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秘書だけが知っている仕事ができる人、できない人 能町光香

なぜ一流のリーダーは部下の都合を尊重するのか

能町光香 [株式会社リンクCEO 人材育成コンサルタント 一流秘書養成スクール校長]
【第41回】 2016年10月25日
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「あなたのために自分の時間を使ってあげたい」と思ってもらうために、何からはじめますか?

 「もっと時間があれば成果があがるはず」
 「時間がどんなにあっても、仕事が終わらない」
 「もう少し時間さえあれば、ミスをせずにすんだのに……」

 日々、そう思いながら働いていませんか?

 皆さんのようなビジネスエリートの方々は、短期間で成果をあげることを求められ、緊張と不安で押しつぶされそうになっているかもしれません。

 「もっと時間があれば……」と思う人も少なくないでしょう。はたして、「時間」さえあれば、すべて解決するのでしょうか?

時間を味方につけ、
楽しく仕事をしている!

 まず、一流のリーダーはどのように「時間」を捉えているのか、それがわかるエピソードをご紹介しましょう。

 私が秘書として補佐した上司の多くは、大きなミッションを与えられ、短期間でチームをまとめ、成果をあげなければならず、恐ろしいほどの仕事量を抱えていました。

 「どんなに時間があっても足りないのでは」といつも心配していましたが、当の本人は、時間を味方につけ、飄々(ひょうひょう)と楽しそうに仕事をしています。

 ある時、当時の上司に、次の質問をしてみました。

私:「Aさんにとって、時間とはどういうものですか?」

上司:「えっ、突拍子もない質問だなぁ。しいていえば……人はよく、‘Time is Money'(時は金なり)と言うけど、僕はそう思わないかな」

私:「それでは、どのようにお考えなのでしょうか?」

上司:「‘Time is more than Money'(時は金以上のものである)」

私:「それは、つまり、Time = Money(時間はお金と同じ価値)ではなく、Time > Money (時間はお金より価値がある)ということですか?」

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能町光香(のうまち・みつか)[株式会社リンクCEO 人材育成コンサルタント 一流秘書養成スクール校長]

青山学院大学、The University of Queensland大学院卒業。10年間、バンクオブアメリカ・メリルリンチ、ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インクなどの一流企業のトップエグゼクティブの秘書として活躍し、数々の業績を残し、組織から高い評価を受ける。その後、人材育成コンサルタントとして独立。2013年に、日本での秘書人材育成の必要性を痛切に感じ、「一流秘書養成スクール」を創設。上司の右腕として活躍できる「真のエグゼクティブ・アシスタント」の育成を目指し、豊富な経験に基づく実践的な解決方法を伝える講演や企業研修、コンサルティングをおこなっている。また、サービス・ホスピタリティ・アワード審査委員を務めるなど、経営における「サービス・ホスピタリティ力」の重要性を説き、サービス・ホスピタリティ・マネジメントの普及啓蒙を行う。主な著書に、20万部のベストセラー「誰からも気がきくと言われる45の習慣」(クロスメディア・パブリッシング)など著書多数。
公式ホームページ:http://www.link2u.co.jp/


秘書だけが知っている仕事ができる人、できない人 能町光香

この連載では、10年間秘書を務め、現在では一流秘書の育成に携わる能町光香さんが、経営層に近いところで働く秘書だからこそ垣間みることができた、一流の人たちの仕事術についてお伝えしていきます。
 

「秘書だけが知っている仕事ができる人、できない人 能町光香」

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