クラウド使い脱税の証拠隠す手口 法改正で対応を検討へ

クラウド使い脱税の証拠隠す手口 法改正で対応を検討へ
メールなどのデータをインターネットを使ってサーバーに保存する「クラウドサービス」を使って脱税の証拠を隠せないようにしようと、政府税制調査会は脱税調査の際、パソコンだけではなくサーバーの情報も強制的に調べることができるよう、関係する法律を来年度に改正する方向で検討することになりました。
総理大臣の諮問機関の政府税制調査会は、25日に総会を開き、来年度の税制改正をめぐって議論しました。この中では、脱税調査の際、メールや画像などをインターネットを使ってサーバーに保存する「クラウドサービス」を使って企業などが会計帳簿やメールなどのデータを隠す問題が取り上げられました。

国税庁は、パソコンや書類などは強制的に押収できますが、サーバーに保存されたデータについては調査対象となった企業などが提出を拒めば押収できず、調査の支障となっています。このため政府税制調査会は来年度の税制改正で、サーバーに保存されたデータも国税庁が強制的に押収できるよう検討することになりました。

また、脱税調査は日没以降に始めることが禁止されるなど、社会の変化に対応できなくなっているため、政府税制調査会は脱税調査の手続きを定めた法律を69年ぶりに改正する方向で検討することにしています。