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番組詳細説明（内容）

【見どころ】
富山県小矢部市の斉藤寛明さん。「豆腐」づくりに障害者ともに汗する毎日です。その取り組みのきっかけは息子の知的障害の存在でした。現在は７人の障害者と毎日豆腐作りに悪戦苦闘しています。日々、失敗を繰り返しながらも、一歩ずつ成長していく７人の姿に密着！障害者の働き場所が不足している現代社会が障害者とどのようにして向き合い、受け入れていけばいいのか？そして、障害者がどのように自立していくのかを考えます。

【内容】
富山県の西端、石川県と接する小矢部市にある「斉藤商店おやべ」。
小矢部産の大豆、地下水を使って、豆腐、がんもなどを製造販売しています。県内のスーパーや道の駅などでも売られており、地元では人気のお店です。製造するのは、斉藤寛明さん（６９歳）と妻、明美さん（６０歳）。そして、自閉症や知的障害のある７人（２１歳〜４９歳）です。

斉藤さんがお店を設立したのは、２５年前。慶応大学を卒業後、大手の保険会社で働いていましたが、長男・勇旗さんが３歳のときに知的障害だとわかり、田舎暮らしの方が勇旗さんを育てる環境に合っていると、小矢部市（明美さんの実家）に移住。斉藤さんの実家が豆腐屋だったこともあり、勇旗さんの働き場所が必要だと考えて斉藤商店を設立します。設立当社は、つばき巾着のみの製造で、授業員も斉藤さん夫婦だけだったため、元旦以外は毎日が仕事で、３６４日間働いたそうです。
それから、手作りで美味しい巾着は少しずつ地元で知れ渡るようになり、斉藤商店も少しずつ売り上げが伸び、今では勇旗さんを含めて７人の知的障害者が働いています。

今、奮闘しているのが入社３年目の岡本拓人くん（２１歳）です。拓人くんは知的障害があり、支援学校を卒業後、入社しました。とにかくやんちゃで、１年目は持ち場を離れ外に遊びに出たり、商品を食べてしまうなど、とにかく大変だったそうです。しかし、斉藤さんの厳しい指導のもと少しずつ仕事を覚え、今は豆腐やがんも作りの補助をしています。

知的障害者一人がちゃんとした仕事ができるようになるまでには、数年以上はかかるという斉藤さん。拓人くんに一人前の仕事を任せられる日はいつやってくるのか！？拓人君は、数字を覚えるのが得意です。斉藤さんはそんな拓人君の個性もしっかり理解し、その特技を伸ばすことも忘れません。日々、失敗を繰り返しながらも、一歩ずつ成長していく社員たちの奮闘ぶりに密着しました。
斉藤商店おやべは、Ａ型事業所に認定されています。このため、販売する商品は一般の商品と同じように店先に並べられるため、「障害者が作っているので商品に多少の瑕疵があっても…」といった甘えは許されません。そのため、障害をもつ社員には時には厳しい指導も入ります。これも、それぞれの障害者たちが「自立」して生きて行くためのトレーニングなのです。

番組では、約３年間の取材の中で岡本拓人くんの日々の姿を中心に追うとともに、ほかの障害を持つ社員が、失敗を通じて成長する様子、地域の人たちとの交流の様子を追います。そして、最後は斉藤さんの夢。畑作を通じて地域の人たちとのかかわりを深めることで、障害者への理解が深まることへの願いを描きます。

■番組のメッセージ
斉藤商店は障害者就労継続支援Ａ型事業所に認定されています。Ａ型事業所は一般企業などで働くことが困難な人に、労働契約を結んで就労の機会を提供するもので、全国に約２０００か所、約４万人が働いています。（※その他、一般企業に約４０万人、Ｂ型約１８万人）
障害者の就職率は47.2％で（平成２６年度厚生労働省調べ）、近年上昇傾向にありますが依然として低く、障害者の働き場所は少ないです。障害者の働き場所が不足する中、社会が障害者とどのようにして向き合い、受け入れていけばいいのか？そして、障害者がどのように自立していくのかを伝えたいと思います。