【ヒルマニア】田中のヘッドスライディングで思い出す77年のシリーズでの阪急・簑田の激走
◆SMBC日本シリーズ2016第2戦 広島5―1日本ハム(23日・マツダスタジアム)
リプレー検証でアウトからセーフに覆った広島・田中の6回の本塁ヘッドスライディング。数々の名場面が生まれた日本シリーズ。野球担当44年、ヒルマニアこと蛭間豊章記者がデータをひもとき、試合だけでなくシリーズの明暗も分けた本塁クロスプレーとなったヘッドスライディングが過去にあった。
阪急がシリーズ3連覇を決めた1977年の巨人との対決。後に3割、30本塁打、30盗塁のトリプルスリーをマークする簑田浩二だ。阪急2勝1敗で迎えた第4戦、巨人が2―1とリードした直後の9回だった。簡単に2アウトとなった後、代打・藤井栄治が四球を選んだ。
代走はプロ2年目の簑田。代打・高井保弘の3球目に二盗に成功し、高井の左前安打で頭から本塁へ突っ込んだ。左翼には8回に勝ち越し本塁打を放った張本勲に代わって守備固めの二宮至が入っていた。ボールは「左―三―捕」と送られた。タイミングはアウトかと思われたが、中継した高田繁の送球が少しだけ一塁側にそれた分、捕手・吉田孝司のタッチが遅れて同点のホームイン。これで流れが変わり、一気にこの回に4点が入り大逆転して王手。翌日阪急のシリーズ3連覇が決まった。
メディア各紙は守備固め・二宮を守らせてのカットプレーの是非が問題になった。この時、捕手・吉田が左足で本塁ベースを隠す形でブロックしているのを見て瞬時に簑田は三塁側に体をよじりながら左手でホームを掃いたスライディング。アウトならゲームセットで2勝2敗のタイとなる大事な場面だけに、岡田和也(後の功)球審のセーフのコールが出るまで時間がかかった思い出がある。
このまま32年ぶりの日本一が決まるなら、田中の勝ち越しホームインも球史に残ることだろう。=随時掲載=