参照:プライベート・ライアン
電通新入社員が亡くなった事件は電通への労働局の立ち入り検査がありひとまずは一段落を迎えたかに見えました
そんな中でたまたま「電通」というキーワードに関してブログの運営者としてどの程度の人が検索しているのかなどを気になって調べていたのですが(おおまかに全体で10万〜100万件くらいだったのですが)
そんな中で見た事無いキーワードを見かける事に、「電通 鬼十則」、、!?
なにこれ?と、少し調べてみると電通の4代目社長、吉田秀雄氏が作った電通の広告マンとしての指標なのだそうです
あらたためて見ると電通という企業の背景なども見えてくる部分があったので書き留めておきたいと思います
電通の鬼十則
1)仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない。
2)仕事とは、先手先手と働き掛け、受身でやるべきではない。
3)大きい仕事と取り組め。小さい仕事は己を小さくする。
4)難しい仕事をねらえ。それを成し遂げるところに進歩がある。
5)取り組んだら放すな。殺されても放すな。
6)周囲を引きずり廻せ。引きずるのと引きずられるのとでは、長い間に天地の差が出来る。
7)計画を持て。長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と正しい努力と希望が生まれる。
8)自信を持て。自信がないから君の仕事は迫力も粘りも厚みすらもない。
9)頭は常に全回転。八方に気を配って一分の隙があってはならぬ。サービスとはそのようなものだ。
10)摩擦を恐れるな。摩擦は進歩の母、積極の肥料だ。でないと、きみは卑屈未練になる。
電通4代目社長吉田秀雄氏が1951年に作成した物だという事です
1945年がポツダム宣言による日本の終戦の年、1952年がサンフランシスコ平和条約により日本が占領化からの完全な独立をした年ですから、実際にその時代の事には詳しくはないのですが戦後から発展を迎える最中といった所だったのでしょうか
ですがこの電通の「鬼十則」を見ていると「殺されても放すな」の5番や「八方に気を配って一部の隙を与えてはならぬ”サービスとはそういうものだ”」の9番は現在の電通の企業から社員へ向けた姿勢に”かなり”被るんですよね
いやーこれは時代が違うな〜というか若干現代の若者なら引くだろうなと思う部分もあり、命を賭けて戦争に望んだ時代とは考え方も違うし、若干の前後はありますが 同年代の昭和23年(1948年)に作られた少年法と同じ様に、時代と共にあるべき姿とは掛け離れてしまったのかなと思いました
昔は教師の体罰などもありましたが現在では逆にモンスターペアレンツなんていう親やPTAの圧力もありそうい風習は良くも悪くも亡くなっていったのかと思います
企業の場合には、さすがに社員から社長に「おまえさ」「ちょっ待てよ」なんて言えない訳で、どうしても外部からの(世間からの)大きな圧力が無ければ今回の様に少なからぬ反省をする事も無かったのではないかと思います
(それでも月に残業5時間削減、22時消灯ってそれでも遅いわと思いますけどね)
電通の裏十則
この鬼十則色々調べていくと1988年当時に経営企画室にいらっしゃった方が作った「裏十則」なるものがあるそうです、少し見てみましょう
1)仕事は自ら創るな。みんなでつぶされる。
2)仕事は先手先手と働きかけていくな。疲れるだけだ。
3)大きな仕事と取り組むな。大きな仕事は己に責任ばかりふりかかる。
4)難しい仕事を狙うな。これを成し遂げようとしても誰も助けてくれない。
5)取り組んだらすぐ放せ。馬鹿にされても放せ、火傷をする前に…。
6)周囲を引きずり回すな。引きずっている間に、いつの間にか皆の鼻つまみ者になる。
7)計画を持つな。長期の計画を持つと、怒りと苛立ちと、そして空しい失望と倦怠が生まれる。
8)自信を持つな。自信を持つから君の仕事は煙たがられ嫌がられ、そしてついには誰からも相手にされなくなる。
9)頭は常に全回転。八方に気を配って、一分の真実も語ってはならぬ。ゴマスリとはそのようなものだ。
10)摩擦を恐れよ。摩擦はトラブルの母、減点の肥料だ。でないと君は築地のドンキホーテになる。
裏十足、見て分かる様に「従業員視点」の「十則」になっていますね
どうやらこの「裏十則」は渡り渡って他の人の手にも渡った様です
話の続きが書かれていました
ある日、戯れにこの裏十則を渡した組合にいる同期が僕のところに来ていきなり、土下座をします。
「どうしたの」「実は大変なことになった。君の裏十則を先週の組合のビラに載せたのだが」「は!?」「それが大反響を呼び読んだ役員が激怒して、これをつくったやつだけは許すな、と目に涙を浮かべて叫んだ・・・」「・・・・・それって俺のパロディがよく出来てるってことじゃん(笑)」
「来週のビラで『この裏十則を作るような人間は本当は鬼十則の精神を信じているのだが、それが失われた現状に慷慨して作った』と書く!それで許してくれい」 「は!?では、よろしく」
確かにこんな裏十則を経営計画室の人間が作ったということがばれては、それは当時の電通では大ごとになったでしょうが、幸いばれずにすみました。(その役員も私も退社した今となっては笑い話です)
労働組合で大反響があった事、役員が憤慨した事、面白く書かれてはいますが現実的に厳しすぎる部分も昔からあったのかなとも類推します
今回の電通事件での強烈な批判もあり電通への風当たりは強いです
ですがそれまでは「鬼十則」は素晴らしいというコメントなども見掛けられ、その規則自体は「時代ごとに受け継がれそしてまた変化していくべきもの」で あったのではないかと思うのです
セブンイレブンも7時〜11時ではなく24時間だし
昔は仕事の相手が人だったからよかったけれど今はネットやPCを使って何時間でも仕事が出来てしまう
仕事の内容が現代になって大きく変わる中で、会社の方針や社員の働かせ方についても変わっていくべきだったのではないでしょうか
最後に
全然話変わりますけど、何かの本で頭が良く無いけど彼は幸せという様なお話しを見掛けた事があります。その彼はとてもじゃないけど頭は良くなくて、周囲にバカにされてしまう事もありました。けどその彼は誰かを憎んだり嫌いになったり比較したり、そういった事を考える事が出来なかった、だからこそいつも彼は微笑んでしあわせそうにしていたってそんな話があったのを思い出しました(かなり適当に書いてますが)
でも本当、誰かと比較したり、いい学校いかなくちゃ、仕事辞めたら回りの目が、そういう事に目が行ってしまうと「生活を幸せにする為の仕事が、仕事に捧げる為の生活」になってしまうんじゃないかって思うんです
それってやっぱり違うし、皆でそういった本来の生き方、仕事のあり方に戻していける様働きかける事が出来たらなって思いました
たぶんそういうの選挙じゃないですが、ひとりひとりのちっちゃな票が大きな流れを作っていくのかなって思います
柄にもなくこんな記事書いちゃいましたね、今日は日曜日!
ゆっくり戦士の休日をお楽しみ下さい