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 米国史上、今回ほど「女性」に焦点が当たった大統領選は過去にない。初めて女性の主要候補が登場したことに加え、ドナルド・トランプの「性差別」的な言動が最終盤で大きな争点となっているからだ。分厚い「ガラスの天井」に挑むヒラリー・クリントンへの女性有権者の視線が、勝敗の鍵を握る。

 「それは私が小学1年生の時でした。トランプが会話で口にしたような行為をされたんです」

 ニューヨーク中心部にあるトランプの名がついた高層ビルの前で、メリッサ・クジンベリー(46)は自らの経験を打ち明けた。

 「××××(女性器の俗称)もつかめる」。メディアが暴露したトランプの過去の会話に対し、「全米女性機構」がニューヨークで開いた抗議集会で女性たちは次々とマイクを握った。「米国にはまだまだ性差別も性暴力もある。トランプは図らずもそれを示した」

 トランプに「性的嫌がらせ」を受けたと告発する女性たちが次々とメディアに名乗りを上げている。トランプの醜聞は、女性への性暴力という古くて新しい問題に火をつけ、選挙戦における女性差別にまで議論が及び始めた。

 「もし、ヒラリー・クリントン…

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