京浜急行電鉄は2020年までに横浜駅や京急川崎駅など主要5駅にホームドアを導入する。京成電鉄は18年度までに同社として初となるホームドアを設置する。複数の鉄道会社による相互乗り入れが広がるなか、複数の車両に対応できる方式を採用する考えだ。視覚障害者の転落事故や混雑時に車両と乗客の接触事故が発生するなか、ホームの安全対策を急ぐ。
国土交通省は1日当たりの平均利用者が10万人以上の駅にホームドアを整備するように求めている。これまで京急電鉄で設置していた駅は羽田空港国際線ターミナル駅のみだった。京成電鉄は未設置で、京成上野駅などを候補に複数の駅で検討を進める。
京急電鉄は24日、三浦海岸駅(神奈川県三浦市)で、複数のドア位置に対応するホームドアの実証実験を始めた。車両が到着するとドアの位置などをセンサーで感知する。信号やシステムなどを含めた投資額は、従来の装置よりも3割抑制できるという。
同日、三浦海岸駅を利用した横浜市在住の視覚障害者の男性(68)は「過去にホームから転落した経験がある。ホームドアがあるだけで安心感が違う」と話した。
東京地下鉄(東京メトロ)と東武鉄道はホームドアの設置に向けて、16年度からドア位置などを共通にした車両を導入。東日本旅客鉄道(JR東日本)は16年度中に従来よりも3割軽いホームドアの実証実験を始める。