったとみられる。

 微生物生態学が専門の吉村代表は「胞子が飛んできてからマツタケが発生するまで4~5年かかる。諦めずにみんなで整備を続けてきた成果」と話す。

 収穫はせず、傘が開いて胞子が飛んだ後は標本にする。吉村代表は「里山の整備がマツタケ復活の王道。順調にいけば、今後さらに多くのマツタケが発生するかもしれない」と期待を寄せる。

【 2016年10月25日 23時05分 】

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