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【プロ野球】

田中“神ってるスライディング” アウト一転、リプレー検証で生還

2016年10月24日 紙面から

広島−日本ハム 6回裏無死二塁、広島・菊池の左前適時打で生還する田中。捕手大野=マツダスタジアムで(七森祐也撮影)

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◇日本シリーズ<第2戦> 広島5−1日本ハム

 23日はマツダスタジアムで第2戦が行われ、広島が5−1で日本ハムを下し、連勝とした。同点の6回に日本シリーズ史上初のリプレー検証で判定が覆り、勝ち越しに成功。これで勢いづき、一挙4得点をあげた。第3戦は25日に、札幌ドームに舞台を移して午後6時半から行われる。

 広島は1−1の6回無死二塁から菊池がバスターで左前へ勝ち越し打を放つと、鈴木の犠飛やエルドレッドの2試合連続のソロなどでたたみかけ、計4点を勝ち越した。野村は6イニングを2安打1失点と好投した。救援陣は得点を許さず、9回は中崎が締めた。

 日本ハムは打線が振るわず、失策による1点にとどまった。6回は要所で守備も乱れた。

    ◇

 シリーズ史上初のリプレー検証で、試合の行方が大きく左右された。6回、無死二塁で菊池は4球目に自主判断でバスターを敢行。胸元への高い球をたたいた。

 「バントのサインだけど、シーズン中も割り切ってやっていいと言われていたので。一塁が前に来ているのが見えたのでそっちに打ちたかったが、内角に来たので反応で打った」という打球は、二塁カバーに入ろうとした遊撃手の逆を突き、左前へと転がった。

 田中が二塁から本塁を狙う。ゴロを捕った左翼・西川もダイレクト返球で勝負をかける。大野のタッチ、田中のスライディング。白井球審の判定はアウトだったが、リプレー検証で覆った。

 「ああいう練習はしてきた。微妙なタイミングだと思ったけど、ベンチでみんながセーフと言っていた。感覚的にも手が先かなと…」

 タッチより一瞬早くベースに触れた田中の左手が、連勝をつかみ取った。積極走塁で勝ち越し。そこから失策、暴投に犠飛、さらには本塁打で一気に4点を奪い試合を決めた。

 緒方監督は万雷の拍手の中、勝利監督インタビューで声を上ずらせた。「自分たちの野球ができました。素晴らしい攻撃でした」。監督も動いてつかんだ白星。前日2安打の安部に代わって、7番に起用した小窪が先制二塁打と用兵も的中を続けている。

 「今までやってきた野球ができている。やってきた野球が、日本シリーズでもできていると思う」と田中。緒方監督も「短期決戦は全てがバントで点を入れる野球ではない。いつもの野球をやってきた」。力を出し切った選手の姿に目を細めた。

 25年ぶりの大舞台でも地に足をつけた野球で、本拠地で連勝。上昇気流に乗って、北海道へと乗り込む。32年ぶりの頂点まであと2勝。今の広島には敵地でも苦境をはねのけるだけの追い風が吹いている。

 

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