■WinAlign って何？

intel および互換 CPU ではプログラムコードを 4KB(4096) 境界にロードする必要があります。
Windows はプログラムを起動する場合、プログラムファイルをディスクキャッシュメモリーにロードし、プログラムモジュールを 4KB 境界に調整して実行可能形式に変換したものを実行メモリー領域にコピーします。
すなわち、プログラムは [ハードディスク]->[ディスクキャッシュ]->[実行領域]と2回コピーされてから実行が始まります。
Windows98/Me は、あらかじめ 4KB 境界にモジュールを整列 (align) してあるプログラムファイルを実行する場合、ディスクキャッシュにロードしたものを直接実行できるパフォーマンス拡張機能 (MapCache) を備えています。
このパフォーマンス拡張を使用すると、ケースによっては大幅な(数倍)パフォーマンスアップが期待できます。
(Windows98 では MapCache が標準でオンに設定されていますが、Windows98 CD-ROM の Tools\MTSUtil フォルダにある inf ファイルでオフにすることもできます。)

■モジュールが整列 (align) されているか見分ける方法は？

EXE や DLL ファイルを右クリックして [クィックビューア] をクリックします。
(クィックビューアが導入されていない場合は、コントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」で [Windows ファイル] タブを開き、アクセサリの詳細からインストールして下さい。参考：Windows Me/2000/XP にクィックビューアはありませんか？)
イメージオプションヘッダー部分の「セクションの整列」および「ファイルの整列」が 1000 (=10進数で 4,096) になっている場合は align 済みです。

■整列 (align) されていないファイルを最適化するには？

Windows98 では、WinAlign プログラムを使ってモジュールが 4KB に整列されていないファイルを最適化し、パーフォーマンスを向上させることができます。
WinAlign には Windows98 標準で添付される walign.exe と、Windows98 リソースキットに付属の WinAlign.exe の 2 種類あります。walign.exe は WinAlign.exe の省機能版で、通常は MS Office9x が導入されている環境で、MS Office 製品を最適化する機能に限定されています。

■WinAlign しても問題無いの？

WinAlign はファイル自体を変更してしまうため、次のようなプログラムファイルでは問題が発生することが考えられます。

• ウィルスチェッカー
• Windows NT/2000 など、他の OS ファイル
• CRC チェックを行なうプログラム
• 自己解凍書庫

また、必然的にファイルサイズは少し大きくなります。

■walign で任意のプログラムを最適化するには？

Windows98 に標準導入されている walign.exe は MS Office が導入されていないと動作しませんが、MS Office が導入されていない環境でも、次のレジストリをインポートすることで動作させることが可能です。

Download

msodammy.reg

また、walign.exe は Windows\System\winali.ini ファイルに記述された Windows\System フォルダに存在するファイルしか最適化しないので、任意のプログラムを最適化したい場合、以下のよう内容を持つバッチファイルを使うことをお勧めします。
最適化したいファイルのあるフォルダにこのバッチファイル (bwalign.bat) をコピーし、引数に最適化したいファイル名 (*.exe や *.dll) を指定することで、自動的に最適化が実行されます。

Download

bwalign.bat

■最適化後に気をつけることは？

多くのファイルに対して WinAlign を実行すると、ディスクのフラグメンテーションが発生することが考えられます。一通り WinAlign を実行したら、デフラグを実行することをお勧めします。

また、最適化したプログラムをアップグレードする場合、ファイルが最適化されているとアップグレードチェックをパスできないことがあるので、この場合は UNALIGN フォルダからオリジナルファイルをコピーして下さい。(アップグレードに限らず、最適化後に問題が発生したら UNALIGN フォルダからオリジナルファイルをリストアして下さい。)