お笑いコンビ「キングコング」の西野亮広さんが、24日の毎日新聞朝刊に自著の絵本「えんとつ町のプペル」の全面広告を出した。所属事務所や出版社による“営業”ではなく、西野さん個人が新聞の一面を買ったもの。オフィシャルブログによると、「やってみたシリーズ」の第1弾という。
紙面をめくると目に飛び込んでくる、絵本の表紙。一面の約3分の1を占めている。絵の上には「信じぬくんだ。たとえひとりになっても」の言葉。「値段」や「発売中」などの付帯情報を不親切なまでにそぎ落としたシンプルなデザインは、「気にならせる」ため。ただ、「にしのあきひろ(キングコング)」とコンビ名を入れたのは、今回のアプローチが「絵本作家というより、芸人なので」とブログで説明している。
で、狙いは、「ニュースになること」。ということで、あくまで個人で新聞の一面を買ったらしい。ブログによると吉本社内での「会社の言うことをきかない人」というニックネームを持ち、社長から担当マネジャーには、「どうせ言ってもきかないので、事故らないようフォローしてあげて」とのお達しがきているそうで、この対応には「愛してるぜ、吉本興業」。
「毎日新聞の朝刊がアツイ!」
YouTubeの人達がやっている【やってみたシリーズ】が結構好きで、いつか僕もやってみたいなぁと思っていたところ、今回、その機会に恵まれました--。西野さんのブログの冒頭の言葉だ。
希代のポップスターを目指す西野さんにとって、一番遠い存在が、ネットから離れた場所にいる人たち。そういった「ネットに触れていない人たち」にアプローチするために、「新聞の一面を買ってみることにしました」。
新聞のまるまる一面ともなれば、結構な金額だが、原資は現在やっているクラウドファンディングで、支援者数は日本記録を塗り替え、支援総額は4000万円を突破しているという。
ブログには「当初より、『クラウドファンディングで余ったお金は作品の広告に使う』と約束していたので、ちょうどいい機会です」と。しかも何より、「新聞の一面を買っちゃうのって、楽しそう!」。
主要全国紙の朝刊販売部数やお金を照らし合わせた結果、毎日新聞に決定。「毎日新聞の朝刊がアツイ!」との結論に達したそうだ。
ブログで「新聞の一面を買った」を詳しく紹介した西野さん。ネットには「ついに西野亮広が新聞業界に進出!?」という書き込みも。23日には『えんとつ町のプペル』はアマゾンの総合ランキングで一時1位にもなり、評判も上々だが、ブログの最後の言葉はやっぱり「『えんとつ町のプペル』発売中です」。【江刺弘子】