【広島】連勝呼んだ“神走塁”田中「感覚的に僕が先かなと思った」リプレー検証でセーフ
- 6回無死二塁、菊池の左前打で二塁走者・田中が捕手・大野のタッチをかいくぐりスライディング。一度はアウトの判定もリプレー検証で生還が認められた
- 6回無死二塁、菊池の左前打で二塁走者・田中が捕手・大野のタッチをかいくぐりスライディング。一度はアウトの判定もリプレー検証で生還が認められた
- 6回無死二塁、菊池の左前打で二塁走者・田中が捕手・大野のタッチをかいくぐりスライディング。一度はアウトの判定もリプレー検証で生還が認められた
- 6回無死二塁、菊池の左前打で二塁走者・田中が捕手・大野のタッチをかいくぐりスライディング。一度はアウトの判定もリプレー検証で生還が認められた
◆SMBC日本シリーズ2016 ▽第2戦 広島5―1日本ハム(23日・マツダスタジアム)
「SMBC日本シリーズ2016」は第2戦が行われ、32年ぶりの日本一に挑む広島が2連勝した。1―1の6回無死二塁、菊池のバスター安打で本塁を狙った二塁走者の田中はアウトと判定されたが、シリーズ史上初となった本塁リプレー検証の結果、判定が覆り勝ち越し。シリーズ47年ぶりの本盗が飛び出した初戦に続き、積極走塁で流れを引き寄せた。25日の第3戦(札幌D)に勝てば、32年ぶりの日本一に王手となる。
瞬時の判断だった。菊池はバントの構えから、とっさにヒッティングに切り替えた。「ファーストがめちゃくちゃ前に来ていたので。本当は一塁側に打ちたかったんですけど、インコースに来たので引っ張りました」。同点の6回無死二塁、菊池の打球は、二塁ベースカバーに入ろうとしていた遊撃手・中島の左を抜けていった。
この“神業バスター”が日本シリーズ史上初の本塁リプレー検証を呼んだ。浅い打球だったが、二塁走者の田中は、河田三塁コーチの指示通り、本塁へ突っ込んだ。「河田さんに任せていた。僕は一生懸命走った」。左翼手・西川から飛んでくるダイレクト返球。田中は頭から突っ込み、懸命にタッチをかいくぐった。微妙なタイミング。球審は「アウト」のコールだ。緒方監督は気づけばベンチを飛び出していた。
緒方監督「(田中)広輔がうまいことタッチをかいくぐったように、ベンチから見えたから。追いタッチになっていたし、今年はそういうルールでやっているんでね」
必死の形相の指揮官。審判団は協議を始め、シリーズ史上初のリプレー検証を行うことを決めた。3分前後の静寂の後、責任審判の丹波二塁塁審は「手が先に触れているので、得点として再開します」と説明。判定がセーフへと覆った。
田中の左手が、捕手のタッチよりもわずかに早く、ホームに触れていたのだ。“神走塁”での勝ち越し。田中は「感覚的に、僕が先かなと思った」と冷静だった。
勝ち越し打の菊池は、4回に、同点につながる失策を犯していた。今季、超人的な二塁守備を繰り返してきた名手は「ああいう形で取り返せて良かった」と胸をなで下ろした。
思い返せば、今季の広島の歴史的な快進撃もリプレー検証からだった。6月14日の西武との交流戦(マツダ)。2―2で迎えた9回2死一、二塁で、途中出場の赤松が中前安打。本塁を狙った菊池は一度はアウトと判定されたが、リプレー検証で判定が覆り、サヨナラ勝ちとなった。ここから破竹の11連勝を記録。25年ぶりのVへ、大きな流れを生み出した1勝だった。
一つでも前の塁を狙う。積極的な走塁も今季のカープの持ち味だ。春季キャンプから走塁練習をこれでもかと積み重ねた。田中は「捕手が走路にいたが気にならなかった。ずっと練習してきたので」。指揮官も「シーズンからいろいろな形で攻撃してきて、選手はトライしてくれている。普段通りの野球ができている」とたたえた。基本に忠実な中できかせる絶妙なアドリブ。32年ぶりの日本一を狙う舞台でもぶれない。だからカープは強い。(角野 敬介)