あの短い話がどうやったら映画になるのか興味湧く
※原作の北杜夫さん著書「ぼくのおじさん」のネタバレを含んでいますが、映画化された部分も取り上げている可能性が高いです。ご注意ください。
ブックカバーはめくってしまうのが私流。すっかり日焼けしてしまってます。さっきページをめくってみたら第三版、昭和57年って書いてありました。280円。
北杜夫さんの「ぼくのおじさん」はショートストーリーの本でした。父が電車通勤の間に読むために買ったものをおそらく貰ったのでしょう、僕の本棚にあってあの「ほんわかムード」に癒やされたものでした。
たった140ページほどの中に散りばめられたおじさんの「だらしなさ」と雪男のしっかりしたところ。文章もサラリと読みやすく、主人公が小学生ということで親近感もわきやすい。児童文学としても全国学校図書館協議会選定図書にもなったようですね。
そんな「僕のおじさん」が映画化されるとはなんとも嬉しい。あの世界が映画で見られるんですね。
登場人物は大きく2人。おじさんと甥っ子。おじさんは大学の非常勤講師で哲学を週一回教えている以外、家でゴロゴロしていることが多く、甥の雪男の漫画を読んだりしている。なんで漫画を読むのか聞くと「脳みそを休ませるのに漫画が必要」だとかうそぶく。そんなおじさんをひややかな目でみる甥っ子雪男のストーリーです。
こんな冴えないおじさんを松田龍平さんが演じるとは!もったいないけど楽しそう!
外国旅行にいくためにジュースやチョコの懸賞に応募しまくったあげく念力で当選させようとしたり(公式HPに四つ星コーラの写真が出ているあたりこの話は出てきそうですね)、ハワイで安い宿に泊まるためにとんでもないことを現地で発言したために○○にお世話になったり、普段はペラペラしょうもないことを言っているのにお見合いをするとモジモジしてからっきしだめだったりとかなりハチャメチャなおじさんなのがなんとも憎めない。憎めないどころか僕からみれば愛すべきおじさんでした(主人公の雪男からすれば最悪なおじさんでしたが)
たとえばこんなセリフがでてくるんですよ。
「油虫はカエルの子、ではない。なぜなら水の中に住まないから」
こんなことをおじさんは言うんですけど、それは「カントの認識論をふまえた警句なのだ」っていうんですよ。これを見て小学生だった僕は「カント」という人を知りました(笑)あのときにカントの本を手に取っていたら今頃は哲学者になっていたかもしれません。残念ながら僕はふつうのおじさんになってしまいましたが。
映画の方のみどころは?
映画の方のキャストを見ているとかなり小説には出てこない人がたくさん。メインのストーリーに肉付けしたものがたくさん出てくるのでしょう。だって文庫本140ページのものを映画化しちゃうんですもの。さぞやおじさんのグダグダストーリーが満載の面白さの中に雪男のしっかり感をだしつつ、回りの俳優さん女優さんがもり立てる展開になるんでしょう!
お見合い相手が真木よう子さんでおじさんは一目惚れ、ハワイまで追いかけようと作戦を色々練るというストーリーに変わっているようですね。なるほどーそうくっつけましたか!!小説版にはなかった恋愛ストーリーも加わるとは面白そうですね。さえないおじさんならそれはないでしょうけど、主演が松田龍平さんならアリですね。
原作を読んでみたい方