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タブノキ林を後世に 竹生島で市民向け学習会

タブノキの苗木の周りの雑草を刈り取る参加者たち=長浜市の竹生島で

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 県や長浜市は二十三日、再生に向けた取り組みが進む県天然記念物の竹生島(同市)のタブノキ林への理解を深めてもらおうと、市民向けの学習会を現地で開いた。県などによると、天敵のカワウの数は捕獲作戦で減っており、島の緑は徐々に戻りつつあるという。

 「竹生島のシンボル」ともいわれるタブノキは、かつて島の半分以上を覆っていた。しかし、約三十年前からカワウの営巣活動で枝が折られたり、ふんによって枯死したりして数が減った。

 その後、銃器による捕獲に乗り出した結果、二〇〇八年秋に六万羽近い生息が確認されたカワウは、昨年秋には約二千六百羽まで減少。カワウの影響で地肌が露出していた場所では、下草が回復する様子を確認できるまでになった。一方でササが繁殖し、タブノキの生育を妨げるという課題も浮かび上がっている。

 学習会には、市民ら十一人が参加。県立大の野間直彦准教授(植物生態学)の案内でタブノキを見て回った。昨年秋に苗木が植えられた一角では、生育を邪魔する雑草を鎌で刈り取るボランティア活動もした。

タブノキの巨木を見上げる参加者=長浜市の竹生島で

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 野間准教授は「島の環境は回復しつつあるが、いつ、元のタブノキ林に戻るかは現時点では分からない。苗木が順調に育つのは難しいことで、生育状況を見極めるため今後も調査を続けていくことが大事だ」と話した。

 (渡辺大地)

 

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