• 蒼乱

【蒼乱】Laplacian & ruby

マスター:cr

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
4日
締切
2016/10/16 09:00
完成日
2016/10/18 00:43

オープニング


「皆さんお待ちしておりました。こちらへどうぞ」
 ここは大渓谷の遺跡の一つ。ここでハンター達のことを待っている少女が居た。彼女の名はルビー。この遺跡に居た者である。
 あまりにも広く規模も大きい大渓谷内の遺跡調査だったが、小さな成果を積み重ねることによりほんの少しずつではあるが、色々なことがわかってきた。ゲートの位置も少しずつ少しずつ絞り込まれ始めていた。そんな大渓谷の調査において、彼女の存在そのものが重大な手がかりとなっていた。
 そして今日もハンター達はルビーに会いに来ていた。流石に場所が場所なので毎日のように会う訳には行かないが、それでも機会を見てやって来ていた。もちろんルビーの言葉の内幾つかがハンター達に役立ったのもあるが、純粋に彼女と会うことを楽しみにしていたのかもしれない。
 今日も彼女は変わらずそこに居た。


 しかしそんな時だった。今日はいつもと違うということがわかったのは。
「……誰か来ます」
 ルビーは突然ハンター達に話しかけた。そして程なくして、彼女はハンター達が入ってきた扉から現れた。
「ふむ、ここに居たのか」
 布一枚を身にまとった、石像を思わせる異様な風体の女。彼女の名はラプラス、己のことを黙示騎士の一人と称するものだった。


「……何の御用でしょうか」
「我はあなたに用があるのだが……ふむ、ここに守護者が居ればそういう反応を示すか」
 ルビーは我々に知識をもたらしてくれた者で、ラプラスは歪虚である。ハンター達の行動は自明だった。
「我は今あなた達とやり合うつもりはないのだが……まあいい、その前にここにいるのは我とあなた達だけでは無いぞ」
 そんなラプラスの言葉を証明するように、どこに隠れていたのか、天井から、入り口から自動人形達が現れる。それらは装備を展開し、こちらに向かってくる。もちろんルビーにも。
「我は先程言った通り今あなた達とやり合うつもりはない。だからここで見させてもらうことにした。あなた達も好きにするがいい」
 ラプラスは通路側に引っ込んだ。ここで見学と洒落込むらしい。しかし、自動人形達はただ、命令に従ってこちら側に向かってくるのであった。

プレイング

岩井崎 メル(ka0520
人間(蒼)|17才|女性|機導師
■防衛戦
他の味方と足並みを揃えつつ、ルビー君の手を引いて入り口側の部屋の隅へ。
まずは彼女を守れる形を整えないと。

よっ、ガールフレンド!彼女の前で良いトコ見せちゃいなっ!
前衛の味方が迎撃に赴く際には明るく「防性強化」で援護。

味方が敵に取り付いたら、ライフルで射撃開始。
蜘蛛の教訓を活かして、自分が狙ってる敵。味方の死角に回ろうとする敵をはっきり
声に出してみんなに注意を喚起、情報共有。
防ぎきれなくても皆の意識からまでフリーな敵だけは作らせない!
そしてルビー君の前から離れない様注意。
いっそのこと腕をつかんでいて貰おうか。

抜けてきた敵はルビー君を庇いつつ銃剣で弾く。
数が多ければ「溶融パイル」も考慮に入れるが使用時は味方に声掛けを

■メル

知恵によって創られたなら、君は言わば知恵の子供、教え子さ。
だから技術屋の私の弟子みたいなもので。君を見捨てるなんて事はしない訳さ。
なぁに、「ししょう」と。君のガールフレンド、友達に任せときな。

ルビー君が考え込まない様ジョークを交えつつ優しく後ろからハグ。
ついでにいつでもそのまま抱えて「VOB」で逃げ出せる様自分は覚悟を。

人類の真実とかはどうでも良いが…。
皆がいう通り、目覚めたばかりのルビー君にこれは酷過ぎる。
「不平等な」って奴じゃない?
試練を受けるにしても、情報、時間。段階的に頂けない物かね?
頭と心がさ、パンクして出来る事も出来なくなっちゃ…「理不尽」じゃない?
七夜・真夕(ka3977
人間(蒼)|17才|女性|魔術師
ルビー、か。
私達とあまり変わんない様に思うんだけどね

○行動
「数が多いのよっ!」
固まっている所に『ライトニングボルト』
電撃を放ち敵の様子を伺う。
後方より配置を確認、仲間の攻撃を見てからその攻撃範囲外から来ようとする敵、特に無ければ敵の多い場所を狙って雷撃を撃ち込んでいく。
前衛に『ウィンドガスト』
「風よ、舞え。エアリアルダンス!」
壁を伝う敵や無数に迫るドローンを仲間を巻き込まない様に注意しながら『ファイアーボール』で攻撃する。
範囲スキルにて敵を効率よくダメージを与えていく。
前衛を突破されるなら自身に『ウィンドガスト』を使用し後衛を守るように立ちふさがる。
防御に徹し間合いを広げることに終始し、攻撃は『ライトニングボルト』中心に。
「雷鳴よ、在れ!クロミカヅチ!」

「公平じゃないんじゃないかしら」
もし、ラプラスがロボットを全部破壊してもくるようなら声をかける。
私達の考える公平と彼女のそれは一線を画する。
相手の「公平」っていう言葉は、どちらかといえば美学と思う。
だから突くのは相手の言質。
「戦うつもりはない。でしょう?言った以上、それがルールなんじゃない?
自分の望まぬ未来になったからって決めたルールを破るのは、フェアじゃない。そうでしょう?」
引いてもらえないかしら?と重ねるわ。

ルビーは後ろに庇っておく。
初対面だけれど、力を持たない女の子を危ない所にはいさせられないわ。
私達が責任持って守らないとね!
天王寺茜(ka4080
人間(蒼)|16才|女性|機導師
【目的】
自動人形からルビーを守る。ラプラスとは極力、戦わない。

【心情】
ラプラスさんの目的は分からないけど、ルビーは必ず守ってみせるわ!

【行動】
「遺跡に来るたびに襲われてるんだから、少しは慣れるわよ!」
接近戦型と射撃型を倒すために、真(ka5819)と鈴太郎(ka6016)に
合わせて前進、光線には『ムーバブルシールド 』でラウンドシールドを
操作して身を守る。雨を告げる鳥(ka6258) からのライトニングボルトの
合図には、『ジェットブーツ』のジャンプで射線を開き、自身は接近戦型を
飛び越えて着地、盾の無い背面から『機導剣』で攻撃する。
その際はラウンドシールドを背中にまわして射撃型の光線に備える。

(魔導銃と同じなら、至近の方が安全!)
射撃型にはラウンドシールドを構えたまま『ジェットブーツ』で体当たり、
勢いで押し倒して射程の内側に入り込み、胴体に掌が触れる距離から
『機導剣』、至近距離からの突き攻撃を放つ。
攻撃に失敗したら後退し、真や鈴太郎と協力して再攻撃をかける。

「ルビーは、彼女は友達です」
「貴方が友達にとっての危険なら、抗います。例え敵わずとも」
ラプラスとはルビーが害されない限りは戦いを避ける。
茜自身は戦闘が目的なら、自動人形に合わせて光線でも撃たれていたら
もっと危険だったはずなので、ラプラスの目的に疑問を持っている。

「(へにゃりと座りこみ)…こ、怖かったあ。心臓バクバクいってる」
龍堂 神火(ka5693
人間(蒼)|14才|男性|符術師
アドリブ絡み歓迎

「数が多い…なら、先に打って出れば!」
ゴークルを目に掛けつつ、初手で禹歩
以後5T連続で使用
前には出ず、味方にスキルが届く位置に立つ

(今回は休んでて、ドルガ)
相棒が使えなくて心細いけど、今は他のスキルの方が良いかな
勝つためだし…独りで戦うわけじゃない

敵が射程に入り次第風雷陣で攻撃
優先はドローンで、味方の攻撃に合わせる
「奔れ稲妻!ボクらの道を切り拓け!」
パトリシアさんの技もよく見ておきたいな、同じ符術師として
ボクはまだまだだけど…!

ドローンがいなくなれば蜘蛛か味方の狙う相手を優先
蜘蛛の真下には立たぬよう注意
(というか技なら、あのカードも…って、そんな場合じゃないか!)
新しいスキルの事も考えちゃうけど今はあと!

「その攻撃は防がせてもらう!」
味方への攻撃には瑞鳥符
自身への攻撃は瑞兆+盾で受け

戦闘後、ラプラスが妙な動きをしないかよく観察
ルビーを奪取、若しくは危害を加える可能性を感じたら禹歩使用

ボク自身はあんまり遺跡やルビーさんの事…ラプラスの事も知らないけど…
「…なんで敵が来るって、先に教えてくれたんです?」
それは気になるから聞いておきたいかな
極端な話、混乱に乗じて連れ去る事も出来た筈だから
それが公平性のためなら…敵でも、ちょっとは好感が持てるかも
「ゲームでも、ルールは平等じゃないと競う意味がないですからね」

戦闘後は、ルビーさんに自己紹介しておきたいです
鞍馬 真(ka5819
人間(蒼)|25才|男性|闘狩人
【目的】
ルビーと仲間達を守る

【心情】
「…得体の知れない奴だ…。」
ラプラスに対しては薄気味悪さを感じている。
ルビーのことは、一つの人格として認識している。「楽しい」や「面白い」を覚え始めた彼女のことを、陰ながら応援したいと考えている。

【行動】
戦闘時:真っ先に前に出て「ソウルトーチ」を使用し、可能な限り多くの自動人形の攻撃を引き付ける。
それ以降はソウルトーチを発動したまま接近戦型を狙って攻撃。攻撃時は「踏込」からの「渾身撃」で手早く片付ける。
接近戦型が片付いたら近くに居る人形から順に撃破する。
戦闘中は、自分が引き付けた攻撃に仲間を巻き込まないように心がける。

余裕があれば実戦経験が少ないらしい鈴君と本来前衛ではない茜君のフォローにも入れるようにする。…私で役に立てるかわからんが。

戦闘後:武器を構えたまま、ラプラスがルビーに何の要件があるのかを問いかける。
そこからは内容次第だが、何もせず帰って貰えるように交渉したい。
交渉材料は…こっちは戦闘で疲弊しているし、あんたのこともよくわからないし、公平では無いよな、とか?
人としての感情を学び始めたルビーの邪魔はしてほしくない。そのような要求をされたら、拒否したい(ルビーの意思は尊重する)

もし交渉が決裂し戦闘になったら、ルビーと皆の生存を最優先に行動する。
斬りかかって時間を稼ぐか、挑発するか…危険は承知の上で奴の意識を自分に向ける。

アドリブ等大歓迎
パトリシア=K=ポラリス(ka5996
人間(蒼)|16才|女性|符術師
パティはネ、ルビーの嬉しい顔を知っテる。
驚いたも、悲しいも、困ったも、楽しいも。
ラプラスに会った時、ルビーはどー思うカナ?
どーしたいカナ?

ルビーの役目が人型インターフェースなら
認証のあるラプラスのいうコトを聞かなきゃカモしれない。

だけど、ルビーは…名前を呼んだら、振り向いてくれるコノ子は
ただのインターフェースじゃなくっテ、パティたちの友達ダカラ。

「ルビー。ルビーは、どうシたい?」

○戦闘
ルビーはラプラスと距離をとれるよう
後衛の皆と部屋の一角へ

蜘蛛避けに地縛符
アメツゲちゃん達の魔法の射程内
地面に対して垂直に3×3の結界を展開
床・天井・壁に、不可視の足止め線をひく

次いで風雷陣で対ドローン
射程届くように適宜前へ
同じ符術師のジンガと良く連携
ドローンのダメージを測り目標を揃えたり、コンボカード乗せたり
光線は盾でガード

ドローン倒せたら前衛に加勢
自他問わず適時ポーション使用

○ラプラス
パティはラプラス、ちょっと怖いネ。
ダケド、ラプラスはルビーのことも、遺跡のことも知ってテ…
みんなと一緒にお話してみるヨっ

剣と天秤ハ、Lady Justice 。正義の女神様。
ラプラスの正義ハ、どこにあるの?

パティの正義、は……かわいー!
かわいーと、おいしーと、みんなで楽し♪
コレは、譲れないんダヨ。

戦闘極力回避
どうしてもルビーと接触しようとするナラ
ルビーがそれを嫌がるのナラ
メルのお姫様抱っこ脱出大作戦を全力で補助!
大伴 鈴太郎(ka6016
人間(蒼)|17才|女性|格闘士
クソッ 話にゃ聞いてたけど、マジでルビーが居てもお構いナシかよ!
ルビー!コイツらやっちまっていンだよな!?
あの妙な女といい何がどうなってやがンだ…

◆自動人形
シンの『ソウルトーチ』に合わせ、接近戦型を目指し一直線
光線を盾で防ぎながら、目標まで兎に角足を止めない
捌き切れなければジグザグ走行に切り替え、的を絞らせず前進
間合いに捉えたら『震撃』で一気に距離を詰め、盾の上からでも構わず攻め続け釘付けに
射撃型の射線に常に接近戦型が重なるよう立ち回り、後ろの射撃型の攻撃も妨害
レインの合図で『ライトニングボルト』を屈んで回避
そのまま『柔能制剛』で足を掬い、転倒している隙に打ち下ろしの『螺旋突』

その後は接近戦・射撃型で自由になっている方へ
シンかアカネが戦況不利なら優先して駆けつける

戦闘の合間合間に早めに回復薬使用
交戦中でも生命4割以下で相手から一旦距離を置き回復
残数に関わらず負傷した仲間にも使用する

◆ラプラス
……で、テメェはルビーに何の用があるってンだよ?
どんだけボロボロでもコレだきゃ聞いとかねーとな
高みの見物決め込まれてトサカきてンだ。ルビーに何かするってンなら力尽くで止めっけどよ
コレ見越して体力温存してたンなら、随分セケェ真似してくれンよな?

退かねぇなら意地でも足止めすンぜ
歪虚から世界を守るだのは知ったこっちゃねーけどよ。ダチの為だったら命張れンだよ!
ルビーはテメェのコト『好き』じゃねぇってよ!
雨を告げる鳥(ka6258
エルフ|14才|女性|魔術師
私は守る。記録者としての役割よりも優先すべき事項はある
ルビー。貴方は協力者である以前に私の。私たちの大切な友人である。貴方を守ろう

私は行動する。ラプラスは警戒するべきだが、今は自動人形からルビーを守らなければならない
自動人形は固まっている間に損傷させたい
故に。入り口から出る前にライトニングボルトを放つ
「天に響き、地を打つ轟雷。閃く光彩。一条に集いて裁きの手をかざせ」

ルビーを連れて部屋の隅に退避。自動人形が現れた入り口側にアースウォールを生み出し、攻撃される面を限定
空いた一面に自動人形が集まれば再びライトニングボルトを放つ
大伴鈴に声をかけて合図を送り、魔法で怯んだところに追撃を頼む

私は連絡する。通信機を用いて遺跡の外に居る者たちへ
未だ大渓谷の探索は続けられている。黙示騎士が現れたことを伝えれば、援軍を見込めるはずだ

私は迎え撃つ。蜘蛛型とドローンは壁を越えて攻撃してくるだろう
それらを最優先に青き奔流に飲み込もう

私は警戒する。ラプラスについて
ルビーが持つシステムコントロールの権限を得る。或いは。ルビー自身を引き入れようとしているのではないか
ゲートを巡る戦いの戦力差を均衡にするために

ルビー。自分を犠牲にしようという考えは強く否定する。ここに居る者全員が同じ想いだ
仮に認証レベルにより逆らえないのであれば、私たちが強引にさらってしまおう
私の魔法はおそらく通じない。故に。壁で接触を妨害するのみだ

リプレイ本文


「私は守る。記録者としての役割よりも優先すべき事項はある。ルビー。貴方は協力者である以前に私の。私たちの大切な友人である。貴方を守ろう」
 黙示騎士と自動人形を見たハンター達の行動は早かった。雨を告げる鳥(ka6258)はすぐさまルビーの手を引く。パトリシア=K=ポラリス(ka5996)と岩井崎 メル(ka0520)も共に手を引いて、ルビーとともに部屋の隅へと移動する。その間にレインは自動人形達の方を振り向き、呪文の詠唱を開始していた。程なくしてそれは完成し、土壁が一枚現れてルビーの体を守る壁と化す。
「パティはネ、ルビーの嬉しい顔を知っテる。驚いたも、悲しいも、困ったも、楽しいも」
 パティは壁の中に身を隠しながら、震えるルビーのその深い紅色の瞳をじっと見つめてそう言った。
「ルビー。ルビーは、どうシたい?」
 そして彼女は問いかける。
「……私は……」
 少女は震えながら、彼女の思考装置が今まで見せたことの無い混乱に喘いでいるのを感じていた。戦いに巻き込まれた恐怖、歪虚と出会った畏怖、しかしなぜか今まで出会った人間達とは違う何か。その感情を言葉にする術を彼女は持ち合わせていなかった。
 だからパティに今出来ることは、そんな彼女を優しく抱きとめる事だけだった。そしてこの状況から脱出するため、自動人形たちに向き直る。

「……得体の知れない奴だ……」
 一方鞍馬 真(ka5819)は、ラプラスに対して薄気味悪さを感じていた。そんな彼の後ろでは、「楽しい」「面白い」そういった感情を覚え始めた少女が震えている。ならば彼がやることは一つだった。
 鞍馬は前に出て体内のマテリアルを燃やす。炎のようなオーラを立ち上る。そしてそれに自動人形達のセンサーは反応する。それらは彼の方を向く。
「ルビー、か。私達とあまり変わんない様に思うんだけどね」
 そうして前に出ていく鞍馬に、七夜・真夕(ka3977)は後ろに下がりながら守護のための呪文をかけた。
「風よ、舞え。エアリアルダンス!」
 彼女が呪句を詠唱すると緑に輝く風が一条吹き、それが彼の体にまとわれその身を守る。
「クソッ 話にゃ聞いてたけど、マジでルビーが居てもお構いナシかよ! あの妙な女といい何がどうなってやがンだ……」
 その頃大伴 鈴太郎(ka6016)は苛ついていた。状況はまだ全て掴めない。確かなことは三つ。自動人形はルビーも含めた部屋にいる全ての者を排除しようとしていること。女が高みの見物をしていること。そしてルビーが、鈴太郎が大切に思っている彼女が恐れ、震えていること。
「ルビー! コイツらやっちまっていンだよな!?」
 だから彼女は苛立ちを怒りに変え立ち向かう。拳を握り構えを取って鞍馬と共に前に突き進む。
「よっ、ガールフレンド! 彼女の前で良いトコ見せちゃいなっ!」
 そんな鈴太郎に、メルが冗談を叩きつつ力を授けた。己のマテリアルを鈴太郎へ向かって流し込む。光り輝く力が彼女の身を保護してくれる。
「ラプラスさんの目的は分からないけど、ルビーは必ず守ってみせるわ!」
 そして二人と共に、天王寺茜(ka4080)が前に進み出た。目指すはこちらへ向かってくる人型のそれ。しかし三人を止めるべく人形達から光線が浴びせかけられる。
「遺跡に来るたびに襲われてるんだから、少しは慣れるわよ!」
 だがそれは茜を傷つけることはなかった。彼女は盾を高速で動かし、襲い来る光線を的確に弾いていく。そしてそれは他の者達も同じだった。鞍馬は光線を受け止め、緑色の風が彼を守る。鈴太郎は光線をかわし、時に当たったとしてもメルが授けてくれた力が守ってくれていた。

「ふむ……人形インターフェースを守るか。無駄な事だと思うのだが」
 そんなハンター達の様子を通路の奥でラプラスは静かに見守っていた。


「数が多い……なら、先に打って出れば!」
 一方龍堂 神火(ka5693)はこの戦況を驚くほど冷静に判断していた。ゴーグルを下げ周囲を見て勝機を見出す。自然と彼の口元は微笑んでいた。後ろに下がり位置を調整してカードを引く。勝利を見出す一枚が彼の手元に収まる。
 そんな彼の周りでドローンが飛び回っていた。空中をひらひらと舞い踊り、光線をあちこちに撒き散らす。
(今回は休んでて、ドルガ)
 彼には相棒と呼べる存在が居た。その名は装火竜ドルガ。しかしその相棒を呼び出すカードは今彼のデッキには入っていない。心細いが恐怖は無かった。
(……独りで戦うわけじゃない)
 共に符を扱うパティが来た。そう、彼には仲間がいる。共に戦えば勝てない相手など居ないはずだ。二人は視線を合わせ、タイミングを取り、そして
「奔れ稲妻! ボクらの道を切り拓け!」
 同時に三枚の符を空中に投げ上げる。それらは雷へと変わり、次々とドローンを地面に叩き落としていった。

「数が多いのよっ!」
 しかしまだまだ敵の方が数の上では有利だ。真夕は後方から敵の配置を確認し狙うべき場所を探る。最初に狙うはハンター達の注意から外れてしまった相手、つまり今自分が気づいていない相手が居ないかを探る。
 そんな風に真夕が探っている時にレインが先に動いた。彼女は今まさにこの部屋へと現れたばかりの人型自動人形達をその瞳で見つめていた。
「天に響き、地を打つ轟雷。閃く光彩。一条に集いて裁きの手をかざせ」
 呪文の詠唱を開始するレイン。その詠唱の開始を聞いて真夕も動いた。見逃している相手は居ない様だ。ならば敵の集まっているところを狙う。
「雷鳴よ、在れ! クロミカヅチ!」
 二人の呪文は同時に完成する。すると全く同じタイミングで、二本の稲妻が彼女たちの前からほとばしりこの部屋を疾走る。その電撃は蜘蛛達を弾き人型自動人形達をまとめて貫いていく。

 そしてそんな間に前に進んで居た者たちも接敵を完了しようとしていた。そこへ向かって放たれた二本の稲妻。しかしそれらを鈴太郎はしゃがんでかわし、茜は脚からマテリアルを噴出し高く高く飛び上がって避ける。
 空高く跳んだ茜はそのまま空中で一回転し盾を構えた自動人形の背後へと着地した。人形のその大きな盾はハンター達の攻撃を弾こうとしていたがこの位置に立った茜の攻撃からは無力だった。彼女の手から現れた光はやがて刃を形取り、そして人形の体に深々と突き刺さる。
 そこにレインからの指示を聞いた鈴太郎が飛び込んできた。力強く踏み込み、その勢いそのままに左のパンチを叩きつける。左を叩き込んだらすかさず右、右を放てばすかさず左。人形はそれを盾で受け止めるが、嵐のような連続パンチの前に受け止めるだけで精一杯、貼り付けられた様になっていた。
 さらに鞍馬が動いた。茜が痛打を与え、鈴太郎はその動きを止めた。あとは……彼は大きく踏み込みながら手にした刀を大上段に構える。そして全身の力をかけてそれを振り下ろせば一刀のもとに人形は真っ二つになっていた。


 前衛の接敵を確認したメルはライフルを構えた。死角に回ろうとしている敵は居ないか……前回の轍を踏まないようにスコープで覗きながら戦況を確認する。そして
「あっちにいるよ!」
「ワカッタヨ」
 言葉を受けたパティは符を一枚壁に向かって飛ばす。それは貼り付くが、果たして何も起こらない。しかし彼女の仕掛けの内容は程なくして明らかになた。
 蜘蛛型が駆けずり回る。こちらへ来ようと壁に足を引っ掛けた時、不意にその足元が大きく沈み込んだ。爪が取られもがくように蠢くのみになる。
 好機が来た。レインの眼にはもがく蜘蛛型の後ろに、今動こうとしている人形が見えた。その二つを結ぶ線を計算しそこを通るように再び呪文を詠唱する。そして放たられる雷撃が一気に二体まとめて貫く。
「ヨシッ!」
 そこに鈴太郎が来た。人形の腕を取ると足を掬い投げる。一回転して倒れた所に彼女が貫手を打ち込めば、それで人形は沈黙した。

 少しずつハンター達へと傾いてく戦況の中でも、自動人形達は変わらず動いていた。最優先のターゲットと見なしたのは炎の如きオーラを立ち上らせる鞍馬。そこに向けて光線を集中させる。それを盾一つで受け流していくが、しかし全方位から飛んでくる光線は時にはその盾の隙間を縫って彼を貫こうとする。
「その攻撃は防がせてもらう!」
 だがこの時を見越して龍堂が仕掛けていたカードが働く。それが光り輝く鳥へと変わり羽ばたけば、光線は鞍馬ではなくその鳥を撃ち貫く。漏れ出た光線は鞍馬の体を傷つけるが、鳥によって和らげられ威力は随分と落ちていた。これなら問題なく動ける。
 鞍馬は残った人形の懐へと踏み込み再び刀を大上段から叩きつける。バランスを崩した人形のところへ盾を構えたまま茜が飛び込んできた。
(魔導銃と同じなら、至近の方が安全!)
 そのまま押し倒すように体当たり……する寸前、掌が触れたその瞬間に再び彼女はその手から光を放った。それはもう一度刃と化し、人形を貫き、動きを止めた。

 そんな中、メルはルビーを抱き寄せていた。まだ震え続ける少女に対して、彼女が出来ることはこうやって守ることだった。それが「ししょう」の役目だった。
「避けて!」
 蜘蛛が、ドローンがまだ残っている。メルは前に居る者達に声をかける。彼らが離れて空間に人形たちだけが取り残された。今だ。
 メルはすかさず機械を操作する。マテリアルが圧縮され杭の形に固められる。そしてもう一度操作すればその杭が射出されたかと思うと、急激に反応し炸裂する。一帯を埋め尽くす炎の波。
 さらに真夕が重ねる。呪文を完成させると火球が一つ飛び出す。それが炎の波に重なったかと思うと大爆発を起こす。炎の波は嵐へと変わった。
 そしてその嵐が晴れた時後には何も残っていなかった。


 戦いは終わった。しかしまだここには問題が一つ残っていた。
「知恵によって創られたなら、君は言わば知恵の子供、教え子さ。だから技術屋の私の弟子みたいなもので。君を見捨てるなんて事はしない訳さ。なぁに、『ししょう』と。君のガールフレンド、友達に任せときな」
 メルはルビーが考え込まないよう優しく抱き寄せる。同時に、もしものときは飛び出せるよう集中していた。そんな彼女のところへラプラスが歩み始める。
「……何の用件だ」
 刀の切っ先を突き付けながら鞍馬は彼女に問いかけた。
「公平じゃないんじゃないかしら」
 真夕はルビーを後ろにかばいながらそう言う。
「……で、テメェはルビーに何の用があるってンだよ? 高みの見物決め込まれてトサカきてンだ。ルビーに何かするってンなら力尽くで止めっけどよ、コレ見越して体力温存してたンなら、随分セケェ真似してくれンよな?」
 鈴太郎はいつでも殴りかかれるよう構えを取る。
「ルビーは、彼女は友達です」
 そして茜も前に出た。
「貴方が友達にとっての危険なら、抗います。例え敵わずとも」
 彼女もラプラスを止められるよう構える。
 だがラプラスは未だ歩み続けていた。そこに向けて真夕が言葉を続けた。
「戦うつもりはない。でしょう? 言った以上、それがルールなんじゃない? 自分の望まぬ未来になったからって決めたルールを破るのは、フェアじゃない。そうでしょう?」
 そこまで聞いてラプラスは歩みを止め、そしてゆっくりと口を開いた。
「……ふむ、どうやらあなた達は随分と早合点をするようだ。思い込みで判断することはフェアなジャッジを妨げる。確かに私は言った通りあなた達とやりあうつもりは無い。そしてそれは今でも変わらない」
 そしてラプラスは茜の方を向き、言葉を続けた。
「『例え敵わずとも』か……そもそもあなた達は随分己のことを過小評価しているようだ。我は今戦っても、間違いなくこちらが負けると考えている」
 比喩か、冗談か、それとも本音か……未だ見せぬ真意に緊張感が高まる中、ラプラスは彼女の考えを吐露した。
「今戦えばあなた達だけは倒せるかもしれない。しかしそれで終わりではないだろう。あなた達の仲間が支え、目的を果たそうとするはずだ」
 ラプラスは部屋の隅で通信機を握っていたレインの方を見てそう言った。レインは今援軍を呼ぼうとしていた所だった。
「とりあえず、今の目的はこれだ」
 そしてラプラスはルビーに向き直る。
「我が名はラプラス。以後お見知りおきを」
「ラプラスさんですね。……管理アカウントとして認証しました」
 ラプラスはハンター達の予想と違い、ただルビーに対して挨拶を行った。それに対し、ルビーは“正しく”認証を行っていた。唖然とする一同であったが、鈴太郎はそれより先に怒りが頂点に達していた。
「歪虚から世界を守るだのは知ったこっちゃねーけどよ。ダチの為だったら命張れンだよ! ルビーはテメェのコト『好き』じゃねぇってよ!」
 文字通り命を賭す覚悟で臨戦態勢に入る鈴太郎。
「それだ」
 だがラプラスはまたしても予想外の言葉を続けた。
「あなた達は個々で戦いつつ、同時に一つとなって戦うことが出来る。それが我々には無い」
 鈴太郎にとっては図星だった。先程の戦いで人形の光線を受けた時、春日、ロス……親友の思いが彼女の身を守ってくれた感覚があった。
 返す言葉もない中、ラプラスは立ち去ろうとする。そこにパティが声をかけた。
「ラプラスの正義ハ、どこにあるの?」
 彼女は言葉を続ける。
「パティの正義、は……かわいー! かわいーと、おいしーと、みんなで楽し♪ コレは、譲れないんダヨ」
「ふむ、正義か……我にとってはフェアであること。正しい判断を下す事だ」
「……なんで敵が来るって、先に教えてくれたんです?」
 ラプラスの言葉に龍堂が続ける。それにも彼女は短く答える。
「簡単だ。それがフェアだからだ」
「ゲームでも、ルールは平等じゃないと競う意味がないですからね」
 その言葉に龍堂はたとえ相手が敵でも不思議な好感を持っていた。
「これはそこの人型インターフェースも同じだろう」
「なッ……テメェッ! 一緒にするなッ!」
 だが続けて放ったラプラスの言葉に鈴太郎の堪忍袋の緒はとうとう切れた。居てもたってもいられず拳を繰り出す。しかし、それが黙示騎士に当たる直前、彼女の姿は黒い光に包まれ掻き消えた。


「……こ、怖かったあ。心臓バクバクいってる」
 ラプラスが去った後、茜はへなへなと座り込みそう漏らすのが限界だった。
「ボクは龍堂 神火です。よろしくお願いします」
「龍堂さんですね、ゲストアカウントとして認証しました」
 龍堂の自己紹介に、ルビーは正しく答える。それを見ながらレインは一人考えていた。
「私は警戒する。ラプラスについて。ルビーが持つシステムコントロールの権限を得る。或いは。ルビー自身を引き入れようとしているのではないか。ゲートを巡る戦いの戦力差を均衡にするために」
 だが彼女のその警戒は、最悪の形で現実となるのだった。

依頼結果

依頼成功度大成功
面白かった! 10
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MVP一覧

  • 輝ける友情
    大伴 鈴太郎ka6016
  • 浪々詠う雨燕
    雨を告げる鳥ka6258

重体一覧

参加者一覧

  • 角鴟の留り木
    岩井崎 メル(ka0520
    人間(蒼)|17才|女性|機導師
  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
  • 実は用心棒枠
    天王寺茜(ka4080
    人間(蒼)|16才|女性|機導師
  • 聡りし炎の瞳
    龍堂 神火(ka5693
    人間(蒼)|14才|男性|符術師
  • 幸せへの願い
    鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|25才|男性|闘狩人
  • Hello ruby.
    パトリシア=K=ポラリス(ka5996
    人間(蒼)|16才|女性|符術師
  • 輝ける友情
    大伴 鈴太郎(ka6016
    人間(蒼)|17才|女性|格闘士
  • 浪々詠う雨燕
    雨を告げる鳥(ka6258
    エルフ|14才|女性|魔術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/10/12 22:25:19
アイコン 質問卓
大伴 鈴太郎(ka6016
人間(リアルブルー)|17才|女性|格闘士(マスターアームズ)
最終発言
2016/10/15 15:48:41
アイコン 相談卓
大伴 鈴太郎(ka6016
人間(リアルブルー)|17才|女性|格闘士(マスターアームズ)
最終発言
2016/10/16 02:25:32