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第三話 黒歴史リヴァイバー②
注意!
この話に、3つの体を持つあの方が出てきます!早いよ!という方は速攻で戻って『東方表裏録』をご覧ください!←宣伝
あと、この方のキャラ崩壊注意及び完全オリ設定!ですよ!
あと、過去話なので殆どが会話文です!ここも注意!
「…さて、これで全部だな。帰るぞ、藍。幽香はともかく、あのバカがいつ空腹で暴れ出すか分からんからな」
「…そうですね。我が主ながら、あのお方は少々ご自分の欲に忠実過ぎます。もう少し『待つ』とか『耐える』とか『見送る』とか冷静な判断をしてほしいです。なんで人間の形を取り始めて僅か1年の新米が日本屈指の大妖怪のフォローに回らなければいけないのでしょう…。そのせいで鬼の皆様にも顔覚えられましたし」
「…すまんな、藍。これからは俺もあいつにきちんと言っておくよ、お前の可愛い式神が過労死するから働け、とね」
「い、いえ!ユウ様の責任なんてございません!ですから謝らないで下さい!…ほ、ホラ、早く帰りましょう!紫様もお腹を空かせてお待ちでしょうし、空だってこんなにも蒼く………蒼く!?」
「…ああ、コレか。…藍、気にするな。帰るぞ」
「え!?な、何故です!空一面を蒼く染め上げるにとどまらず、その空が絶えず色の濃淡を変化させている、つまり今も力は送り込まれ続けている!これほどの大規模な術を仕掛けてくる相手がいるんですよ?放置なんてしたら里のものが全滅してしまいます!」
「…藍。悪いことは言わん。すぐにここを離れよう。なに、大丈夫だ。誓ってやろう、この術で悪影響を被るものはゼロだよ。 ーー 里の中ではな」
「…一体、どういうことです?これほどの術を放っておいて無害、なのですか?」
「ああ。…ただ、さっきも言っただろ?それはあくまで里の中に限られる。つまり、里の連中以外の奴らはそうじゃない。 ーー はっきり言おう、藍、お前なんだよ。今、最も危ないのは」
「…なるほど。理解しました。…私を八雲の式と知り、それを排除しようということですか。それなら、ユウ様が離れようと言ったのにも納得がいきます。…ですが、ここで退くわけにはいきません!見たことのない感じの妖気を感じますが、この程度なら問題ありません!如何に新参者とはいえ、私とて九尾の狐!このような挑発行為を黙って見逃すなどできようはずもありません!」
「…その心意気は結構なんだが…。藍よ。お前は3つ、勘違いをしている」
「…勘違い、ですか?」
「ああ。まず一つ。この力は妖気ではない。神の発する力 ーー 『神気』と呼ばれるものだ。つまり、この術の発動者は神だということ。そして、二つ。その神は今全く本気でない。つまり、本気を出されると如何にお前でも勝てん。それから、三つ。…これが、一番重要なことだが……おっと、危ない」
「…?なぜ私の周りに壁を『ドゴオオォン!!』ひいっ!?な、何事!?何の音だこれは『うおおおおこんなところにめっちゃ可愛い子がいるー!!久しぶりにユウさんに会いにに来てみたらまさかの遭遇ね!これは、まさしく運命!もうお持ち帰りするしかないわねっ!』…(え!?何!?誰!?え、もしかしてさっきの音ってこの人がユウ様の作った壁にぶつかった音?だとしたら、なんで生きてるのこの人!?しかもお、お持ち帰りって何のことだ?)」
「…三つ。
そいつは、極度の幼女嗜好を持つ変態だ。だから言ったろ?お前が一番危険だ、と」
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「はーい、こんにちわー!わけあって本名は明かせませんが、ヘンティーとでもお呼び下さい!ささ、そこの可愛い狐のようゲフンゲフン女の子は名前なんて言うのかなー?」
「えと、や、八雲 藍です」
「分かったわ、藍ちゃんね!宜しく!…そうだ、藍ちゃん、お腹空いてないかしら?」
「え、確かに多少は空いてますが?」
「ちょうどいいわ!お姉さんのところで食べて行きなさい!それに、きっとその頃には夜も更けてるわ。だから、止まって行きなさい!暗い夜道を女の子だけで帰るなんて、危ないからね!!」
「え、あの、すいません、実はもう夕食の食材を買ってしまいまして、その、宜しければ次の機会にでも「やめておけ、藍」…ユウ様?どうされましたか?」
「そいつについて行ったが最後、もう二度と帰って来れなくなるぞ。色んな意味で、な。…そいつは俺の知り合いでな。ある重要な世界を統治する、神々の中でも最上位に位置するほどの強者だ。しかも己の欲望に結構忠実だ。さらに、お前はこいつの好みド真ん中。…つまり、そういうことだ」
「(なんだろう、よく分からないけどその通りな気がしてきた)」
「…えー、何よ、ユウさん!私はただ迷っていた女の子を保護しようとしただけじゃなーい!別に、何もする気は無いわよー」
「よく言う。この前天照の奴が愚痴ってきたぞ?お前に危うく襲われかけたとか。あいつも日本神話の神である以上は俺の子。あまり下手な手出しは黙認できないぞ」
「ぶー…固いわねぇ。…まあ、いいわ。どうせ今家に映姫ちゃんいるしね「おい待て」…何よ?」
「…俺の記憶が確かなら、あのチビ閻魔は少なくとも2日前までは地獄の業務に勤しんでいたはずだ」
「ええ、私が行った時もやってたわよ、仕事。ほんと、あの子は仕事熱心よねぇ。お陰様で、楽させてもらってるわぁ」
「…お前、いつから映姫を家に招いた?」
「大体2日前かしらね。微かにだけどユウさんの気配もしたし、ユウさんが行ってからそんなに時間は経ってないんじゃないかしらね?」
「…つまり、だ。映姫はこのほぼ二日間『ずっと』お前と共にいた、と?」
「?ええ、その通りよ?それがどうかしたの?」
「…言いたいことは二つだ。まず、地獄の業務に支障が出るから今後はタイミングを見計らう、もしくはお前も手伝え。元々お前がやるべきことまでやってくれてるんだから、せめてそのくらいはしてやること。んで、二つ目は。
お前、『襲って』ないだろうな?」
「………ベツニナニモシテナイワヨー」
「おい、俺の目を見て話せ」
「…ちょっと抱きしめて一緒に寝た後に逃走防止用魔術かけて出てきただけよ。別にやましいことなんてしてないわ。それに、たまってた仕事は全部済ませてるもの。何も問題はないでしょう?」
「それが当たり前のことだといい加減に気づけ。それと、充分アウトだこのバ神が。…ったく、いきなり尊敬するお前にさらわれてあまつさえお前の家に拘束されてるあいつが可哀想だよ…」
「…あ、あの、ユウ様。そろそろ戻らないと、紫様と風見様が首を長くしてお待ちかと」
「…あ、忘れてたな。…というわけで、ヘンティー。俺はもう行くぞ。あと、帰ったら、すぐに映姫を解放してやれ。いいな?」
「えー、まあいいけど。じゃあ藍ちゃん代わりに借りてくわね「そーい」グフゥッ!?」
「…ちょ、ユウ様!?何故ヘンティーさんを殴り飛ばしたのです!?」
「お前はまだ知らなくて良い。年齢的に早いからな。せめて、あと10年、いや12年は知らなくても問題ないぞ。…さて、あのアホのせいでだいぶ遅れたが、戻るか。藍、ついておいで」
「は、はい」
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「ただいま戻りましたー「遅ぉい!」ひんっ!?い、いきなり出てこないで下さい紫様!びっくりしてしまいます!」
「だって、遅すぎでしょう!?買い物行って1時間って、どんな道草食ってたのよ!…藍、まさか貴女甘味処に手を出していないでしょうね?もしそうだとしたら、後で地獄の特訓追加するわよ!」
「してませんよ!そんなことしようとも思いませんし、大体したら太っちゃうじゃありませんか!私も一女として、『増える』と傷付くのです!」
『は、はあ!?貴女その体型で増えたら傷付く?ふざけるな!こちとら貴女より肉付きいいせいで無駄な贅肉にも苦しんでるのよ!寧ろ貴女はもっと増やすべき立場でしょう!」
「女としてそれには抵抗があります!それに、私は紫様みたいに胸だけじゃなくて横にも大きくはなりたくないんです!」
「…あらあら、式神風情が言ってくれるじゃない。…誰の、何が大きいですってえぇ!?」
「何度でも言ってあげますよ。紫様の、横幅が、大きいんです!だからこそ、私は貴女を体型面では反面教師として不退転の覚悟で臨むのです!」
「…どうでもいいから早く中入りなさいよ。うるさいったらありはしないわ「「幽香は黙ってて頂戴(下さい)!!貴女(風見様)が言っても嫌味にしか聞こえないのよ!(聞こえないんです!)」…なんか、最近この2人の私に対する扱いが酷い気がするわ」
「おーい、幽香ー。ちょっと手伝ってくれー」
「…はいはい。今行くわよー。…2人とも、ほんとに中にいないと知らないわよ?私、晩ご飯出来ても呼びに来ないからね?」
「「がるるるるるるっ!!」」
「……ダメね、これは。聞いちゃいないわ。ユウに言っとく必要があるわね、今日の晩ご飯は2人前でいいこと」
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「…ということがあったんだよ」
「ハハハ、藍殿の幼少期というから聞いてみたが、これは予想以上だ。まさかあんな冷静な対応が出来る優秀な式神にこんな時期があったとは」
「ほんと、あの頃は凄かったぞ?あいつの周りには、いつもたくさんの笑顔と変態が溢れてたんだからな」
「…後者は要らないなぁ。まあ、今あの器量だ。幼少期ともなればいかがわしい目的で寄ってくる男も多かっただろうな」
「女もいたがな。それも、毎回同じ奴が来てた」
「…流石妖狐、と言ったところか?男女問わず魅了するとは、さぞかしそいつらには藍殿が魅力的に映っていたのだろうなぁ」
ええ、そりゃあもう。多分魅力的どころか天使として映ってたんじゃないか?私の天使ーーーー!!とか言って風呂場に突撃して行くあいつをシバき倒すのも俺の役割だったしな。
ちなみに、あの後映姫は無事解放されたらしい。後日一緒に飲みに行くことがあり、その時聞いた。よっぽどショックだったのか、その時の話してる間に酔い潰れ、しかしそれでも話し続けた。寝言でも言ってた。…あのロリコン、本当にやめてやれよ…。
「…さて。面白い話も聞けたしな。そろそろ私はお暇させてもらうよ。仕事も残っているものでね。ありがとう、有意義な時間だったよ」
「いやいや、こちらこそ。長話に付き合ってくれてありがとう。また一つ面白い過去を思い出したおかげで、美味しく酒が飲めるよ」
俺も鬼ほどではないが、天狗くらいには酒を嗜む。その酒が上手くなるものがあるなら、是非とも欲しいというのは本音である。その意味で、こちらにとってもかなり有意義な時間となった。…せっかくだ。紫と藍も誘って、三人で久し振りに飲むかな?
「飲み過ぎは体に毒だぞ?まあ、それだけ生きたのなら知ってるだろうが。…それではな、ユウ。また人里にも来てくれ」
「ああ。また行かせてもらうよ」
…さて、と。とりあえず紫のところへ戻りますかね。きっと首を長くして待っていることだろうし。
ありがとうございました!
「何故にいきなり出したんだよ。しかもキャラ崩壊ってレベルじゃねーぞあれ。最早ただの変態じゃないか」
そう言われましても、私はこれ書き始める時からずっとヘンティーさんはこのキャラで行くと決めてたんですよ!だから、仕方ないんですこれは!あ、ちなみにヘンティーは『変なTシャツ』の略ですからね!ま、知ってる人は知ってるでしょうけど。
「結構有名だろこれ。あの◯苗さんの新しい迷言として末長く語り継がれるだろうよ」
そうですねぇ。それでは、みなさま!
「次回をお楽しみに」
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