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【検証・文革半世紀 第4部(1)】
「毛沢東とトウ小平の亡霊が戦っている」 習近平氏vs李克強氏、激しさ増す路線対立
「習近平政権はついに●(トウ=登におおざと)小平の排除に乗り出したのか」
中国共産党の内部からはそんな見方も聞かれた。10月上旬、インターネット上の言論サイト「共識網」が閉鎖された際のことだ。
共識網は左派から右派まで幅広く専門家の論文を紹介するが、政治的にデリケートな内容は自主規制して掲載しない。穏健なサイトとして定評があった。
サイトの創設者、周志興は党内に広い人脈を持つ。周の妻はかつての最高指導者、トウ小平の三女の秘書を長年務めた。両家は家族ぐるみで親密な間柄にあることで知られる。
共識網にしばしば掲載されたトウ小平時代の元高官らの論文は、トウ一家の意見を代弁しているとされ、一家は国家主席の習近平が主導する毛沢東回帰の路線に不満があるといわれる。
当局が共識網側に伝えた閉鎖理由は「誤った思想を広げた」ことだった。ただ、「首相の李克強の政策を支持する論文を多く掲載したことが、習の側近の逆鱗に触れた」(共産党関係者)との指摘もある。
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国有企業を保護し、経済に対する党の主導を強化したい習近平は、自らへの権力集中を目指す点で毛沢東に近い。一方、規制緩和を進めて民間企業を育てたい李克強は、トウ小平の改革開放路線の進化を訴える。
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