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iPS心筋で新薬検査、心臓への副作用を高精度で…東大
人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作ったひも状の心筋で、新薬の心臓への副作用を精度よく調べる検査法を、東京大の竹内昌治教授(微細加工学)らが開発した。
長崎県で開催中の電気学会の関連シンポジウムで26日発表する。
新薬の重要な副作用に、心臓への影響がある。急な
竹内教授らは、人のiPS細胞からひも状の心筋(長さ約1センチ)を作り、両端を台に固定した検査装置を開発。心筋は自ら拍動して伸び縮みしており、新薬の候補物質をふりかけ、長さの変化などから心筋への影響を調べる。実際に強心剤をふりかけると縮む力が最大で約5割増え、心臓を休ませる薬では約5割弱まるなど、薬に敏感に反応することを確かめた。
現在は、基板に貼り付けたシート状の心筋に新薬をふりかけ、拍動する際に発生する微弱な電気信号を測って、間接的に影響を調べる方法がある。だが、基板に貼り付けた状態では、拍動が不自然になるという課題もあった。竹内教授は来年にも、共同研究する企業と試作品を作製するという。