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 熊本地震から半年を経た熊本観光の顔「阿蘇」への客足の回復が道半ばだ。国の助成で宿泊費などが割引になる「九州ふっこう割」の効果で国内客は戻りつつあるが、インフラ復旧が終了しておらず国際便の運休も続くなか、外国人客は落ち込んだままだ。被災場所に案内するツアーなど新たな取り組みも始まった。

■バスの団体客が減少

 熊本県阿蘇市のJR阿蘇駅。17日朝に到着した大分・別府発の九州横断特急から降りたのはスイス人の男女2人だけだった。

 JR豊肥線の阿蘇―肥後大津間が不通のため、熊本から別府に回り、2日がかりできたという。この女性は「熊本からの代替バスが分からなかった。ゆっくり阿蘇に滞在しようと思ったのに残念」と語り、草千里行きのバスに乗り込んだ。

 阿蘇駅の改札横にある市観光協会の案内所は、昨年度1年間で1万3千人余の外国人が訪れた。協会によると、今は1日数組という。

 阿蘇の司ビラパークホテル(阿蘇市黒川)の9月の宿泊客は例年の半分以下の4千人弱。海外客を含むバスの団体客が減っている。

 水田浩二営業本部長(35)が特に感じるのは交通網の影響だ。土砂崩れで通行止めが続く国道57号の迂回(うかい)路、ミルクロードは度々渋滞が起きる。「時間が測れない行き先は旅程に組みにくい。観光復興には57号の復旧が欠かせない」

 阿蘇山上手前の草千里ケ浜への…

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