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やっぱり「鳩山さん」 知名度勝った福岡6区

衆院福岡6区補選で当選が確実となり、支持者の祝福を受ける鳩山二郎氏(中央)と母エミリーさん(左端)、兄太郎さん(右から2人目)、春菜夫人(右端)=福岡県久留米市で2016年10月23日午後8時10分、野田武撮影

 保守分裂の戦いは、「鳩山」の知名度が圧倒した。鳩山邦夫元総務相の死去に伴う衆院福岡6区補選は23日、弔い合戦を掲げた次男の元福岡県大川市長、鳩山二郎氏(37)が、同じ自民党系の蔵内謙氏(35)らを制した。蔵内氏は自民党福岡県連が推薦したが自民票の多くが鳩山氏に流れており、早期の衆院解散・総選挙も取りざたされる中、党の結束に影を落としそうだ。【中村清雅、林由紀子、合田月美、吉川雄策】

 午後8時過ぎ、鳩山氏の当選確実がテレビなどで速報され、久留米市のホールに本人が姿を見せると大きな拍手と歓声が起こった。

 鳩山氏は邦夫氏の遺影が飾られた壇上であいさつ。「保守が分裂する厳しい戦いだったが、みなさんの支援で勝ち取ることができた。私への期待は父邦夫が6区のみなさんに愛された証し」。途中で秘書が携帯電話を手に駆け寄った。電話の主は自民党の二階俊博幹事長。「公認なので頑張ってほしい」。鳩山氏は「公認をいただきました」と壇上から報告した。

 あいさつを続け、花束を受けた後にまた電話が。今度は邦夫氏と親交のあった小池百合子東京都知事からの祝福だった。

 一方、蔵内氏の久留米市の事務所は重苦しい空気に包まれた。選対本部長の麻生太郎副総理兼財務相は集まった支持者に「残念な結果だったが支援に感謝する」と短くあいさつすると、硬い表情のまま報道陣の質問に答えず車に乗り込んだ。

 県連推薦を得た蔵内氏の陣営は自民県議や選対顧問の古賀誠元幹事長を中心に引き締めを図ったが、大票田の久留米市は鳩山氏の曽祖父が創業したブリヂストン発祥の地でもあり支持は伸び悩んだ。

 蔵内氏は「結果はすべて私の責任」と頭を下げたが、陣営幹部は「県連の選考に問題は無かった」と繰り返し強調した。蔵内氏の父で県連会長の蔵内勇夫氏は党本部の公認見送りへの抗議として会長辞任を表明している。

 野党4党統一候補の民進党の新井富美子氏(49)は久留米市の事務所で「これは終わりではなく新たに前進したい」と述べた。陣営は当初、民進党内の保守系支持層や連合に配慮して、野党共闘を前面に出さなかったが、新潟県知事選で共産、社民などが推す候補が与党候補を破り戦略を変更。新井氏は記者団に対し「民進党への期待があったことが分かった」と振り返った。

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