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第二話 化け物
今回は少し、残酷な表現が含まれています。
「はぁぁぁぁ!」
諏訪子は、両手に神力を纏うとそのまま正拳突きをしてきた。
パシッ!パシッ!
俺はそれを受け止めるとそのまま引っ張り腹に蹴りをいれた。
諏訪子は、うっ!と呻き声をあげながらも耐えるとその場で一回転して懐から二つの鉄の輪を取り出した。
そして、それに神力を込めると俺目掛けて投げてきた。
これは、流石によけないとやばい!
ガシッ!
「えっ?」
俺はよけようとしたが何かに足を掴まれた感触がしたので足元に目線を落とすと蛇によってぐるぐる巻きにされていた。
そして、目線をあげると目の前まで鉄の輪が迫ってきていた。
やばーーー
数日前ーー
「え?!どういうこと神様って!」
紫は、諏訪子の言った言葉に戸惑っていた。
「そのままの意味よ?」
諏訪子は、何言ってんのこいつみたいな目で紫を見ていた。
「・・・確かに、諏訪子の体内から神力みたいなものは感じ取れるな。」
「あら、そんなことがわかるなんて流石ね」
諏訪子は、感心したような声でそう言った。
「・・・・(ムスッ)」
紫は、俺と諏訪子のやりとりに嫉妬したのか頬を膨らませてムスッとしていた。
「さっきから隠れているな。いい加減出てきたらどうだ?」
俺が、襖の方を見ながらそう言うと長身の男がスゥ〜と現れた。
「気づくとは流石であるな!」
男は、無表情のままそう言った。
「我は、大和の使いのもの。悪いが洩矢の者よここで死んでもらう!」
男は、短剣を取り出すとそのまま一歩ずつ諏訪子の方へと歩いていった。
「いっ、嫌だ!来ないで!」
諏訪子は、恐怖のあまり動けなかった。
「ふふふ!安心しろすぐに終わる!」
男はそう言って諏訪子の心臓に短剣を突き刺したーー
はずだったーー
「なん・・・だと」
男は気づくと上半身と下半身がわかれていた。
それでもなおしゃべれるところを見ると流石は神の使いだと納得せざるおえなかった。
「うるさい・・・」
俺は、『八咫烏』で首をはねた。
男の首は鮮やかな鮮血を出しながらごとりと音をたてて地面に落ちた。
(´Д`)ハァ…また、やっちまったよ。
怒りに任して行動してしまった。
おれの悪い癖だな。
「大丈夫か?諏訪子、悪かったな。気持ち悪いものを見せて」
俺は、諏訪子の頭をポンポンと撫でると謝罪の言葉を述べた。
「ひぃぃぃ!触れないで!!」
化け物!
諏訪子は、そう言うと俺の手を払いのけた。
「っ!」
何やってんだろ・・・俺
俺は、"化け物"なのに・・・
「ごめん・・・、もう二度と触れないから」
俺は、そう言うと腕を切り落とした。
「師匠!?」
「紫、この俺を・・・化物を師匠なんて呼んでくれるな。」
俺は、スキマを創るとその中に入りスキマを閉じた。
化け物!かぁ
慣れた筈なのにな・・・
そういう扱いを受けるのも
なのになんで
「泣いてんだろ・・・」
ツーッと流れる涙を拭いながら自分の存在意義を見失いかけていた。
〜???side〜
「貴方は、存在するべきですわ。」
私は、存在意義を見失い闇に堕ちつつある彼に静かに声をかけた。
「あんたは誰だ?」
彼は、私の姿を確認すると疑問をぶつけてきた。
「私は、貴方の味方ですわ。」
私は、優しい声でそう告げると彼の頬に触れた。
「っ!」
彼は、それに目を見開くと泣きそうになりながらも堪えていた。
「泣いても大丈夫ですわよ。私と貴方しかいないのですから」
私がそう言うと彼はダムが決壊したかのように泣き始めた。
「zzz」
彼は泣き疲れたのか眠ってしまった。
「・・・」
私は、彼を優しく抱きしめるとキスをした。
私が守る。この天照大御神が!
「少し、待っていてね」
私は、そう言うと彼をーー鏡夜を化け物扱いした愚か者のもとへと向かった。
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