【広島】黒田、集大成へ異例の“入念”前日マウンド

2016年10月25日6時0分  スポーツ報知
  • シリーズ第3戦に先発する予定の黒田は、ひとり札幌ドームのマウンドで調整を行った

 「SMBC日本シリーズ2016」は札幌ドームに舞台を移し、25日に第3戦が行われる。今季限りで引退を表明した広島・黒田博樹投手(41)は24日、第3戦の先発に備えて札幌ドームのマウンドから投球練習。現役最後になるかもしれない決戦のマウンドに備えた。2連敗と苦しい状況の日本ハムは、「3番・DH」での先発出場が濃厚な大谷翔平投手(22)が、チーム全員での黒田打ちを宣言した。

 最後になるかもしれない舞台の感触を、入念に確かめた。登板を翌日に控えた黒田は札幌ドームでの約40分の調整のラストで、おもむろにマウンドに上がった。長田ブルペン捕手に向かって24球。あらゆる球種を、力を込めて投げた。

 札幌ドームでの登板は2005年6月14日の交流戦日本ハム戦以来、実に11年ぶり。「特に気にならなかったですよ」と強調した。ルーチンを何よりも大事にする黒田にとって、本来ならキャッチボールとダッシュで終わる登板前日の調整で、傾斜のあるマウンドから投球するのは極めて異例のこと。久々となるだけに、万全を尽くしておきたかったようだ。

 同球場では過去3試合に登板して3敗と、相性は良くない。畝投手コーチは「確認しながら投げたかったんだと思う。本人が言ってきた。足場が硬いし、(マツダに)似ているところはある」と明かした。

 この日の午前、北海道へ向かう広島空港では、約300人のファンから見送られた。チャーター便に乗り込む際に、黒田への声援はひときわ大きかった。「常にファンに喜んでもらえるようにやるだけです」。シリーズ前に引退を表明したのも、ファンやチームメートに、これが最後の雄姿だと伝えるためだ。だが、特別な感情はいったん封印する。

 23日には「これまでも、毎試合毎試合、本当に死ぬ気で上がってきましたし、それ以上に(気持ちが)上がることはないでしょうし、いつも最後のつもりでマウンドに上がってきた。周りの雰囲気は変わるかもしれないが、自分は何も変わらないですね」と話した黒田。それはこの舞台でも変わらない。41歳、野球人生の集大成のマウンドで、日本一に王手をかける。(角野 敬介)

  • 楽天SocialNewsに投稿!
プロ野球 日本ハムオリックスソフトバンクロッテ西武楽天ヤクルトDeNA中日広島阪神巨人
報知ブログ(最新更新分)一覧へ
今日のスポーツ報知(東京版)