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【千葉】

非行からの立ち直り、花の栽培通じて支援 家裁で活動紹介の集会

非行少年が花の栽培を通して立ち直るきっかけをつかむ活動などが紹介された集会=千葉家裁で

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 非行に手を染めた少年少女の立ち直りの取り組みを考える集会が、千葉市の千葉家裁であった。非行少年らが花の栽培を通して更生のきっかけをつかむ活動などが紹介された。市民ら約六十人が参加。家裁の調査官が、少年審判を控えて調査中の少年らを対象にした花の栽培活動「フラワーオペレーション」を紹介した。親との折り合いが悪くなって窃盗などをした少年たちが、親らと一緒に花を育てて高齢者福祉施設へ寄付する取り組み。県内の農園や、調停委員らでつくる「千葉少年友の会」も協力している。

 フラワーオペレーションは、少年が花の栽培を通じて周りの大人からほめられて自信を持ち、親は少年への接し方を見直すなどの効果もあるという。少年らと一緒に作業する千葉少年友の会会員の舟川武志さん(66)=市川市=は「会話がある親子はそっと見守る。ぎこちない雰囲気の親子には『若い人は作業が早いね』など声をかけるようにしている」と心掛けを話した。

 千葉家裁の吉野陽美(はるみ)調査官は、少年が高齢者福祉施設で花壇を整備する活動も紹介し「周りに認められて支えられる経験は非行を繰り返さないブレーキになる」と指摘した。

 参加した千葉市の松元昭憲(あきのり)さん(28)は「裁判所内で完結するのでなく、民間団体も協力して立ち直りの働き掛けをしているのは興味深かった」と話した。千葉家裁が二〇一五年に担当した少年事件数は、三千九百六十七件。 (中山岳)

 

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