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第二話 夢
「ところで、紫腹減ってないか?」
鏡夜がそう聞くと紫は俯きながら少しだけ・・・と言った。
「そうか!待っていろ。」
鏡夜は、そう言うと立ち上がり森の方へと歩いていった。
それから数分後・・・
鏡夜は自分の体の何倍もの大きさの魚を連れて戻ってきた。
「おーい!魚釣ってきた・・・ぞ・・・」
鏡夜が戻ってくるのを待ちくたびれたのか紫は気持ちよさそうな顔で寝ていた。
「たく、こんなところで何も羽織らないで寝てたら風邪引くぞ」
口調とは裏腹に顔はどこか微笑ましげだった。
鏡夜は、紫に動物の毛皮をかけてあげると動物の骨と鉄を組み合わせてつくった包丁で魚を捌きはじめた。
「うみゅう。ここは・・・?」
鏡夜が魚を捌き終えたタイミングで紫が起きた。
「おはよう!」
鏡夜が、笑顔でそう言うと紫が抱きついてきた。
「よかったぁ!鏡夜兄さんがいてくれて」
紫は、涙声ですりすりしてきた。
鏡夜は、それに黙って頭を撫でていた。
「ひっぐ、鏡夜兄さんがいなくなる。ひっぐ、夢を・・・」
鏡夜は、いなくなったりしないよ。と言って落ち着かせた。
紫は泣きつかれたのか今は鏡夜にもたれかかって寝ている。
鏡夜は捌いた魚の一部を串に刺して能力で火をおこすとそこに刺して焼けるのを待っていた。
そして、いい具合に焼けたのを食べると火を消して眠りに入った。
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